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1)第146回臨時国会開催にあたって
このたび、第2次補正予算案などを審議する第146回臨時国会が、10月29日(12月15日までの会期48日間)に招集されることが決まりました。先の第145回通常国会におきましては、自自公三党連携の下、国家の基本をかたちづくる多くの法案を成立させることができましたが、今回からは正式に自自公の三党連立政権で臨むことになるわけであり、運営次第では大きな成果を期待できるとわたくし自身確信を致しております。そのようなわけで今回の絆15号では、まず、第146回臨時国会の主要ポイントである、@中小企業支援等を柱とした総合経済対策と、A国会議員の定数削減問題の2点について、皆様方にご説明したいと思います。
2)総合経済対策の早期実施により確固たる中小企業対策・景気回復を!
現在わが国の景気は幾分回復の兆しを見せはじめております。実質国内成長率(GDP)の前期比でも、今年1〜3月(+2.0%)、4〜6月(+0.2%)と2期連続のプラスを維持し続けており、足もとの個人消費や住宅投資関連の指標をみても、一頃に比べて回復の傾向がうかがわれております。
しかし、景気対策に油断は禁物であります。事実、かつて政府は、平成7年、8年のプラス成長が公共投資の下支えによるものであったにもかかわらず民需の本格回復であるかのごとく錯覚し、橋本総理の下、財政構造改革に取組んでしまったがため、つづく山一証券・拓銀倒産に象徴される大不況をもたらしてしまったという前歴・過去があります。
確かにさまざまな情報の錯綜する中で、適確に景気判断をしその都度有効な経済政策運営をしていくことは大変難しいわけですが、わたくしたち政治家は、何よりこの「政策不況」の教訓を忘れてはなりません。
すなわち、足もと少しくらい景気指標が上向いてきたといっても、それは経済企画庁等官庁エコノミストが言っているだけであって、景気回復傾向がより鮮明になるまで、例えば景気指標について、+0.5%の改善などではなく、それこそ前年度比+5%にでもならない限り、決して景気対策の手を緩めるべきではないのであります。
そこで、わたくしたち自由民主党では、今回、11月を目処に景気回復を盤石なものとするため、
第二次補正予算も含むかたちでの総合経済対策を策定することに決定致しました。
まず、公共事業関連については、「21世紀の新たな発展の基礎形成」ということで、高速道路や整備新幹線といった大型事業に加え、環状道路整備、電柱地中化、公共賃貸住宅の供給拡大といった、特に「都市型事業」を重視した内容とする予定であります。こうした内容で、第二次補正予算としては国費で5.5兆円程度を想定しております。
このほか、大きいものとして、貸し渋り対策である特別信用保証制度について、更に10兆円の枠を追加し1年間延長することも決定致しました。この「絆」でも何度か取り上げましたが、信用保証制度の拡充・拡大は、信用不安の叫ばれた平成9年、10年と多くの中小企業の皆様にご利用いただき、結果、制度拡充以降、企業倒産件数も著しく減少したのが実情でございます。
わが事務所内にも昨年来、「自由民主党2市1町貸し渋り対策本部」を設置し、現在までで通算50件以上の案件として円滑に手続きに入れるようバックアップをして参りました。こうした中で一番感じたことは、現在、金融機関の融資姿勢がいかに厳しいものになっているかということであります。経営に何の問題もないのにただ回収するというのではたまったものではありません。バブルのつけをこのようなかたちで中小企業に回すだけの金融機関には憤りの念を禁じ得ません。わたくしとしては、今後とも中小企業支援のための信用保証制度については特段の力を入れて参りたいと考えておりますので、何卒お気軽にご相談下さい。
また、このほかにも、今回の経済対策の中には、住宅ローン控除制度の延長や住宅金融公庫の融資枠の拡大、地域の雇用受け皿企業の支援、金融安定化資金の手当てなど、実に広範な事業が盛り込まれ、事業規模総額では11兆円から12兆円台に達し、国と地方の財政支出は8兆円前後になる見通しであります。
景気対策は正に今が正念場、わたくしは、一日も早いわが国の景気回復のため、このような「総合経済対策」の確実かつ着実な実行に向け、引き続き全力を尽くして参りたいと考えております!
