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1)日本外交はどこへ行く……ビジョンのみえないわが国外交政策……
わが国は、従来から外交に非常に弱い国であるといわれております。いろいろな理由はあるのでしょうが、一番の理由は敗戦ショックにより、みずからの国家的価値観というものを一切否定してしまい、安全保障や経済も含めて米国依存体質一辺倒で来たために、多面的に考える外交という思想をなかなか持ちにくいということに尽きるでありましょう。
皆さんも、よく何か国際的な事件が発生した際、各国首脳が意見を求められ米国や欧米諸国の首脳が実に明確な道徳律をもって意見するのに対し、わが国の外交首脳がどこか他国を気にしながら、結果として何を言いたいのかわからない、あるいは何も発言できないというような事態をよくご覧になるでしょう。これは、わが国の場合、国家独自の価値観というものがきちんと定まっていないことの証拠であります。国家の価値観が明確性に欠けるため、他の国からいつまで経っても信用・信頼されないのです。日本国・日本人は顔がみえないと言われるのであります。
外務省の方々は反論するでありましょう。「いや、そんなことはない、平和を目指して外交はちゃんとやっている。大使館も領事館もきちんと置いているし文化交流なども活発だ」と。しかし、一緒にワインを飲んでパーティーやポーカーゲームをやれば、国際的に信頼されるというものではありません(これらはテーブルマナーと一緒で必要最低限のものです)。まず、第一に外交とは、国家として一体何を目指すのかという目的を明確にして、その実現のためにあらゆる力を結集し極度の緊張感をもって臨むべきものであります。 そうした意味で、現在のわが国の外交政策が果たして何点かというとわたくしは極めて厳しい点をつけざるを得ないと思います。何度も言いますが、わが国の外交にはビジョン・哲学がみえません。当座をしのぎ他国(特に米国)の顔色をうかがいながら世渡りをしていくというイメージが残念ながら強いわけです。ですから、日本は諸外国から叩きやすい国だと思われて、何かと戦前のことを引き合いに出されて、その度に中途半端な謝罪をする、結局中途半端だからまた叩かれると、いわば、この繰り返しであります。 「心やさしい大らかな国」と「意志の弱々しい国」は違います。わが国が、多くの国に気を遣っているからといって、現在決して世界の国々から国家あるいは民族として尊敬されているとは思えません。日本は、今こそ自らの国際的な役割・責任を明確にすることが重要であります。
2.一日も早いお金本位外交政策からの脱却を!
わが国の唯一の頼み・強みはお金であります。わが国は、景気低迷の現在でさえ、平成12年度ODA予算は1兆466億円に達し、国連への負担金も米国に次いで世界第二位の237億円(全体の20%)にも達しています。因みに他の常任理事国(英、仏、中、ロ)の分担金を全部足しても全体の13.7%であり日本一国に到底及びません、金銭面で世界で最も貢献している国は疑いようもなく、わたくしたちのこの日本なのです。
しかし、お金を出すわりにはあまり感謝されません。何かというと「日本はお金だけ出して……」という言われ方をされます。湾岸戦争の時に湾岸平和基金に1兆5千億円も出してあまり評価されませんでしたし、国連分担金だって払ったところで発言権も決して強くありません。これはお金の無駄使いであります。
これでは、お金を出す意味がありません。このお金はわが国の国民が必死の思いで生み出した付加価値であります。血税であります。わたくしは正義だけを語るつもりはありません。世の中は経済社会なのです。せっかく貴重な国民の財産を拠出するのであれば、わが国に利益がもたらされるような出し方というものも考えて良いと思います。
よく対外援助においては、「無償援助が重要である」、などと言う人がおりますが、わたくしはこれも疑問に思います。一般企業や人の場合で考えればわかりやすいと思います。無償で援助をすればその急場は凌げるかもしれません。しかし、中長期的には何の解決にもならないことが多いのが実態であります。国家発展に何より必要なのは発展のための血の滲むような努力であります。努力しなくても豊かな生活ができるのであれば、人間は努力しなくなります。ですから、無償で資金をつぎ込むだけでは何の解決にもなりません。逆に金融用語でおなじみのモラルハザードが発生してしまいかねないのであります。
| 政府全体 |
10,466億円(▲23億円、▲0.2%) |
| 外務省ODA全体 |
5,602億円(+20億円、+0.4%) |
| 無償資金協力 |
2,405億円(+26億円、+1.1%) |
| JICA |
1,792億円(+22億円、+1.2%) |
| 国際機関 |
716億円(▲10億円、▲1.4%) |
| その他 |
690億円(▲18億円、▲2.5%) |
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真の援助というのは闇雲に金銭をつぎ込むことではなく、その国の発展の阻害になっているのが何か?打開のためにはどのような援助が必要なのか?国家制度の問題か?技術の問題か?あるいは食糧問題か?民族対立・紛争が足かせになっているか?そうしたことをじっくり吟味したうえで、それでは、どこの国が当該国へ援助すべきか?援助の手法はどうするのか、そのような精緻な積み上げが必要であろうと考えます。
国際援助を決して外務省の出納事務にしてはなりません。国際援助は事務ではなく血税を使った政策なのですから………。
3.真の国際国家・独立国家となるべく今こそ憲法改正問題の議論を!
