桜田委員
自由民主党の桜田義孝でございます。参考人のお二人におかれましては、お忙しいところを御苦労さまでございます。
現在、国会では、中央省庁改革と地方分権関連法案の審議の真っ最中でありますが、明治維新後、アジアの諸国の中で奇跡的な近代化を遂げ、高度経済成長をなし遂げていく中で、中央、地方を問わず、我が国の行政の果たしてきた役割は非常に大きいものがあろうかと思われます。しかし、欧米生活にキャッチアップが完了し、国家社会全体が成熟期を迎えた現在、市場経済の低迷と膨大な財政赤字が私たちの生活から快適性を奪っていることもまた事実であろうかと思います。
こうした中、至るところで、透明性、公平性、効率性ある行政への国民の要望が増大しているところであります。二十一世紀に向けて私たちは、活力ある経済社会を創造していくためにも、行政、政府のあり方を根本的に変えていかなければなりません。今こそ、効率的で透明性にあふれる、わかりやすい、国民のための行政を、中央、地方とも、国全体が一丸となって実現していかなければならないところであります。
今回は、特に地方行政における事務事業の評価というテーマでありますが、本日の参考人が関係しておられます、静岡県そして三重県などの幾つかの自治体では、既に事務事業評価システムが導入され、一定の効果が出ていると伺っております。もしこのような一部地方自治体による努力が行政効果に有効であるならば、私たちは、他の自治体にも見習って導入していくべきであると思いますし、国がそれを積極的に支援していく必要があるのではないかと考えます。
このような視点から質問をさせていただきたいと思いますが、最初に静岡県の知事にお伺いしたいのですけれども、静岡県では、業務棚卸表を作成し、行政各部署の目的、目標を客観、具体化するという徹底的な自己評価システムを導入されて、県の組織階級も、七階級から五階級まで簡素化されたと伺っております。
説明によれば、この事務事業の見直しにより、平成十一年度四月のスタート時点で、千二百八十八の事業にわたって三百六十七億円が削減されたということでありますが、地方政庁としてはなかなか思い切ったことをやられたと評価をする次第であります。
初歩的質問でありますが、そもそも静岡県がここまで熱心に行政改革に取り組まれたことの背景について、一体どういうことが主たる原因であったのかをまずお伺いしたいなと、そして、実際の事務遂行上見られた弊害や矛盾点、問題点について、具体的に、主なところで結構でございますのでお伺いしたいなと思います。石川知事にひとつお願いいたします。 |
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石川参考人
静岡県が今回の行革に取り組みました動機とか背景でございますが、行政の衝に当たってみますと、つくづく感じますことは、住民の行政に対する需要は無限大にあります。それに対して行政がよくやっているかどうかという評価は、極力、あらゆる要望、要求にどうやってこたえるか。多々ますます弁ずという言葉がございますが、端的に言うと、多々ますます弁ずという原理が働く世界でございます。
しかし、一方で、財源、人員は有限でございますし、特に昨今の経済不況の中で、税収あるいは国からのさまざまな交付税、その他の交付金あるいは補助金、これらの財源の確保については、現状でも大変でありますし、先行きも楽観を許さない。そうしますと、無限大に発生する行政需要に対して、有限の資源、人員でどう対応するか、これはもう真剣に行革を考えざるを得ない。しかし、これまで取り組んでまいりました節約型、けちけち型の行政改革ではどうしようもない。
そこで、いろいろ考えました結果出てきた結論は、民間の企業において達成されております生産性の向上の概念を行政にも導入する必要があるということを痛感いたしました。ましてや、昨今のように、ますます世の中の動きが激しくなり、行政の対応も、素早い変化、旧来のいろいろな慣例とかあるいは制度にとらわれないで、新しい事態にいかに新しい行政対応をするかということが求められる時代においては、組織全体のあり方もそれに即応したものになっていかなければいけない、そんなこんなを考えまして、今回のような取り組みに至ったわけでございます。
参考になりましたのは、日本を中心とした民間の企業、民間の実業界における取り組みが大変参考になった。現実に、我々手がけてみて、その手ごたえも実感しつつあるところでございます。 |
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桜田委員
どうもありがとうございます。
その中で、私が先ほどから伺っている中で、非常に大変な努力をなされたのではないだろうかという特に大事なことは、組織のフラット化ということなんです。中間職の廃止を実現されているわけです。私も、市議会議員、県議会議員、衆議院議員となっているわけですけれども、課長さんだとか課長補佐、主査、参事とか、いろいろ項目があって、何でこんなに項目がいっぱいなくてはならないのかなというふうに思うわけです。私もサラリーマン生活というのをやったことがないものですから、特に名前、名称を覚えるだけでも大変だというのが実際のところでございます。
そして、私なんかが知っているような範囲でも、地方自治体でも名前が十項目ぐらいあるのではないだろうかと思うし、そのとき、静岡県では、七項目のところを五階級にしたということで、簡素化、透明性というものにおいては大変すばらしいと思っているところです。
その中でよくできたなと思うのは、これは私、官僚の抵抗というものは物すごくあったのではないだろうかというような気がするのです。何かをやろうとすると、官僚というのは、とにかく自分のポジション、位置というものを削られたりすることは非常に嫌がるという性格を非常に持っている。
