河上委員長
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。櫻田義孝君。
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桜田委員
おはようございます。自由民主党の櫻田義孝でございます。
本日は、朝の早いところから参考人の皆様にはおいでいただきまして、本当にありがとうございます。
京都議定書の目標達成のために必ず我々がやらねばならないという責任があるわけでありますが、私自身は、環境と経済発展の両立を図る、両立を推進するという立場から、環境税には明確に反対の立場をとっているわけでありますが、国際競争がかつてないほど激しくなっている中、薄型テレビですとかプラズマですとか、パソコンなどは東南アジア勢から激しい追い上げを受けているというのが現在の状況ではないかと思っております。こんな中、日本のみが効果の、根拠性の薄い付加価値的な大増税を行うことについては、我が国経済に与える影響が極めて大きいということで、反対をしていることでございます。
こんな中、さまざまな形で提言を受けておりますが、業界の自主努力というものを第一に考えて政府として対応すべきではないかというふうに考えております。こういった意味から、今回の省エネ法の改正の企業努力というものを後押しするという意味では、大変有意義、価値のある法案ではないかと思っております。
そこで質問に入りますが、今回の改正で規制強化のポイントとなっております熱、電気区分の廃止、運送業界の省エネ対策の新規導入、住宅、建築物規制の対象拡大について、本改正案の内容を見まして、実際にはどの程度の具体的な効果と期待ができるのか、これについてお伺いしたいと思います。また、立法化後、運用上留意すべき点は何なのか、この辺につきまして、それぞれ四名の参考人の方々に御意見を承りたいと思います。
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山本参考人
それでは、熱、電気の管理を一本化してエネルギー管理一本に持っていこうということなんでございますが、これでいわゆる非常に小さな工場その他にも規制の網がかかってくるということになろうかと思います。その意味で、現在いろいろなことをやっておりますカバー率が七割から八割ぐらいに上がってくるということがある。
それと、今回の改正には重要なことがもう一つ記載してあるわけでございますが、それによっていわゆる人材の育成、熱管理士、電気管理士と別々に分かれたものを一本化していくということ。これは両方資格を持っているのは、たしか八万人おる中で三千人ぐらいじゃないかと思うんです、ばらばらで。そういった意味では、熱と電気を両方有効に使わなきゃいかぬという人材育成面、それから今後に向けた問題としては、非常にいいだろうというふうに思っているわけです。
それからもう一つは、産業界といたしましては必ずしもこれにはすべてが賛成ということではございませんでした、正直申しまして。しかし、経団連としてうたっております情報の透明性開示を積極的にやっていかなきゃいかぬという意味では、ぜひこの法案は受けていくべきだということでございまして、情報開示をすることによって自己啓発をさらに進めていくということが二番目のメリットになるだろうと思います。
それから三番目といたしましては、それによって、最初いろいろなシステムでいろいろなことをやりかえて省エネを達成しましても、最終的にはやはり設備をリニューアルしたり新しいものにかえたりということが必要になってくると思いますが、これは小企業で行う場合に何らかの支援のシステムが要るのかなと私個人としては思っております。
それから、あと留意すべきところは、登録機関がそれを査定するということになるわけでございますが、ここは登録機関の中立性と信頼性というのをぜひ保てるような形で持っていきませんと、やはりエネルギー、省エネそのものがその企業一つ一つの競争力になっているという場合がありますから、ここは十分御配慮をいただきたいというふうに思います。
まず最初の点について私からは以上で、それで、また後で、運輸、住宅の問題については意見を申し述べたいと思います。
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石谷参考人
ただいまの山本参考人の御意見に重複するところもございますが、簡単に申し上げさせていただきます。
省エネ法、対象は、トップランナーにしろ工場、事業所にしろ住宅にしろ、だんだんすそ野に広がっておりますので、数がふえる割にはやはりだんだん規模が小さくなってまいります。それに反して手間だけはどんどん広がっていく。したがいまして、今まで大きいところから押さえておりましたから非常に大きな効果が期待できますが、だんだんその効果は小さくなってまいります。