わたくしは、外交の問題点として、わが国外交になかなかビジョン・哲学というものがみえにくいこと、そして、国際的にお金を出すだけの国として認識されていることの2点を申し上げました。そして、こうした外交政策上のすべての問題は、現在のわが国の憲法問題に繋がっていると、わたくしは確信を致しております。
先ほど、わたくしは、わが国の首脳が自分の言葉で国際問題についてしっかりと意見できないということを申し上げました。これは、ひとつには例えば憲法に記載されているような一種の国家の基本理念・思想・価値観というものが政策当局者の血肉になっていないことの証しであります。そして、これは国民意識全体についていえることであります。
わが国の現行憲法は、日本の文化・価値観・伝統の中から自発的かつ主体的に生まれたものではありません。戦後の特殊な一時期に以前の価値観すべてを捨て去って連合軍司令部の監視下、新しく導入されたものであります。いわば「外圧」によって作られた憲法なのであります。
この不幸な成立経緯のため、いまだに日本国民は自国の憲法について十分に血肉化できないでいるのです。憲法に散りばめられた美辞麗句もどこか空疎で、現実と乖離しているような響きがすると感じるのはわたくしだけでしょうか?
憲法9条の自衛隊を巡る問題も象徴的であります。どの国も、自国を守る権利は自然権として当然有するものであります。これは学説を引用するまでもなく常識であります。しかし、この国の場合、曖昧な美辞麗句のみを並べる一方、肝心なポイントは解釈上の問題として、国防議論そのものを避けてきました。議論することができずに、何が政治でありましょうか?何が民主主義でありましょうか?
国家が自国の安全を守るというのは当然の責務であり仮に憲法が足かせとなってさまざまな問題が生じている、あるいは生じ得るというのであれば、速やかにこれをこそ改正すべきなのであります。確かに憲法の最高目的が「人権保障機能」にあり、政治がみだりに憲法そのものに手を加えるのは好ましくないという「法の支配」を重視した意見もありますが、どう考えてもおかしな条文を、単に「憲法だから……」といって、放置しておくことの方がもっと問題であります。
そのような意味からも、今回の通常国会より設置された衆参の憲法調査会はむしろ遅すぎたくらいであります。もっと前から議論すべきでありました。自国のことは自国で決する、これが大前提であります。
明治維新、戦後改革に次いで、いわば現在の日本は第三の変革期にあります。明治維新は黒船、戦後の改革は米軍の占領という一種の外圧によって改革が成し遂げられました。しかし、今回の変革は、みずからの意志と力をもって自律的にやり遂げるべきものであります。わたくしは、今回の憲法改正問題をこの国家の第三の変革期の象徴的な課題として、全精力をかけて取り組んで参る覚悟であります。そして、わたくしたちがこれまでおざなりにしてきたこのような憲法議論にしっかり取り組み、わが国の新しい価値観というものを内外に示すことこそ、必ずや国際的な信頼・信用を高めることに繋がるはずであります。
まず、日本は国家として国際貢献可能な条件を明確にしておかなければなりません。国連平和維持活動に円滑に参加できる程度には法整備をしておくべきであります。例えば東ティモール問題における治安維持活動に十分出動できるようにすべきであります。
4.わが国戦後外交の最大課題、北朝鮮問題の早期決着を! さて、政府が北朝鮮に対して、10万トン程度の米支援を行うことを決定致しました。そして、今回の食糧支援の実施、そして国交正常化交渉の再開については、国民各層に大変な議論あるいは反対意見があることは十分承知致しております。事実、わたくしのところにも、支援反対を訴えるメール・抗議文等をたくさんいただいております。今回はこの件についてわたくしの見解を述べたいと存じます。
いうまでもなく、北朝鮮という国は、この絆でも取り上げましたが、テポドンミサイル発射や不審船領海侵犯事件、日本人拉致疑惑事件等、実に多くの事件を起こしております。断定的にいうと物議を醸すかもしれませんが、諸般の公安・国防関連情報を合わせてあえて申し上げれば、北朝鮮が関わっていることは間違いないでありましょう。
特に、ミサイル発射などは仮に日本に落ちれば大変なことになるわけで、改めてこの国の恐ろしさ・気味悪さというものを思い知らされます。わたくしたちが釈明を求めれば、謝罪するどころか、「日本の陰謀だ、そっちこそ悪いのだ」と滅茶苦茶な反論を、いま風にいえば逆切れながら展開するという事態についても、もうさんざん見飽きた、聞き飽きたというところではないでしょうか?
