桜田 よしたか
自由民主党
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委員会
損害保険会社の自賠責再保険制度について [2001/06/05
桜田委員
 自由民主党の桜田義孝でございます。本日は、参考人の皆様におかれましては、御多用の中、当委員会においでいただきまして、本当にありがとうございます。まず、冒頭に御礼申し上げたいと思います。?
 さて、構造改革を進める我が国経済社会を活性化するためには、規制緩和を実施し、民間でできることは民間にお任せする必要があると思います。公的セクターにおいては、どうしてもコスト意識が薄く、非効率性が生じやすく、社会的損失につながりかねないと考えておる次第であります。?
 私は、公約におきまして、自立と共生という思想を重んじる小さな政府の構築ということを掲げておりますことを、まず初めに強調させていただきたいなと思っております。?
 そこで、質問に入らせていただきますが、今回の自動車損害賠償保障法の改正におきましては、参考人の方々に幾つかお話を伺わせていただきたいのですが、損保協会におきましては、事務の煩雑さ等を理由に、平成十一年から政府再保険制度の廃止を要望しておると伺っております。また、政府再保険を廃止して保険会社の自主性にお任せするということでありますが、非効率性を排し、自立的経営を支援していくという観点から見ると、高く評価できるのではないかと思っております。?
 一方で、資産の運用面におきましては、大変厳しい状況の中、再保険制度というリスクヘッジを廃止してしまって保険会社の経営主体というものが本当に大丈夫なのだろうかということにつきましては、多くの国民の中からも不安が寄せられているところであります。?
 この点、まず初めに損害保険協会の荒木専務理事にお伺いしたいと思いますが、損害保険協会としては、自賠責の政府再保険制度を廃止してしまって本当に大丈夫なのかという点を再度お伺いしておきたいなと思っております。大丈夫であるとすれば、具体的に現在の再保険制度にかわるリスクヘッジの制度なるものをどのように考えているか、以上二点、まずお伺いしたいなと思っております。
荒木参考人
 ただいまの御質問にお答えをいたします。?
 先ほどもちょっと触れましたが、昭和三十年にこの保険あるいはこの法律ができましたときに、再保険制度が発足したのは当時の損害保険会社の担保能力、資金力がまだ不十分と見られたからだと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、約四十六年間のうちに、総資産量におきまして約三百倍という大きさになっておりますことが一つ挙げられます。したがいまして、資産という面から見て、担保能力には全く問題がない。?
 それから、先ほども申し上げましたが、自賠責保険はプール制度というのがございまして、各保険会社がそのプールに参加することによって損益を平準化するということが一つと、その中の一つの保険会社が支払い困難な状態に陥った場合には、その他の保険会社がこれをカバーするという制度が既にでき上がっております。?
 それからさらに、損害保険契約者保護機構というのが発足をいたしまして、ここで破綻した損害保険会社の契約者に対する保険金の補てんを行うということになっておりますが、自賠責保険については一〇〇%これを補償するということになっておりますので、セーフティーネットとしてはいわば二重の措置がとられておるということであります。?
 保険会社の資産力の面あるいはセーフティーネットという面、いずれの面から見ても、再保険制度を廃止しても大丈夫だというふうに考えております。?
 なお、最近におきまして平成十二年度の決算が二十六社の保険会社から発表されておりますが、その二十六社の保険会社が発表いたしました直近の決算で、いわゆるソルベンシーマージンと申しまして保険会社の支払い余力というものが開示されることになっておりますが、二十六社の結果を拝見いたしますと、いずれの保険会社も、一番低いところでも五〇〇%を超えております。高いところは一二〇〇%を超えるという状況であります。?
 このソルベンシーマージン基準を定めました保険業法の規定によりますと、二〇〇%を超えておればまず大丈夫といいますか、早期是正措置等は発動されないということになっておりますが、その二〇〇%という早期是正措置の基準値をはるかに上回る水準に損害保険会社の支払い能力はあるということでありますので、その点でもこの自賠責保険を引き受けております日本の損害保険会社の支払い能力には全く問題がないということをお答え申し上げておきます。ありがとうございました。
桜田委員
 大変ありがとうございます。先ほど申しましたように、私自身は、日本の経済活力を高めるためには、さまざまな分野で官から民への事業移管というものを積極的に進めるべきだというふうに考えておるところですが、今回の自賠責の再保険制度の廃止が、損保各社の経営という観点からプラスの経済効果というものについて大きく期待するところがあるわけでありますが、運用面や事務の効率化等、今後、法改正で経営の自主性を生かせるようになった場合、各社にとってどのようなプラス効果というものが期待できるか、再度荒木専務にお願いしたいと思います。?
荒木参考人
 お答え申し上げます。
 これまで十の保険料をいただいたときに六は政府に再保険をする、そういう形であったものが、もう一〇〇%私どもの責任においてこの保険をお引き受けし運営をしていくということになったわけであります。したがいまして、もちろん事務的な面で再保険という事務手続がございますから、契約の場合あるいは保険金支払いの場合いずれも再保険に関連した事務というものが伴っておりまして、この事務がなくなるという面の効率化効果が一応経済的な効果としては考えられるわけであります。?