他方で、すそ野に意識とかあるいは知識が広がるということは非常に重要でございまして、そういった意味の期待が非常に大きいのではないかというふうに考えております。数量的にはなかなかまだ把握できておりませんので、これからこれを把握することが非常に重要かと思います。先ほど中上参考人の御意見にもありましたように、なかなかその効果を定量的に把握する手段がございませんが、今回、こういう対象で数値を調べるということが非常に有効ではないかと思っております。
それから、最終的にやはりまだ落ちこぼれがございますので、こういったところについてはやはりなかなか規制ではかけにくく、自主行動的な、いわゆるグリーン化ですとかこういった動きがございますけれども、こういったことでまず意識を上げ、その上でまた数量把握ということが重要ではないかというふうに考えております。
以上でございます。
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中上参考人
私も住宅の部分に限って申し上げれば、具体的に今回、規模が二千平米以上の住宅が対象になりましたけれども、修繕、改築、新築を含めてとなりますと、正確な数字は私きょうは把握しておりませんので、また関係の事務の方にお伺いしてでもお答えしていただきたいと思います。
二つほど申し上げたいのは、一つは、今、石谷さんからお話がございましたように、ホームランばかり打って点をとろうというのはもう無理でして、高校野球をやらなきゃいけない。だから、ヒットと盗塁で稼がなきゃいけない。だけれども、いまだにどうもホームランで点がとれるというふうに誤解されている向きがありそうな気がいたします。
そういう意味では、七、八割のカバー率ということは、これはエネルギー消費量で七、八割でございますけれども、事業場でいけば一%、二%というオーダーに、以下ぐらいかもしれません。だから、圧倒的にまだ中小企業が多いわけです。ということは、やはり、量はカバーするけれども、意識とすると非常に少ない企業だけでこれを賄ってしまう。ですから、意識を高める意味では、全部規制にしてしまうかどうかは別にして、中小零細企業の方々にも、これに参加している、試合に参加しているというような形での何らかのインセンティブはないかなというふうに私自身は思っております。
それから、そういうことを通じまして、結果として、これも山本参考人の方からお話がございましたけれども、従業員にそういう意識をトランスファーする。従業員ということは、すなわち家庭の行動、子供さんの行動にまで影響を与える、こういう実験をやられている企業もあるように聞いております。ですから、事業場でやるということは、翻ってみれば、お父さんを通じて子供さんにということにもつながりますから、今、エネルギー量で七、八割だけれども、事業場の数でもっと広げるとそういう効果も波及的にはあるんじゃないかと思っておりますので、まだまだ、全く手がないわけではないというふうに思っております。
以上です。
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浅岡参考人
山本参考人から透明性を高めていきたいと言われることを大変私はうれしく思ってお聞きいたしましたが、情報開示につきましてはこの法律ではほとんど規定がございませんで、情報公開法及び先般成立いたしました地球温暖化対策推進法による排出量の把握、公表制度ではないかと思います。
これの運用におきまして、私どものこれまでの情報公開の経験におきますと、エネルギー消費量、CO2の排出量を企業秘密と考えられる事業者、事業所の方々が、特に大規模事業者、鉄鋼、セメント、石油精製等、一部の化学業界等にございます。これは法律家の観点からいいますと、これらがいわゆる法律で保護される企業秘密に当たるとは通常考えられませんので、今後の運用に期待をしたいと思います。
大規模な事業者につきましては既に十年余の定期報告の実績がございまして、経済産業省におきましてはそのエネルギー効率の改善度についても把握をしておられるわけでありますので、著しく不十分と考えられるところと数字上は見えるところにつきまして、それを指導なさらないとすればどのような理由があるのかについては、説明を国民になさる必要があるのではないか。そうした法の執行をこれから期待したいと思います。
また、中小事業者についてどうするかにつきましては、私も今京都府京都市の条例づくりに参画をする中で、今後、自治体との連携というもの、あるいは地域の事業所、住民との連携というのは大変重要ではないかと思います。事業所を、京都市におきましては、例えばチェーン店等につきましても、同じ系列のところは全部合わせて対象にするというようなことをいたしました。こうした条例による横出しといいましょうか上乗せといいましょうか、そうしたものに国におかれましても寛容に対応していただければと思います。
表示につきましては、大変重要でありますので、その信頼性の確保という点には、これも今後御留意いただきたいと思っております。
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桜田委員