この無法国家がしてきたことは決して許されるものではありませんし、わたくしもハラワタの煮え繰り替える怒りを覚えます。しかし、ここで怒りに身を任せ北朝鮮と全く没交渉になってしまうことがかなり危険なことであるということも認識しなければなりません。例えば、拉致疑惑であります。わが国が米支援もせず対決姿勢を貫けば拉致された方々が元気に帰ってくるか疑問であります。わたくしたちがすべての交渉に応じなければ拉致された方々の行方はますますわからなくなるでしょう。
徹底的な制裁・外交攻撃で彼らを追い詰めた場合、東京やソウルを火の海にするために攻撃をしかけてくるかもしれませんし、わたくしたちとしては、多大なる国民的犠牲をもたらすであろうそうした事態は何としても避ける必要があると思います。
「外交」と「喧嘩」は異なるものであります。関連感情というものは尊重しつつも、国民の全生命がかかっている国家の外交というものは慎重かつ冷静に行わなければなりません。わたくしは、北朝鮮に対しての煮えたぎるような思いは保ちつつも、交渉の窓は決して閉ざすべきではないと考えております。この点においては、韓国の金大中大統領が最近提唱している、北朝鮮との協力・交流を拡大することで北朝鮮の国家を解放に導くといういわゆる「太陽政策」を支持致したいと思います。
北朝鮮と国交を回復し、日朝の人的交流を深め、相互に情報を交換することが相互理解と共通の利益への道と考えております。そして20世紀
の出来事は20世紀に解決すべき、または、解決の目処をつけるべきというのがわたくしの考えであります。
しかし、同時に、今後の北朝鮮との国交正常化交渉再開については拉致疑惑に関する明確な説明等何らかの実りがなければなりません。北朝鮮は、これまで核疑惑やミサイル発射問題と引き換えに、何もしないで軽水炉開発、制裁緩和など多くの成果を手にしました。言い方返れば脅迫国家と呼べるかもしれません。先ほど述べた外交下手の話とも関連しますが、わが国は北朝鮮相手の外交カードというものを最大限利用しなければなりません。ここが日本は本当に下手なのです。
北方領土の問題もそうであります。周りでワアワア騒いでいるだけで、肝心の相手にはわたくしたちの決意というものが伝わっておりません。日本の外交交渉をみていて歯がゆい思いをしているのはわたくしだけではないでありましょう。出るところは出る、このような姿勢が必要であります。堂々と持論を述べる強く硬い意思が必要であります。外交上、わが国をおとしめる、陥れるような手を使う国があれば、決然と報復を開始するくらいの気概はあっていいと思います。そうしなければ逆に弱みにつけ込まれて最終的にわが国の国民に甚大な不利益がもたらされることでありましょう。
北朝鮮の問題についていえば、今後、食糧支援や軽水炉開発といった有効な外交カードを次々と巧みに用いながら、できるだけこの北朝鮮という謎に満ちた国を明るいところに引っ張り出す必要があります。彼らだって、明るいところに出れば、もう逆戻りはできません。その時こそがわたくしたちの真の勝負どころであります。
孫子の兵法は、如何に労力を使わずに戦いに勝利するかということを教えていますが、その中に、「兵形は水に象る」という一文があります。要すれば変化に対応するには軟構造が重要であるということであります。相手もわたくしたちが攻撃するだけではますます態度を硬化させるだけであります。時には攻め、時には引く、このような高等戦術を連続的に使いながら最後は初期の目的を達成する。これこそが真の外交というものなのであります。
○不透明な労働組合費の天引きは禁止すべき
1)労働組合費の徴収は組合員の自立的意思を基本とすべき!