 なかなかこの計算は難しいのでありますが、保険会社全体で二億円ぐらいかなということが一応計算になっておりますが、経営という観点から申しますと、一〇〇%といいますか、保険会社が自立してこの自賠責保険制度を担っていくということを法律が成立しますと今回認められることになるわけでありますが、これは保険会社にとっては大変大きなことでありまして、昭和三十年以来、政府に六〇%依存しながら運用してきたものを一〇〇%我々が責任を持ってやるということでありますから、損害保険会社の経営者としては、従来にも増して文字どおり襟を正しながら、責任を持ってこの保険の運営に当たっていく。もちろん、資金運用に当たっても安定的な運用あるいは流動性に配慮した運用、安定的な収益の確保といった運用をいたしますけれども、同時に資金運用のコストもなるべく切り下げて運用の余剰を残していきたいということに当然なります。?
 保険会社の経営が主体性を持って今まで以上に積極的にこの保険について取り組んでいくということが、広く契約者なり被害者に対するサービスの改善ということにもつながっていこうかと思っております。そういう広い意味での経済的な効果といいますか、経営上の効果があるというふうに私は考えております。?
 以上でございます。
桜田委員
 今後とも積極的な経営によって、ぜひ契約者に対して幅広いサービスをお願いするところであります。?
 さて次に、再保険制度の廃止に伴ってセーフティーネットとして紛争処理の仕組みや機関を設けるということでありますけれども、その必要性においては、まだよく実感のつかめない部分がございます。そもそも、紛争処理解決方法として、当然司法にゆだねる部分もあるわけでありまして、まして自賠責制度の中で、専門機関としてこのような紛争処理の仕組みや機関を設けるということについては、どの程度の制度的必然性があるのか、お伺いしたいなと思っております。?
 言いかえれば、現在、この件に関してどのようなトラブル、紛争があり、紛争処理機関設置についてどのような社会的ニーズというものがあるのか、また、こうした紛争処理機関ができるとすれば、期待するものはどのようなものがあるか、具体的な例や件数を踏まえながら、倉沢参考人あるいはまた井手参考人に、それぞれお伺いできればありがたいと思っております。
倉沢参考人
 お答えいたします。?
 先生御指摘のように、本来、国民の間の権利義務の争いというものが究極的に解決されるのは司法機関によってだと思いますけれども、しかし、被害者救済を迅速に行う、もちろん公正を要素としながらも迅速に行うというときに、司法機関だけに頼るというようなことで社会的な要請にこたえ得るかというと、やはり問題がありまして、ラストリゾートとして、権利の存否というものは最終的に司法機関が判断するとしても、迅速な被害者救済のために、公正な裁判外紛争解決制度というものが仕組めますれば、これにこしたことはないと考えております。?
 殊に、責任保険というものが、ちょっと先生の前で大変釈迦に説法で恐縮でございますけれども、火災保険とか自動車の車両保険ですと、保険金支払いのための条件になる事実というものが、客観的な事実でございまして、それについての損害もまた、焼けた家屋とかあるいは壊れた自動車というものについての客観的な経済的価値の測定ということになりますが、責任保険ですと、自動車の事故において、加害者といいますか、運行者の方に法的責任があったかなかったかということによってその保険事故の発生の有無が決まるし、人身事故の場合に、その損害額というようなことが非常に専門技術的な要素がありまして、したがって、裁判外の紛争解決手続で、法律家とか医者であるとかその他専門的知識を有する人々が、公正中立な立場に立って迅速な被害者救済を図れるとすれば、これは望ましいことだと考えております。?
 したがって、こういう紛争解決で一番必要になってくるのは、有無責の判断の問題、それから、殊に人身事故の場合に、突発的に起こったその時点で損害が確定するわけではないという意味で、後遺障害の問題といった問題について、裁判外紛争処理制度の有用性というものはあろうかと思っております。?
 以上でございます。
井出参考人
 紛争処理機関の必然性の問題につきましては、今倉沢先生からお話がありましたようなことと同じでございますが、迅速かつ適正に紛争を解決するということになりますと、司法の判断だけにゆだねるのにはやはり限界があるのではないか。やはり国の適切な監督のもとで、弁護士とか医師とか学識経験者あるいは被害者による公正中立な紛争処理機関を設けることが必要だと思っております。?
 次に、保険金支払いのトラブルの紛争の例についてでございますが、今までありました実例を申し上げますと、被害者が死亡した場合、加害者の言い分などで査定される場合が非常に多く見られます。?
 例えば、町田市で起こったことですが、飲酒運転の車にひき逃げされ即死された若い女性がありました。自算会は加害者の言い分をもとに無責と査定しまして、遺族には自賠責保険が一切支払われていないわけです。飲酒運転やひき逃げは道路交通法違反だが過失はないという自算会の答えでありました。その後、事故鑑定士などの方々によって科学的に調査されましたところ、どうも加害者の言い分に非常に疑問があるわけであります。また、そのほかにも、トラック同士の衝突事故で三十一歳の夫を亡くした女性がありましたが、この場合も、加害者無責という判断が下されまして、全く賠償が受けられませんでした。幼い子供を抱えて途方に暮れている家庭が実際にあるわけです。?
 国民のために、自賠責の使命というものは、こういうものを救うのが本当の使命ではないかと私は思います。こういうことができないようでは、自賠責の本来の目的が達成されないというふうに思っております。?
 それから、期待するものとして、やはりこういうものを防ぐためには、科学的な手法によって、情報を早く開示して、こういうふうな無責の実態というのがないようにしてほしいというように思うわけです。その例としまして、例えば、死亡した場合は障害を負った者よりも十倍ほど無責が多いということも、やはりその例として言えるのではないかというふうに思っております。?
桜田委員
 どうもありがとうございます。以上で終わります
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