| 萩生田委員 JAXAや文部科学省を中心に行ってきた宇宙研究を、他の省庁にもまたがるものが幾つもあって、総括的に司令塔的な役割を果たす意味での本部を設置する、そのことは私はいいことだと思います。
他方、例えば海洋基本法などが成立をしましたけれども、研究というのは、さまざまな分野で専門性を高めていく必要があるんですが、時にその枠を超えて、新たな発見ですとか新たな共同研究というものが必要になってくるんだと思いますね。今までは、ばらけていたがゆえに使いにくかったというマイナスの面もあったと同時に、一つの省庁じゃなかったがゆえにさまざまな切り口から宇宙の有効性というものを探求し続けてきたという利点もきっとあったんだと思うんですよ。ですから、その辺が、統合したことによって、あるいは司令塔を一つ構えたことによって、何か塀が高くなってしまって狭い範囲での宇宙開発、研究になることのないように注意をしていただきたいなと私は思っております。
余談なんですけれども、私の地元に串田嘉男さんという方が出身者でいらっしゃいまして、今、山梨県の八ヶ岳で子供たちに天文台を開放して星の勉強会みたいなことをやっているんですね。その方は別に、別にと言ったら怒られるかもしれませんけれども、日本を代表する宇宙科学者なわけではないんですが、子供のときからとにかく星が好きで、その趣味が高じて、今奥さんと二人で八ヶ岳にこもって自前の天文台をつくって、そして多分、この連休中にも多くの子供たちが親子連れでそこに泊まりがけで行って、初めて自分の目で星の輝きを見て大変な感激をしたんだと思います。
私はたまたまその方と古いおつき合いがあるもので、実は、その方は、星のことが大好きなだけで、ただ好きなだけでは人間は食べていけませんから、基本的な研究として流れ星の観測というのを委託事業で、当時の科学技術庁だったんでしょうか、あるいはさまざまな、もしかすると気象庁なんかからも委託を受けていたのかもしれません。本来、流れ星というのは目でカウントできるものもあれば目で見えないものもあって、どうやってカウントするかというと、古典的な手法として非常にシンプルなやり方で、FMの電波の基地点を二つつないで、そこで、本来だったら届くはずのないFM電波がある一瞬届く。それはなぜかというと、流れ星に反射をして、届くわけのない場所まで届くという観測方法が昔からあって、これを奥様と二人で、ある意味では生活のために、受託をしてずっとやってきたんですね。
そうしましたら、御本人は全く興味がなかったので、きっと地震予知というのはこうやってやるんだなというふうに思っていたんですけれども、ある日から、数日後ある地域で一定規模の地震が発生するという周期を発見したんです。
その方は、別にそのことを世間に知らせるまでもなく、自分たちで、今度はあの地域でこのくらいの規模になる、大変だねと。奥尻島も事前にある程度わかってしまったし、あるいは兵庫の地震につきましてもその直前から大きな数字を確認して、そして地震予知というのはこうやってきっとやっているんだなと自分で勝手に思い込んでいたら、あの悲惨な、淡路も含めてですけれども、あの阪神大震災を目の当たりにして、なぜ政府はもう少し早目に地震の予知を公表できないのかということに憤りを感じて、初めてその研究成果を世に出したんですね。
そうしたら、地震予知の研究者にしてみれば、要するに、自分たちは地べたの下をずっと見ていて、専門的な、各大学を代表される教授陣がチームを組んで研究していて、失礼ながらただの一度も予知をしたことがないのに、空を見ていた人にそんなことわかるわけないだろうということで、意見の食い違いがございました。
実はこの後、非常に悩ましいんですけれども、当時の科学技術庁は、その天文台を委託研究施設として一定の金額をお支払いして、研究成果を外に出さないということをいまだにやっております。
私は、これはKT法という特許を取って既に実用段階に来ているんだと思いますけれども、要は、畑違いの人たちが見つけたことは認めぬという日本の学術的な塀を越えていくことが宇宙開発にとって非常に大事なことだというふうに思っております。これからさまざまな分野で、もしかしたら、海の研究をしている人たちから宇宙についての新たな発見や情報があるかもしれない。地質の研究をしている人たちから宇宙についてのさまざまな提案があるかもしれない。あるいは、宇宙の専門家の皆さんからさまざまな環境についての提案があるかもしれない。こういったものを日本は国家戦略としてきちんと幅広にまとめて、国民の皆さんのために還元をしていくことが今回の基本法を制定する上で非常に大事だというふうに私は思っておりまして、ぜひその精神、理念を忘れずにこの法律が実用されることを高く期待したいというふうに思います。
そこで、本当はいろいろなことを聞きたかったのですけれども時間が参りましたので、一点は、政府に対して、宇宙基本法が成立した場合、これを受けて政府として戦略的に宇宙政策を推進していくことが重要だ、これは言うまでもございませんけれども、その決意を確認したいと思います。
それから最後に、研究開発の成果。冒頭申し上げましたけれども、やはり国民にわかりづらい。この啓蒙と、将来の科学者を育てるのは、やはり義務教育期間にどれだけ子供たちが日本の科学技術のすばらしさ、あるいは、その奥の深さというものに興味を持ってもらうことにきっかけがあるんじゃないかと私は思っています。
そういう意味では、今回指導要領の改訂もございますけれども、残念ながら、科学技術の分野については目が覚めるような記述があるわけでもありませんし、とりわけ宇宙につきましては、宇宙のことを教えてあげる教員の方の数も少ないですし、また宇宙についてのさまざまなプログラムというのもなかなか整備をされていない状況にございます。
この基本法の制定をきっかけに宇宙教育の必要性についてどうお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。
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