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1)先日のサハリン訪問の中で………
先日、8月21日〜23日にかけて、サハリン(樺太)にいってきました。わたくしの訪ロはこれで4回目(これまでモスクワ、ハバロフスク、ウラジオストック等)でありますが、今回の訪問の目的は、「サハリンにピアノを寄贈し、現地で文化交流のためのコンサートを開こう」というNGO活動の応援団としてのものでありました。このNGO組織とは、平成目安塾にも講師としてお出でいただいたことのある吹浦忠正氏が副会長の「難民を助ける会」であり、今回、わたくしは副団長として参加いたしました。今回のピアノ寄贈は、同会が実行委員を務めて2月に行われた指揮者小沢征爾さんのボランティア演奏会の収益金で実現したものであり、前回、孤児院にベット400台を寄贈したあとの第二段であります。北方領土はこのサハリン州に属しており、同知事の発言力も強いことから、領土問題解決のための側面活動ともなりました。
サハリン訪問中、同じく今回のこの国際ボランティア活動に参加されていた我孫子めばえ幼稚園母の会合唱団の皆様方と孤児院ほかを慰安のため訪問致しました。どこの施設の子供達もきらきらと目を輝かせ、実に真剣に音楽を聴いていました。そして、わたくしが心に強く感じましたことは、この子たちが大きくなるまでに何とか日本とロシアの関係を正常なものにしなければならないという確信に満ちた思いでありました。日本とロシア。21世紀を目前に控えながらもこの2国間関係には、依然大きな溝が存在しております。今回、わたくしは、この一大外交課題である日ロ関係を取り上げ、皆さんとともに考えてみたいと思います。
2)またしても裏切られた日ロ外交の展開
今回、はじめてロシア大統領のウラジーミル・プーチンが来日しました。北方領土問題の解決へ一歩踏み出すかと注目されましたが、結果は事実上成果なしに終わりました。これにより「東京宣言に基づいて2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすこと」という、いわゆるクラスノヤルスク合意の実現は難しい情勢となりました。プーチン大統領は、クラスノヤルスク合意について「目標であっても義務ではない」というコメントを出しております。
これを聞いた時、「また、してやられたな」というのが率直な感想でありました。ロシアというのはいつの時でもこういう国であります。到底一筋縄ではいきません。こういう難しい国と付き合う際、必要なのは大変な忍耐と、したたかさであります。日本には忍耐の方はあっても、したたかさがありません。ポーカーフェイスが実に下手であります。外交上の課題で前進したと思ったら裏切られ、また、裏切られる。いわば、この繰り返しであります。
しかし、もともと外交というのは相手を信頼し、信用するだけのものではありません。よくいる国際親善家はこの点を大きく誤解しております。あるべき外交とは私的・個人的感情から抜け出して、冷静に、相手が今一番望むことは何か、それを見極め、もって国際関係の先読みをし、行動をすることであります。日本の外交関係者には、この先読みというものができる人がどうも少ないのではないでしょうか。
北方領土の問題でいえば、ロシアは長年にわたり、この四島帰属問題を日本からお金を引き出すための外交上のカードとして使ってきました。これからもよほどのことがない限り手放すわけがありません。わたくしがロシア大統領の立場であれば、歴史がどうの、日本の世論がどうのといったって絶対に手放しません。いわば、北方領土問題はロシアにとって金のなる木なのでありますから。つまりわたくしが申し上げたいことは、外交を考える場合、まず、相手の立場になって考えよということであります。本当に北方領土を返還させたければロシアが北方領土を返したくなるように仕向けることしかないのであります。つまり、返還した方がいかにロシアにとって利益・恩恵が大きいかをロシアに理解させるためのダイナミックな政策転換が必要であります。
(東京宣言のポイント)93年10月、エリツイン大統領訪日時に署名 (1) 領土問題を、北方四島の名を列挙してその帰属に関する問題であると位置づけたこと。
(2) 四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結し、両国関係を完全正常化するとの手順を明確化したこと。