山本参考人にちょっとお伺いしたいのですけれども、運送業界の省エネ対策に新規に導入するということで、これは画期的なことであり、前進させなくちゃならないと思うんですが、実は、私も昔、ちょっと前まで運送業者をやっていた。自分で経営者とオーナーだったんですけれども、中小企業で、赤字でやめちゃったんですけれども、日本の運送業界というのは中小企業が非常に多いんですよね。
それで、業界の立場といいますか、業界に携わる人間として、経済界から見ますと省エネ対策というのは基本的に、負担感というものはどの程度あるのか、余りないのかどうなのか、その辺のところの見解をちょっとお伺いしたい。これは、違反してはならないことはもちろんでありますが、負担感が余り大きいような場合は我々もいろいろなことを考える必要があるのではないかなというふうに考えております。
それと、中上参考人、建築屋さんということで、昔私もまた同業なものですから、建築の面積ですね、二千平米というこの面積についてはどの程度の感触を持っているか。この規模ですと、これをもうちょっと拡大、あるいはもうちょっと面積の低い部分まで拡大すべきであるとかという見解も、ちょっとその辺のことを聞かせていただければありがたいなと思っています。
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山本参考人
先生御指摘のように、今、運送というのは、本当に孫請あたりに流れていきまして非常にわかりにくい。ただし、荷主と運送業者がこれを一緒にやろうということで、これは省庁の枠を超えて、初めて経済産業省と国土交通省とでいろいろなお話し合いが進みまして、これが緒につきました。ようやく緒についたということ、これで各企業がいろいろなことをやってみますと、我々の荷物がどこに行っているかというのをまず把握する必要がある。今はコンピューターの時代ですから、これをしっかりと把握する場合に、システム化するときに約三年間ぐらい時間を要するんですね。ただし、私はこれは確実に減っていくと思います。
一つは、我々としてまず考えなければいけないことは、輸送エネルギーの原単位ですね。これをどれぐらい小さくするかというのを真剣に考えるようになってきております。もう一つは輸送距離の短縮ですね。これにはスワップするとかいろいろなことが行われます。こういったものもやりやすいようにしてこなきゃいかぬ。それから、保管の倉庫だとかいろいろなインフラを整備していかないとそれができないんだということに今ぶち当たっております。これが一つ一つ解決していきますから、やがて数年後にはきちっとした形で出てきて、恐らく相当な効果を上げていくだろうというふうに思います。これは全くございませんでした、正直言いまして。ただ、運ぶものによって一つ一つが違ってきますから、一律に規制することはできないというふうに思います。
それから、もう一つ考えなければいけないのは、今、荷主とそれから運送業者ということの問題があるわけでございますが、数年前まで非常にもてはやされたいわゆるジャスト・イン・タイムのサプライ・チェーン・マネジメントですね、ここのシステムに、我々は相当ユーザーさんといろいろなことをやりましてこれに持っていったわけですが、これもある意味では少し見直しが必要になってくるというふうなことが起こってくるかと思います。この仕組みを変えるというのも、きょう、あすのようにはなかなかまいりませんから、ここらをどういうふうに、ユーザーにもそれから運送業者にもメーカーにもよくて、本当にいいのがあるかどうかわかりませんが、少しずつ我慢しながら、そして省エネというのを実現していくという努力をみんなが払わなきゃいかぬだろうというふうに思っております。
それからもう一つ、これはやがて出てくるだろうと思いますから、トップランナー方式ということで、運送関係について業務用というのは今のような形でやりましたが、やはり個人の車というのも非常に多いわけでございますが、車の省エネというのはかなり進んでいるわけでございますね。ところが、だんだん車が大きくなってきておりまして、この省エネ部分を打ち消しているというのが実情じゃないかと思います。
やがてはここで民生の部分に対してどういうふうな手を打っていくかというところが重要になってくると思うんですが、これは国民の価値観だとかそれから美意識だとかいうふうなものをやはり見直していかないと、大きな車というのはダサいとか、こういう省エネの車は格好いいとか。例えば、オスカーを受賞する俳優たちがエコカーに乗ってきましたよね、ああいうふうなものというのがやはり大衆にアピールするときには必要なんじゃないかというふうに私は思っております。
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中上参考人
今の山本さんのお話で、私は車にもラベリングを入れるべきだと言って、一時期大分議論をしたことがございましたけれども、燃費の悪い車のナンバーを真っ赤っ赤にしてしまう、一番燃費のいいのはグリーンにすると。そうすると、一番グリーンになるのは多分軽自動車になるわけですね。真っ赤っ赤のものが格好悪いというふうにするにはそういう手もあるんじゃないかと。金がかかると言われたので、いや、ナンバープレートはどの車もつけなきゃいけないからいいんじゃないかと申し上げたんですが、車の業界の方から余り色よい反応がございませんでした。余談でございます。