今後の日程(参考)
| 10月末 |
各省庁より補正予算の要望を提出 |
| 11月上・中旬(10日頃) |
総合経済対策の策定 |
| 11月末 |
第二次補正予算国会提出 |
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3)行政改革の象徴として一日も早い国会議員の定数削減を!
さて、今臨時国会におけるもうひとつのポイントである国会議員定数削減問題を巡る議論に移りましょう。
今回の臨時国会では、その冒頭で、衆議院比例定数を20議席削減(500議席→480議席)するという点について、既に自自公合意が成立致しております。当初、自由党は、自自連立における約束事として強く一括50議席の比例区からの削減を主張しておりましたが、比例区選出の議員の多い公明党がこれに猛反対したため、とりあえず臨時国会で比例区から20議席を削減し、残りの30議席についてはその後、来年の国政調査の結果も踏まえ、小選挙区選出議席も含めて検討するという、結果として、連立を優先した玉虫色の結論になってしまったわけであります。
わたくしとしては、難しい政局運営の中、このような多少の妥協は仕方がないとしても、本心としては、なるべく早く議員定数を50削減し、早々にこの問題にかたを付けてしまうべきであると考えております。
一部には「日本の国会議員は諸外国に比べ人口比率で決して多い方ではなく逆に少ないくらいである」という議論があります。これには確かに一理あります。例えば常任委員会についても、同一議員が出席すべき委員会が同時に開催されてしまったりといったようなことは日常茶飯事であり、「もう少し余裕をもって法案審議に臨めないものか」と多くの国会議員が考えているのが実情でしょう。
しかしながら、小さな効率的な政府を目指し国家公務員の数を今後10年間で25%減らすという方針を、他ならないわたくしたち政治家が決定した以上、今後の行政組織改革・行政スリム化に率先垂範で臨むという見地から、この議員定数削減は何としても是非実行すべきであります。
自ら血を流す覚悟なくして国家の改革などできようはずがありません。国会議員だけが構造改革しないというのでは、何より国民の皆さんが納得しないでしょう。
わたくしとしては、政治家が行政改革に対する姿勢を決然と示すという意味からも大変象徴的なこの「衆院50議席削減」を、一日でも早く実現できるよう臨時国会での審議に全精力を注いで参りたいと考えております。皆様方にもご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
○日本核武装論は如何に非現実的であるか
―― 前防衛政務次官西村真悟氏問題発言を踏まえて ――
さて、先日、防衛政務次官の西村真悟氏が某雑誌誌上で、「核をもたないところが一番危険なんだ。日本も核武装した方がええかもわからんということを国会で検討せなアカンな」と発言したことが大問題となり、先日、就任後わずか15日で更迭されるという騒ぎがありました。
今回の絆15号では、特にこの核武装問題を取り上げ、わたくし自身の主張を皆様方にご披露したいと考えます。
(日本核武装論のポイント)
さて、わたくしたちが世界で唯一の被爆国であることや、核兵器の破壊力に凄まじさ・非人間性、わが国が国是である「非核三原則」等々を常識的に考えても、現職の防衛政務次官たるものがこのようなことを軽々しく口にすることの愚かしさについてはもはや自明であります。
しかし、わたくしたちの国では憲法により言論の自由が保障されており、方々、世界には核ミサイルを保有する国がたくさんある以上、感情論ではなく、冷静に安全保障政策上のひとつの論点・争点としてこの日本核武装論を取り上げること自体は、頭ごなしに非難・排除されるべき問題ではありません。
したがって、わたくしとしては、わが国の安全保障政策上からみて、日本核武装論が如何に非現実的かつ無意味なものかということを、皆様方の前で証明してみたいと思います。
(核武装論者の主な主張点)