(3) 領土問題を、@歴史的・法的事実に立脚し、A両国の間で合意の上作成された諸文書、及び、B法と正義の原則を基礎として解決する、との明確な交渉指針が示されたこと。
(4) ロシアがソ連と国家としての継続性を有する同一の国家であり、日本とソ連との間の全ての条約その他の国際約束は日本とロシアとの間で引き続き適用されることを確認。
(5) 「全体主義の遺産」、「過去の遺産」の克服という考え方が唱えられたこと。
3)ロシアにとって意外に大きい日本の経済支援体制
プーチン大統領は、いうまでもなく旧ソ連のKGB(国家保安委員会)出身であり、国家権力統制指向の強い人物であります。チェチェン問題をみても明瞭でありますが、潜水艦沈没事件の際の対処をみてもひとつひとつの人命よりは「国家の威信」の方が重みをもつと確信する人物である可能性が高いといえます。そして、現在のロシア国民もかつての強いロシアを夢想するところがあり、潜水艦事件はあっても基本線で依然プーチンの目指す強いロシアというものを支持しています。
ですから、領土の一部を日本に譲るなどという政策が国内的に支持されるわけがありません。ロシアという国は、帝政時代からいわばけんかで領土を獲得してきました。歴代ロシア皇帝の中には、アラスカを米国に売ったアレクサンドルU世などという人もおりましたが、これは例外的であり、けんかで勝ち取ったものをけんか以外で手放すというのは考えにくいわけであります。したがって、本気で北方領土を返してもらおうというのであればやはり経済支援等かたちは何であれロシアへの金銭提供ということを前提にせざるを得ません。
そこでであります。例えば、「あくまで北方領土を返さないというのであればそれも結構。ただし、貴国支援は全面的に見直すことになる」としたらどうでありましょう。現在、ロシアには15億ドル(約1500億円)のわが国の国際協力銀行融資が決定しており、これまでに9.25億ドル(925億円)を貸し出しているほか、91年度以来99年度までの9年間で80.6億円もの無償支援をしております。人道支援や技術協力支援なども展開しており、ロシアにとってわが国は今やドイツ、米国に次ぐ支援協力国であります。
4)対ロシア外交は何より戦略的思考をもって対処すべし!
つまり、日本は対ロシアの関係において、今まで以上に経済カードをうまく使うことが重要であるということであります。経済支援をする一方、外交上問題が出てきたら、今度はドンドンその額を減らしていけば良いのであります。相手が「一体どういうわけだ」と言ってきたら、「実はこれこれこういうわけで…」という具合に外交上の条件を提示し、最終的にわが国の国益に適うかたちで処理するようもっていくことが重要であります。
かつてドイツにはビスマルクという外交の天才がおりましたが、彼は諸外国との関係においてアメとムチを使うのが巧みで、これによりドイツ統一という偉業を成し遂げました。ビスマルクは何より諸外国の本音を把握することにたけていました。ですから、自分の一手で相手がどう動くかすべて御見通しなわけであります。相手は気がつくとビスマルクの思惑通りの行動をしていました。
これはいささか極端な例としても、やはり外交に思慮遠謀というものはつきものであります。米国や英国はこの点、実にうまくやってのけます。日本の外交関係者にも外交上手になってもらいたいと思います。
ロシアについていえば、経済支援についてメリハリをつけて対処すべきであります。まず、わが国がロシアに多大なる支援をしている事実をロシアの国民がきちんと理解しているのか?その上で、北方領土問題をきちんとした外交問題として意識しているのか?先ほど述べたように、元来強国指向を有するロシアの国民性からして、経済的な条件を有効に使うこと以外、北方領土問題を解決する見込みはありません。
一方、深刻な経済不況の中で、北方領土に対してそれほど多くのお金を拠出することも国民的コンセンサスを得られるとは考えにくい。ですから、対ロシア支援の基本的枠組みを全て見直し、わが国の経済利益合理性からいって無駄のない内容とすることこそが、今後外交当局に求められております。ロシアに対する経済支援をするかわりに、ロシアの天然資源(サハリンの天然ガス開発等)を役立てることも有力案と考えます。ロシアは資源が豊富であり、これをわが国の経済利益とも結びつけて考えれば国民的理解は得られやすいでありましょう。
わたくしは、このような認識に立ち、国民経済合理性に適う対ロシア支援を推進し、北方領土問題の一日も早い解決と日ロ平和条約締結のため全力で取り組んできたいと考えております。
○少年法改正により少年犯罪増加に歯止めを!
