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このたび、自民党と自由党が連立を組む方向となりました。今回は、私がいわゆる自・自連立を巡る経緯等について感ずるところを申し述べたいと思います。
(自自連立問題とここ数年の政界再編の動き)
自民党と自由党は、いうまでもなく当初は同根でありました。
自民党内での後継者争いに敗れた小沢一郎氏は、平成5年、リクルート事件以降の潮流であった自民党叩きと日本新党等の新党ブームを利用して自民党を分裂させ一気に政権を奪取、結果として、自民党を野党に転落させることに成功しました。
しかし、基本的な政治思想や物事の考え方を無視し、個人的な感情論と一時的な人気を素に作ったいい加減な政権が長続きするはずもなく、また、何かと強引にことを進める小沢氏に対する共闘各党の不信感の増大もあいまって、小沢氏率いる新生党は再び野党に転落、逆に「自・社・さ連立政権」ができました。
ところが「自社さ」も失敗でありました。憲法問題や自衛隊の問題等に象徴されるように、自由主義・市場経済主義を基調とする私たち自由民主党と、マルクス・エンゲルス・レーニン主義という時代的に失敗したことが明白な思想を基本的な方針として掲げ続ける社会民主党とでは、政治についての考え方が違い過ぎたのです。安全保障政策関係等の個別政策協議で限界を感じた社会民主党、さきがけは自ら連立を離脱、現在の自由民主党単独政権のかたちとなったのであります。
(参院選における自民党大敗北とその後の政局混乱)
そこへきて、夏の参議院選挙における自民党の大敗北であります。敗北の原因としては、景気の悪さが進行する中で、橋本政権が採った財政再建政策が国民の支持を得られなかったことが大きいわけでありますが、この選挙結果により、わが党は参議院で法案成立に必要な過半数の議席獲得がならず、民主党を始めとする野党共闘を可能なものとしてしまいました。
機会をみて、私も何度も説明して参りましたが、ここで、皆様方に是非ご理解いただきたいことは、現在、わが党が参院で過半数議席をもっていないということがいかに「政局の混乱」を招いているかという事実についてであります。
よく、支援者の方の中には、「衆議院は参議院に優越しているのだから、参議院なんてどうでもいいでしょう。むしろ自民党が独走しないためにも参議院選挙敗北は良かったんじゃない?」とおっしゃる方がいます。しかし、そうではないのです。
衆議院の議決がそのまま国会の議決となる、いわゆる衆議院の完全なる優越事項は、(1)予算審議と(2)条約締結、(3)内閣総理大臣指名の場合のみであり、(4)法案審議の場合は、仮に参院で衆院案が否決された場合、衆院で出席議員総数の3分の2以上による再可決が必要なのです。
そして、わが党は、衆院において過半数あるといってもこの議席には程遠い状況です。つまり、わが党は、もはや単独ではいかなる法律も通せないのです。
民主党を始めとする野党各党の現在の国会運営は、こうした参院での自民党過半数割れを良いことに理不尽な要求の連続です。昨年の臨時国会における金融再生問題の取り扱いも大問題でありました。金融システム健全化政策が野党各党によって国民の「税金投入」という感情論に意図的にすりかえられたがために、不況脱出のための金融システム健全化論議に2ヶ月という無駄な時間を費やし、株価は暴落。結果として、総額250兆円もの国民の資産が目減りすることになりました。しかも、自由民主党の提案内容と最終決着内容が破綻銀行の一時的公的管理を除いてまったく変わっていないというのが実態であります。
衆議院の優越
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優越 |
対等 |
| 議決の効力 |
(1)法律案の議決(憲法第59条)* (2)予算の議決(憲法第60条) (3)条約承認の議決(憲法第61条) (4)内閣総理大臣指名の議決(憲法第67条) |
(1)皇室の財産授権についての議決(憲法第8条) (2)予備費支出の承諾(憲法第87条2項) (3)決算の審査(憲法90条1項) (4)憲法改正の発議(第96条1項) |
| 権限事項 |
@予算先議権(憲法第61条1項) A内閣不信任決議権(第69条) |
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法律案の成立には原則として両議院の可決が必要である。仮に衆議院では可決し、参議院でこれと異なった議決をした場合は、 衆議院で出席議員三分の二以上の多数で再可決したとき、法律となる。 |
(経済政策理解不能・社会主義政党
民主党の嘆かわしい実態)
誰が見ても民主党の現状認識のなさ、政策当事者能力のなさは、明らかであります。民主党は、所属議員の半分以上が社会主義にどっぷり漬かっていた人々であり、実態経済や企業経営とはどういうものかが何もわかっていない人が多いのが、残念ながら実情であります。わが党の議員に対して、「自己資本というのはどういう資金なのか」と真顔で聞く議員までいるというのです。
こうした中で自由党も、「民主党とはとてもまともに議論できない」と感じとったはずであります。極端なことをいえば、右翼と左翼が一緒にやれるわけがないのであります。一方、私たち自由民主党も、ともに政策審議をするのであれば、やはり一番近い存在であるのは自由党であると確信致しておりました。