私も、この十二年間、いろいろな議員をやっていて気がつくのですけれども、この抵抗をどういうふうに抑えたのか。こういう抵抗は、もっともだ、知事の言うことはごもっともでございますということで、みんな賛同してすんなりと、どんどん役職のフラット化というのが進んだのかどうか、それをぜひひとつお伺いしたい。いろいろな抵抗があった、それでも押し切って、知事の強いリーダーシップのもとで推し進めたということなのか、職員に理解があったのか、社会的に、あるいはマスコミ等いろいろな社会的な、住民の理解のもとに推し進められたのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいな、そんなふうに思います。 |
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石川参考人
桜田先生がおっしゃるように、行革を進めようと思いますと、一番のネックは、実は行政組織の内部の抵抗でございます。
私自身も公務員の経験がございますから、身に覚えがないわけじゃございません。しかし、今回、静岡県がこのようなかなり大胆なことができましたには、いろいろな条件があると思います。
一つは、時代がもう許さなくなってきている、そういう意識は職員の中にもいろいろ浸透しつつございます。
それともう一つは、一方で、そうはいってもなかなか実行ができない。そのためには、ある程度心の底から納得をするような仕掛けを用意していかなければいけないということで、実は私は、平成六年にまず行政の生産性の向上ということを提唱したときに、その意味、意義づけ、これを幹部職員に徹底する必要があるということで研修会をスタートさせました。あわせて、まず身近なところからいろいろ取り組んで実感を持ってもらうということを心がけまして、平成七年度からハーフ運動というものを提唱してやってもらったわけです。これは私の発案というよりも、むしろ中から、行革推進担当部局から、そういうことをやりましょうということで出てまいりました。
それは、いろいろ、私を含め、民間の生産性向上の取り組みの中から、例えば執務環境をきれいにすると非常に効率が上がるとかいうような事例を参考にして、会議の数を半分にする、書類の数を半分にする、判この数を半分にするというような目標を立てまして、これを三年間で実施しようと。それぞれ目標を立てたからには、結果をみんなに知ってもらって、それを逆にプレッシャーにしようということで、その目標を公開し、それぞれの年度ごとに公表してまいりました。
その結果、会議の数でいいますと、公式、非公式、打ち合わせもすべて含めて、各種の打ち合わせ、会議がございましたのが、ほぼ半分に近い四七%ぐらい削減ができたとか、書類の数も半分にできたとか、ほぼそういう目標を達成しながら、現実に、そういうことをやると執務環境も非常によくなるとか効率が向上するということを非常に実感をさせながらやったということが一つでございます。
それとあわせて、先ほど御紹介しました幹部職員を対象にしたリエンジニアリング研修によりまして、それぞれの部署で抱えておる、改革をしたらいいと思うテーマについて、すぐ実現するとかそういうことを、責任を問わないからまず案を出してみろということで、一種のシミュレーションをやらせたわけです。そのシミュレーションについて、私以下幹部職員、部長まで含めて全員がその聞き取りをする発表会をやらせまして、これも三年間やってみた結果、これはかなりいける、我々もそういう手ごたえをつかむと同時に、各職員にもその作業に参加する過程でその意義も感じ取ってもらったということが背景にあったと思うわけです。
それから、最終的には、行政の生産性の向上は、ただ単に、やみくもな職員の削減とか予算の削減ではないと。生産性の向上というのは、例えば今の我々の持てる資源、能力でこれから増大する需要をいかに賄うか、そういうことであるということを十分理解をさせた、これがかなり大きな今日までの推進の原動力ではなかったかというふうに私は理解をしております。 |
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桜田委員
幹部職員を集めての、改革のテーマ、責任を問わないからどんどんテーマをやれ、この姿勢は非常に、今の行政なんかでは、政府が何でも失敗すると責任追及ばかり言うものだから、責任のあるようなことは一切言わない、うそをついても責任をとらせられないようないいことばかり言う、こういう風潮が多い中で、知事のその姿勢というものは私も本当に高く評価するところであります。やはりこういうことは、地方でもできるならば国レベルでもできるんだ、こういう認識を知事自身はお持ちかどうか、ちょっとお伺いしたいなということ。
それと、いろいろな会議を削減して、いろいろ、書類でも半分にするということですが、半分という目標はかなり大幅な目標ではないだろうかなというふうな気がいたします。
知事は自治省出身ということで、役人の世界にいた人間が役人の削減に結びつくようなことをやることについては本当に勇気の要ることだと思うのですけれども、特に、この削減したものを新たなる事業展開に向けるのだ、そういう目標設定というものをやっていたわけですね。やおら、債務が超過しているからこれを削減するためにやるのだ、そういうことではないわけですね。増大する需要ということで、新たなる事業展開のために必要なのだ、そういう認識でよろしゅうございますね。 |
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石川参考人
そのとおりでございます。
幸いなことに本県は、大変財政状況も逼迫しておりますけれども、政府のさまざまな景気対策によって一両年のうちに経済が回復軌道に乗れば、今の危機の状態は、過去の蓄積が本県の場合はいろいろございましたので、これは私の努力というよりも歴代の知事のおかげでそういう状態にございましたので、まあ乗り切っていける。しかし、今のような大変な状態が継続いたしますと、私のところも、既に大変になっておる大都府県と同じような事態に直面しかねない。そのときにはまた別な方策が必要かと思うのですけれども、今のところは、今のような、できるだけ中の入れかえ、弾力的な行政体質を確立することによって増大する需要に対応するという方針でいけるのではないかというもくろみのもとに進めているところでございます。 |