1)あいつぐ少年による残虐事件………
現在、毎日のニュース、新聞をみていて、刑法犯少年事件に関する記事が載っていない日はありません。「少年が一家6人を死傷させた」、「バスジャックをした」、「集団で一人の少年をリンチ死させ埋めた後で皆でビールで乾杯した」などなど、誠に信じがたい事件ばかりであります。法務省刑事局に聞きましても、近年犯罪の内容そのものが悪質化・残虐化しているのは間違いないようであります。また、下記の資料のように、件数についても増加傾向を辿ってきております。悪質・凶悪化する少年犯罪、この原因は一体何なのでありましょうか?
戦後、貧困が少年非行・犯罪の社会的原因であったことはありました。しかし、コンビニエンスストアでカップラーメンやアイスクリームを頬張る少年たちをみればわかるように、一定の豊かさが社会の隅々まで浸透している現在の状況下、実際の犯罪事例をみても原因はもっと複雑であります。むしろ、犯罪を起こす少年の中には豊かで教育熱心な家庭に育った子達も多く含まれているのであります。
第一にいわれるのは豊かさ、少子化の中での家庭でのしつけの問題があります。よくテレビをみるとわかるのですが、家で友達のように子供と付き合う親が増えているようであります。また、テレビゲーム等の影響も多少あるかもしれません。しかし、決定的な研究結果等はないというのが現状であります。引き続き社会政策の問題として少年犯罪を減少させるための検討が必要であります。例えば、わが党の中には少数意見ではありますが、午後11:00以降についてコンビニ等での18歳未満の青少年に対する販売行為を禁止するなどして子供を家庭に帰し、家庭や家族の良さを見直させるべきであるという意見も出ております。これなどわたくしはひとつの具体的な案として注視したいと思います。
2)少年法は少年犯罪を増やす法律なのか?
さて、そうした中で、最近の事件を起こした少年達の証言の中で気になることがあります。「少年犯罪で死刑になることはない」とか、「少年なら人を殺しても5年程度で出てこれる」など、立ち直りを目的とするため刑法より処分を緩くしている少年法の存在ゆえに、「自分達は犯罪を犯しても大したことにならないと思った」などというテレビ等で報じられる少年達のコメントであります。これなど、最近学校で先生の指導を拒否する生徒が、「殴れるものなら殴ってよ。体罰をしたら先生はクビになるよ」と言ったという事例と全く同じ傾向が認められます。
刑法学者の中には、刑罰を重くしても犯罪は減らないという考え方をもつ方もおられるようですが、こうした少年達のコメントを聞くとそうもいえないようであります。簡単に言って、今の警察、家庭裁判所、親すべて犯罪少年になめられているところがあります。頻発する暴走族事件での警察官に対する少年達のすさまじい暴行行為、また、静岡県藁科川の中州に取り残され救助したレスキュー隊に向かって「助けてくれなんて言ってねえや、バカヤロー」と言った少年達の言動、そのどれを取ってみても、今の少年達は「自分達は甘やかされて良い特殊な状況にある。いずれ大人になったら自由なこともできなくなるから今のうちに好き勝手やった方が勝ちだ」とでもいうような考え方をもっている少年が実に多いようであります。
やはり、個人的には「親のしつけ」が大きいのかなとは思いますが、少年法の趣旨がこのように少年達の甘えを助長するという制度的なマイナス現象として顕在化してきている今こそ、犯罪少年達に自分達の犯した罪を重く認識するとともに厳しく反省し、早く立ち直ってもらうため、今回の臨時国会で議論されることになる「少年法改正」にはわたくしも全く賛同しているところであります。教育とは「愛と厳しさ」であり、そのどちらがかけても十分とはいえないということをもう一度わたくしたちは厳しく認識するべきであります。
少年犯罪に対する長期的な対策としては戦後教育の是正にあるといえます。今回の選挙でも強く主張させていただいたように、心の教育・体験学習を通じて、子供たちに人命や人権の大切さ、動植物を愛する人間の心の大切さを強く認識させることが重要であります。わたくし自身、教育基本法の改正と教育大国日本の建設に邁進する覚悟であります。
3)そもそも少年法とは何か?