そこで、自自連立構想の一番ネックになっていたのは、小沢一郎という人物の政治手法に対するわが党内のアレルギー・反発でありました。しかし、小沢さんという人は、今やそれほど恐れられる力をもってはおりません。小沢さんという人は、「攻める」ことには長けた人ですが、「守る」ことには意外に弱い人であります。この点、一部マスコミの「虚像」が一人歩きしていると私は考えております。
むしろ、野中広務官房長官の態度に一番明らかでありますが、現状の国家的危機を乗り越えるためには、私たちは、過去の恩讐をも乗り越えなければならないということであります。
自民党・自由党の政策協議の結果
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自由党の主張 |
両党間の合意状況等 |
| 政治行政 |
閣僚数の削減(20人→17人に) |
▲2人減の18人に。 |
| 政府委員制度の廃止 |
廃止が決定的。政治家中心の国会討論。 |
| 副大臣制の導入 |
導入へ向けて基本合意。 |
| 国会議員の定数削減(▲100人) |
両党実務者で検討を開始。 |
| 税制 |
消費税凍結・税率下げと福祉目的税化の実現 |
将来の福祉目的税化を目指し、特に年金に優先して充当。 |
| 所得税の累進構造緩和 |
定率減税とし抜本改革は先送り。 |
| 景気 |
所得税など10兆円規模減税 |
99年度は9兆4,000億円減税。 |
| 公共事業費の上積み |
今年度当初比+10%規模を実現。 |
| その他 |
国連軍への参加 |
憲法の基本解釈も含め継続検討。 |
| 介護保険制度導入の凍結 |
99年度末までに実施主体や財源について点検。 ただ2000年4月スタート変わらず。 |
(自自連立を日本再建へのバネとするために)
議会運営が困難を極める一方で、現在の国家経済の危機的状況を一時でも早く脱却するためには、ここは自民党と自由党が連携・協力して、責任ある政策を思い切って打ち出していかなければなりません。政治が混乱して権力争いに興じている場合では全くないのであります。
こうした意味において、私は、金融問題を政局とは絡めないといいながら、結果としてみれば経済金融システムを大混乱に陥れた民主党の菅さんの責任は大変重大なものであると考えております。元美人キャスターとの不倫に関する責任問題の話どころではありません。
現在、自自連立へ向け、自由党の小沢一郎党首が入閣する方向で調整が行われておりますが、私たちと自由党とは、既に連立を組むにあたり、消費税の福祉目的税化や副大臣制の導入と政府委員の廃止、閣僚ポスト・国会議員の定数削減等において合意を致しております。
こうした合意事項については、私自身も同様の考えであり、結果として政治主導の大変望ましい方向性が出たのではないかと感じているところであります。自由党との合意事項の中では、特に副大臣制の導入と政府委員制度(官僚が閣僚に代わって答弁することを許している現在の制度)の廃止につきまして、感ずるところを申し述べさせていただきたいと思います。
(官主導から政主導の国造りを目指して)
現在の政治が批判される場合、まず、指摘されるのは政治家の政策立案能力の問題であります。よく「日本という国は、東大卒の高級官僚が実際の政策を作っており、優秀な官僚たちがいるから何とか国が動いている」というようなことがいわれます。確かに戦後これまでの政治において優秀な官僚機構が、政策形成に多大なる影響を及ぼしてきたことは事実でしょう。しかし、今の日本の状況をみても、正にそうした「官僚主導型」では新しい時代には全く対応できないことが明らかです。第一、官僚というものは責任をとりませんし、実態経済というものもわかっておりません。つまり、これからの世の中は、国民の間近にいる、能力のある政治家が政策責任者として、これまで以上に前面に出ていく必要があるのです。
しかしながら、制度的に、これまでのように何もかも肝心のところは全て役人まかせということでは育つ子も育ちません。今後は、政治家が実務面でもっともっと行政に関わっていくべきであり、制度的にもそれを保障する必要があるのです。
国会答弁などは細かい点を除いて可能な限り自分の言葉で答えるのが当然であります。また、省庁には、大臣と政務次官の二三人だけでなく、副大臣、政務次官、政務審議官などというかたちで大勢送り込めば良いのです。そこで若いうちから政策の企画立案に充分慣れておけば、いつ大臣になったって恐くありません。大臣就任会見の席上で、「その点についてはこれから勉強したいと思います」などという頼りない答弁も出ないはずです。政治家をどのようにしたら鍛えられるのか、そうした点に立った改革は正に時代の流れに対応しており、私自身大賛成であります。
今後、自自連立がなったとしても、参議院での過半数割れは相変わらずであり、私たちが引続き厳しい議会運営を迫られることに変わりはありません。少し「増し」になっただけというのが適当でありましょう。しかし、私たちは、自分たちの政策能力とビジョン・方向性について自信を深めております。今後、日本経済を再び蘇らせるために、私たちは、ありとあらゆる手を尽くすつもりであります。また、個別の政策協議の場を最大限生かし、より多くの人々の意見・お声を政治に反映させていけるよう努力して参ります。
したがいまして、皆様方におかれましても、引き続き自由民主党、桜田義孝に対しご指導・ご支援のほど、よろしくお願い申し上げる次第であります。
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