核武装論の非現実を語る前に、核武装論を唱える論者が指摘する核武装論の根拠について整理してみたいと思います。大きくわけて3つほどありますが、まず、第一に主張されるのが、@核による抑止力が形成できるということであります。核兵器をもてば相互抑制がはたらくということであります。また、A一旦核武装すれば戦闘機や護衛艦等など通常兵器維持の負担が軽減されるという点も指摘されます。つまり、核兵器さえあれば、極端な話ほかの兵器にはあまりお金をかけないで済むという考えであります。そして、三点目は、B米国の戦略的支配から離脱できるという点であります。わかりやすくいえば米国の顔色を見ながらの外交から脱却しわが国独自に外交戦略を展開できるという考え方であります。
(核武装論に対する反論)
しかし、こうした核武装論の根拠は理論的には成立するとしても、現在のわが国を取巻く実際の国際環境の中での実際の議論としては、著しく現実性を欠くといわざるを得ません。
まず、第一に国民感情の問題があります。わが国は唯一の被爆国ということもあって核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を国是としております。こうした核不拡散への思いは、国民に広く浸透をしており、現状、核武装論について早々国民の理解が得られるとは全く言い難い状況にあるといえます。
また、核に抑止力を期待できるとは言いますが、現在でも仮にわが国に核攻撃が行われた場合、日米安全保障条約により、すぐに米国が相手国に対して反撃することになっているわけでありますから、わが国に戦争を仕掛ける相手国は同時に米国をも敵に回すことを考えなければならず、そのような意味から、この日米安全保障条約自体が抑止力として機能しているといえるのであります。実際、東西冷戦も含めた戦後50年間以上もわが国が米国の、核の傘の下で防衛されてきたことをみても明らかであります。
第二に、核武装をすれば他の通常兵器にお金をかけなくて済むという議論ですが、これについても、そんなことは全くありません。まず、核兵器というのは開発までに巨額のコストがかかりますし、管理・維持コストも毎年膨大です。また、核兵器は核弾頭だけでは存在し得ず、それを積むミサイル、核兵器を搭載・運搬する戦略爆撃機や潜水艦、関連貯蔵基地等の建設も必要となるなど、想像を絶する大変なコストと手間がかかるものなのであります。つまり、核武装は、わが国の防衛予算を減らすどころか止めど無く増大させてしまう政策であります。
現在のわが国の財政状況等をみても、核武装だけにこのような膨大な国費をつぎ込むことについて、国民から広い理解を得られるとは到底考えにくい情勢であります。
核武装論の3番目のポイントである「米国の戦略的支配から離脱できる」という点については、現在の国際情勢の中で、米国との同盟を解消するという政策に果たしてどのような意味があるのか大いに疑問であります。わが国が大東亜共栄圏の復活でも考えない限りは、米国との同盟を解除するなど狂気の沙汰であるといっても過言ではありません。
わが国としては、日米安全保障条約に象徴される米国との同盟関係を維持し、これを基本として、アジア諸国をはじめとする世界各国との不断の友好協調体制を築くことこそ、理想的な外交の姿であって、不用意に各国の不信と疑念を招き国際的に孤立しかねないだけの核武装論には何の意味もありません。
このように、日本核武装論の根拠は、現在の国際政治環境の前では何の説得力も持っていない実に非現実的なものであります。わが国は、何も核ミサイルなど持たずとも、核不拡散論を強く主張する核軍縮推進の旗手として、国際平和のため積極的に貢献し国際的に高くに評価・信用されていけば、核武装などよりはるかに安定的かつ効率的にわが国を防衛できるのだということを、この場を借りまして、改めて主張しておきたいと思います。
核武装より、有事法制の整備や世界平維持に対する国際貢献の充実、それを可能にするための国民議論を経たうえでの憲法改正など、もっと急いで取組まなければならないことがたくさんあるというのが現実なのです。
○東海村臨界事故にみるわが国原子力政策の問題点
(危機管理をあまりに意識しないわが国原子力政策)