ここで、現行少年法を整理してみたいと思います。現在の法律を前提としますと、16歳になっていなければ、刑事処分(例えば、死刑、無期懲役、懲役何年というような処分)にはなりません。ですから、現在頻発している中学2年生、3年生レベルの犯罪少年の場合、無差別殺人等どんなに重い罪を犯しても、16歳になっていなければその責任を問われて刑務所へ行かされることもなく、立ち直りを目的とする少年院に行かされるという処分がせいぜいであります。たとえ16歳以上であっても18歳未満であれば死刑にはなりません。
また、家庭裁判所の審判には検察官がいないため、少年の一方的な言い分を抑えることも難しく、家庭裁判所が事実を間違えてしまっても、高等裁判所の判断を求めることができないことから、被害者や遺族に大きな不満が残ることも時々あるのが現状です。
(家庭裁判所の処分の種類) (1) 保護処分決定(あくまで立ち直りのための処分)
a. 保護観察:保護観察官の保護観察に服させる。
b. 児童自立支援施設・児童養護施設送致:厚生省所管の施設に収容。
c. 少年院送致:少年院に収容。
(犯罪が悪質であり少年院では甘いと判断される場合)
(2) 検察官送致決定 → 検察官 → 刑事裁判所(逆送→起訴→処罰)
○ 検察官は事件を刑事裁判所に起訴する(ただし、家裁の決定時に少年が16歳以上でなれば送致決定はできない)。
○ 犯行時18歳未満の少年に対しては死刑を科さない(死刑をもって処断すべき時は無期刑を科し、無期刑をもって処断すべき時は10年以上15年以下において懲役又は禁固を科す)。
○ 少年に対し長期3年以上の有期懲役・禁固を処断すべき時は、その刑の範囲内で、長期(10年以下)と短期(5年以下)を定めて不定期刑を言い渡す。
○ 少年のとき言い渡しを受けた無期刑で、仮出獄が可能になる最短期間は7年。
4)少年法はこのように改正すべきである!
このような中、少年法の改正は不可欠であります。少年法のめざす「少年の健全育成」という基本理念は今後も堅持すべきでありますが、少年を甘やかすだけとなるような意味での保護主義にかたよるのではなく、罪を犯せば罰せられるとの法規範を明示し、犯罪を抑止する必要があります。また、少年に自己の行為について責任を自覚させ、反省させることも重要であります。
今のままでは頻発する少年犯罪に効果的でありません。わたくしは、少年法については以下の改正が不可欠であると考えております。
(1)16歳未満にも厳しい刑事処分を下すべき
まず、現行法で刑罰を科すことができない14歳、15歳の少年にも刑事罰を科すことができるように年齢制限(16歳以上から刑事処分)を撤廃すべきであります。刑法では14歳以上には十分刑事責任能力ありとしているのであります。また、犯罪少年とはならない14歳未満についても厳しい保護処分を講ずるべきであります。
(2)凶悪重大事件を犯した少年の刑を甘くしてはならない
次に少年犯罪でも故意で人を殺した事件の場合は、原則的には検察官送致(刑事処分)とすべきであります。また、18歳未満のため死刑相当を無期懲役に減軽された場合の仮出獄については優遇特則7年出所を適用しないようにするべきであります(→もっと長期の刑とすべき)。
(3)被害者へもっと配慮した制度とすべき
現在、加害者側の人権優先主義が目に余ります。家庭裁判所が加害者だけでなく被害者から意見を聞くようにする仕組みにすべきであります。また、被害者に対して事実や審判内容がわかるよう、少年審判の結果を通知するとか、記録の閲覧を認める制度を作るべきであります。
(4)保護者の責任を明確化する内容とすべき
今の少年犯罪増加の原因は家庭環境にあります。家庭裁判所は、保護者に対して、訓戒、指導等そのほかの措置を講ずるなど、家庭の重要さを強く認識させることが必要であると考えます。
(5)少年事件にも検察官を積極的に関わらせるべき
少年がやったといっても罪は罪。家庭裁判所における審判にも殺人事件等事件によっては検察官をきちんと参加させるべきであると考えます。
わたくしは、今国会において、以上のような少年法改正が実現させるよう全力を尽くしていく覚悟であります。皆さんにおかれましても、何なりとご意見をお寄せ下さい。
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