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桜田委員
評価システムというと、あくまでも内部の人が内部管理をするということで、評価については、いろいろな成果が出てきたことについてよく成果が出てきたなと。内部の人が内部評価をするということは、やはりどうしても査定が甘くなるのではないか、どうしても身内びいきということがあるのではないだろうかという気がして、よくぞここまで出てきたなということで感心するわけでございます。これについては、先ほど星野先生の方からお話がありましたけれども、外部の評価システムをこの庁内に導入しようとか、そういう考えはなかったのかどうか。
それと、仕事の量を少なくするということにおいて、やはり内部管理をするその作業も、いわば事務量が増大するということで、全国で十一自治体の中で事務事業全体にやっているのは六団体しかないというふうにも伺っておるのですけれども、管理システム、管理する作業も大変ではないだろうかというような気がするのですね。私なんかも、自分の秘書に毎日の日報を書かせて、見ているのですけれども、十人も十五人もいると、毎日日報表を見るだけでも大変ですよね、あれは。
ちなみに、外部評価の問題と、知事が評価の指標をどの程度、業務棚卸表に対してどのくらい知事みずからがチェックしているのかどうか、一年間に幾日ぐらい、どのくらいの時間をもってこの評価表に目を通しながらやっているのか、ちょっとお伺いしたいなと思います。 |
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石川参考人
外部の評価については、現在私どもも検討しております。
それに先立って、この業務棚卸表を全部自由に閲覧できるような体制にしてありますので、県民の皆さんがこれを閲覧して、それによってさまざまな評価、意見を出してもらうことを期待して、そういう公開をしているわけです。
あわせて、本県では「県民のこえ」という担当者を決めまして、各部署に窓口を決めまして、いろいろな苦情とか意見をそこでまず受けとめて、内部で消化するという仕組みもつくっております。それ以外に、今後外部の専門的な方々の意見評価のシステムも考えていきたいと思っているところでございます。
それから、私自身がどの程度この評価の指標と実績の突き合わせ等をやっているかということでございますが、一万二千項目もございますので、すべてについて私がなかなか目を通しがたいわけでありますが、議会とかマスコミとか、あるいは私自身がさまざまな機会にいろいろな方々から県政に対する御意見とか苦情を承って、それにかえておるところでございます。
私を含めて、県庁の組織の管理職の職員は、もちろん評価することも大事でありますけれども、まず、組織に目標を与えて、それの進行を管理するということが非常に重要ではないか、戦略的な発想でそれぞれの組織を動かしていく、そういう観点でやっておるところでございます。
評価そのものは県民の方にやっていただく。それによって、その声を反映して改善していく、そういう発想あるいは仕組みで動かしているところでございます。 |
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桜田委員
知事、私は、行政自治体、全国の自治体の市町村合併、知事も県も合併すべきだ、行政単位をもうちょっと広域化すべきだ、それが行政改革の最大のメーンテーマであるという認識を持っているんですけれども、知事自身におかれましては、町村合併や県の合併については、どのような御意見を持っていますでしょうか。 |
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石川参考人
合併につきましては、私は、そういう機運のあるところとか可能性のあるところというのは、静岡県内で考えますと、かなりいろいろ見えてまいりますので、そういうところは積極的に合併の方向へ風を送っております。アドバイザー制度も設けまして、相談にも応ずるとか、いろいろ研究も手助けをするとかやっております。
しかし中山間地、特に過疎的な地域、町や村になりますと、地理的、地形的になかなか広域化しがたいような自治体もあるわけでございます。ここを単純に、効率性の原則といいますかねらいで合併しても、実は果たしてそういうことがそこに住んでいる人にとっても幸せをもたらすか、あるいは本当に効率化するどうか、非常に疑問を感ずる場所もございます。そういうところは、実は、現行でも県がその事務を委託を受けて代行するという仕掛けがあるわけでございますので、分権が進んで当該町や村の権限が形式的に膨らんだ場合でも、県がそれを引き受けて代行してあげるという方法もあると思います。
また、本県では既に実行しているわけでありますけれども、専門職員の不足する分については、県が一種の人材派遣会社になりまして専門職員を派遣する。あくまで人件費は相手持ちでありますけれども、人事のローテーションは県の大きな組織の一環で行う。そうすると、常に、その時々に必要な技術職員、例えば高齢対策にしても、あるいは建設関係の技術職員にしても、専門職員は県からの派遣で確保できるからどうだということで実行いたしております。これも市町村、特に町村から喜ばれてやっているところでございます。 |
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桜田委員
そどうもありがとうございます。
終わります。
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