先月9月30日午前10時35分頃、茨城県東海村の民間のウラン燃料加工施設で放射能漏れ事故が発生、臨界(核分裂反応が制御できなくなる状態)が終息するまでに、50人を越える多くの方々が被爆したうえ、半径10km以内の住民に屋内退避命令が出るなど、わが国原子力史上最悪の臨界事故となってしまいました。
その後、警察による捜査等により、臨界事故をおこしたこの「JCO」という会社が、いかにずさんに核物質を取り扱ってきたかが明らかとなりました。また、今回の事故の影響から茨城県産の農作物・魚介類等の出荷業者は大打撃を受け、その被害額は数億円、一説には数十億円ともいわれております。
今回の事故はまさにあってはならない事故でありました。従業員の教育が徹底され、事業管理者が緊張感をもってしっかりと管理していさえすれば起こらないような初歩的はミスから発生したことは間違いありません。警察の調べ等によれば、JCOには、社員が早く帰れるよう製造工程を省いた裏マニュアルまであったというのですから、怒りを通り越して呆れ返るばかりです。
しかし、正に今回のように原子力発電所の中ではなく、加工施設でもこれだけの事故が起こってしまうことがわかったわけであり、そのような意味から今回の事故は、今後のわが国の原子力管理政策なかんずく安全対策を考えるうえで多くの教訓を残すものでもありました。
第一、わが国には、原子炉規制法はありますが、加工施設までしっかりと規制しチェックする法律・体制がなかったのが実情なのであります。今回のような事故を防ぐためには、まず、加工業者の規制強化、政府による定期的検査、事業者による従業員教育の義務明確化等を盛り込んだ原子炉規制法の抜本的な改正が必要であります。
また、二番目に必要なことは、原子力防災体制を強化することであります。毎年、全国で地震の災害訓練や火災訓練等をやっておりますが、原子力関連災害向け訓練というのは、聞いたことがありません。関係者には、「住民が不安がるから大掛かりなものとしてはなかなか困難」というようなことをいう人もいます。
しかし、これは全くおかしな話ではないでしょうか。原子力発電所がないのならともかく、そもそもそこにある以上、いくら安全対策は万全だといったところで絶対起こらないということはありえないのですから、何か起こった時に被害を最小限度に抑えられるよう、迅速かつ適確に対処するための用意を怠らないという「危機管理」の発想は不可欠であります。そして、この危機管理対策・体制の定期実験こそが災害訓練なのであります。
政府も現在検討しており次期臨時国会でも取り上げられる予定ですが、わたくしとしては、是非、「原子力防災法」という新法を制定し、原子力事業者からの異常事態に関わる通報義務化や原子力対策本部の設置、原子力防災訓練の実施等を明確に法制化すべきであると確信致しております。特に防災訓練については、大規模・定例化し実効性あるものにすることが被害の深刻化を防ぐ意味から必要不可欠であります。
原子力発電は、今やわが国発電実績の4割に達する勢いであります。蛍光燈が10本あればそのうち4本は原子力発電によるものであります。資源が少なく、経済活動が巨大・膨大な経済大国日本にとっては、供給安定性と環境対策にも優れている原子力はもはや欠くことのできない大切なエネルギーです。
わたくしと致しましては、原子力事業に関わる安全体制の確保に全力を尽くすとともに、原子力も含めた今後の新エネルギー研究開発に積極的に取組んで参りたいと考えております。
わが国における発電実績(一般電気事業用・1998年度推定実績)
| 原子力 |
3,296億kwh |
(36.3%) |
| 液化天然ガス |
2,212億kwh |
(24.4%) |
| 石油火力 |
1,037億kwh |
(11.4%) |
| 石炭火力 |
1,355億kwh |
(14.9%) |
| 水 力 |
981億kwh |
(10.8%) |
| その他 |
198億kwh |
(2.2%) |
| 合 計 |
9,079億kwh |
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