今、建築の面積のお話でございましたけれども、これは浅岡先生からもお話がございましたが、二千平米以上の住宅というとやはり規模が大きいかなと。本当は小さい、住宅というのは一戸一戸の単位でございますから、一軒一軒にすべきだと思いますが、今まで全く手がつけられなかったところにとりあえず二千から入った。なぜ二千かというと、工場、事業場が二千ぐらいが一つの区切りだったものですから、多分そこから入ったんだと思います。
それより以上に、集合住宅というのは、戸建て住宅に比べると、暖房から見ればもうずっと省エネでございますから、そういうところもあわせて評価しておかなきゃいけない。これは、規制というと言葉は悪く聞こえますけれども、これも浅岡先生からお話がございましたが、快適性が上がるんですね。抜群に快適性が上がる。これはなかなか数字ではあらわしにくいわけです。
昨年も、経済産業省の外郭団体からの委託研究で、省エネ化をした住宅の評価をやってみたわけでございますけれども、機器より何より、断熱材を入れて二重ガラスの窓をつけたというだけでもう圧倒的に寒さが和らいだ、ほとんど暖房が要らない住戸も出てきたというようなこともありまして、この快適性が上がるというところを本当は評価しなきゃいけないんですが、数字にならないので難しいと思います。
したがいまして、お答えの方は、いずれ住宅一戸一戸にこういう規制といいますか制度が設けられることを私は期待しております。
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桜田委員
時間がなくなりましたけれども、山本参考人にお伺いしたいのですけれども、トップランナー方式という、現状十八品目でありますが、これをさらに拡大していこうという考えもあると思うんですが、これについてはいかがでしょう。もっとどんどん拡大していった方がいいかどうか、その辺の見解を伺いたいと思います。
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山本参考人
節操なく拡大するということは、必ずしもいいことじゃないだろうと思います。
と申しますのは、今、いわゆるトップランナー方式というのは、日本の産業界というのはどちらかというと、ハウ・ツー・メーク、いかにしてつくるかというものについては非常に進んでおります。例えば、ケミカルの世界でいいますと触媒の開発、それから鉄鋼や何かでいえばそれぞれプロセスを改良して進んでいるんですが、このトップランナー方式というのは、ホワット・ツー・メーク、何をつくるか、そのときにきちっとしたターゲットを省エネに置けば、いろいろなものが出てくる。したがって、トップランナーがある基準をつくって、そこにみんな行けと言ったら、これは行くんですね。
と申しますのは、トップランナーというのは、どちらかといったら長期にわたるようなものじゃありませんし、いわゆる改良、改善というのを重ねることによって到達できるものですから、かつて企業がやりましたTQC、これのPDCAを待つというところは非常に的確ですから、これは出ていくだろう、達成するだろうと思います。
特に、今一番大きな家庭で使う省エネといたしましては、いわゆる電力が、ヒートポンプを使ったエコキュートだとか、ガスだったら潜熱を利用したものだとか、いわゆる給湯部分というのが非常に大きいんですね。それから、冷蔵庫その他につきましても、いわゆる二分の一・二分の一作戦なんというのをいろいろなところでおやりになっておりますが、容量を二倍にしてエネルギー消費量を二分の一にする、結局、容量当たりに換算すると四分の一になるというふうなものは既に達成しておられます。
しかし、これは、やはり一般大衆を考えますと、いいものができたからあしたから買いかえるという、携帯電話のような形になりませんですね。したがって、ある程度のリードタイムを持って、どういうふうな時期にどういうふうなものが要るという具体的な目標を各業界がつくっておられますから、そこにもってみんなが一致団結して努力していくということが非常にいいことだと私は思います。
ルームエアコンにしましても、八年前のもう四〇%、約二分の一ぐらいのエネルギー消費量になっておりますし、それから、いわゆるブラウン管テレビ、エアコン、冷蔵庫というものを液晶テレビだとかなんとかというふうにみんなかえていけば、試算といたしましては三十三万トンぐらいの炭酸ガスがいわゆる節約できるということも出ておりますから、こういったものを積み重ねていって、これは非常に小さい積み重ね、先ほど石谷先生おっしゃいましたように、落ち穂拾いのようなものになるかもわかりませんから、意識を持たせる意味では努力していくべきだというふうに思っております。
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桜田委員
ありがとうございます。
これで終わりといたします。
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