今回の絆では、わたくしたちが、現在検討を開始しております労働組合費の天引き制度、いわゆるチェックオフ制度の見直し議論について、わたくしの意見を述べたいと存じます。
ご承知のとおり、チェックオフ制度というのは、労働組合費を会社が労働組合に代わって給与天引きで徴収し、組合に渡す制度であります。労働省の調査によると、労働基準法上の条件を満たす組合を持つ企業の実に94.3%がこの制度を採用しているとのことであります。
この制度、労働組合側には実に便利な制度でありますが、わたくしは前前からこの制度には疑問を感じていました。そもそも組合というのは、組合員であるところの社員ひとりひとりの意思というものが大変重要であるわけであります。中には組合のやり方に疑問をもつ人がいるかも知れませんし、自らの意思に関係なく一方的に組合費を徴収するというのも如何なものかと思います。
事実、欧州のフランスなどでは労働組合費の給与からの天引きは禁止されております。英米では、禁止こそされてはおりませんが、書面での同意が必要とされるなど、組合員個人の意思というものが尊重されているように思います。わたくしは、別に労働法の専門家ではありませんが、日本の場合、自分の給与というものにはっきりと自覚を持ち意思を示すべきであると思います。
日本でも、例えば日本テレビなどでは、組合費の天引きはしておりません。ごねる人などもいるようですが、組合は説得して徴収し運営をしてきました。天引きしない方が組合員の自覚が高まるというのが同組合の基本的な考え方だそうでありますが、わたくしはこうした取り組みは誠に示唆的であると感じます。
組合とは、誰のものでもない。額に汗する組合員ひとりひとりのものであるはずです。ところが現状をみますと、一部の労働組合幹部が労働貴族と化し、組合運営を不透明なものにしている傾向が随所にうかがわれております。組合員の意思に関係なく、組合費の一部を特定の政党に寄付するというのが代表的な問題点であります。透明性を高め、資産状況も全部公開すべきであることはいうまでもありません。
2)民主党の鳩山さんも賛成していたチェックオフ制度の禁止
実際、活動資金も選挙も秘書も労働組合丸抱えという民主党、共産党、社民党系議員もいると聞いております。わたくしは、このような労働組合の政治へドップリ浸かった傾斜については大きな疑問を感じざるを得ません。労働組合費のチェックオフ制度は政治資金の流れを不透明にし、政治資金規正法にみられる公明性、公開性の原則に反する制度であり、即刻禁止すべきであると思います。
わたくしも、今回の件に関して有権者の方々にいろいろと意見を聞いてみましたところ、「桜田さんから言われてみると確かに組合費を天引きするのはおかしい」とか、「自分が望んだわけでもないのに一方的に徴収するのは釈然としない」、「選択の自由を与えるべき」など、改めて国政の場で、国民を巻き込んでしっかりと議論すべきであるという意見が大勢を占めておりました。これは当然でしょう。
そして、実は、組合員の意思を尊重すべきというこうした見解には、民主党の鳩山党首も当初から賛意を示しておりました。しかし、連合と近い菅さんからちょっと指摘されると、すぐに「誤解を与えて申し訳ない」と前言を完全に翻したのであります。政治家としてこれは何とだらしないことでありましょう。国旗・国歌議論と同様ですが、本当に民主党さんの党内での意見対立のひどさには驚かされます。これでは政策をもって政党を選択する側の有権者が困ってしまうでありましょう。
天引き制度の是非について、所得税の源泉徴収でも同様の議論があります。要すれば天引きにより国民が政府を監視する意識が弱まってしまうという考え方であります。これは労働組合のチェックオフ制度についても全く当てはまると思います。連合等は民主党を操って盛んに牽制を繰り返しているようでありますが、組合に対する世間の認識には極めて厳しいものがあります。金額的に高く使途が不明、メリットが感じられないなど、わたくしの元にも実にたくさんの不満が寄せられております。
わたくしは、今回の問題を通して労使の馴れ合いとの批判も強くなってきたわが国の労働組合の実態というものを改めて問い直すべきではないかと考えます。わが国の経済構造全体が見直されている時に、労働組合だけ適用除外するというわけにはいきません。
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