桜田 よしたか
自由民主党
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広報誌「絆」
27号 永住外国人への参政権付与には慎重であるべき!
 1)永住外国人地方参政権付与積極論の主張とは!

皆さんこんにちは、桜田義孝です!さて今回のこの絆27号では、最近新聞・テレビ等メディアで取り上げられることの多い「永住外国人への参政権付与の問題」について考えてみたいと思います。この問題、つまり、在日韓国人・朝鮮人などの永住外国人に地方参政権を与える法案は、今臨時国会の大きな争点となっておりますが、公明、保守、民主等法案を提出している各党の考え方は、おおむね以下のようなものであります。

「日本には戦前・戦中日本に連れてこられた在日朝鮮人の方々が約50万人もいる。こうした人々はサンフランシスコ平和条約で日本国籍を失って以降、日本では特別永住外国人としてずっと居住している。彼らは日本が起こした戦争のために戦中・戦後大変苦労しているうえ、そもそも彼らは真面目に税金を払っており、国はともかく地方については参政権を認めても良いのではないか?」という論調であります。

こうした考えに基づき今臨時国会成立を目指して、各党とも積極的に法案を提出し、3党連立を受けわが党内においても活発な議論が展開されております。しかしながら、わたくしは、上記のような議論に大きな落とし穴があると考えており、永住外国人地方参政権付与については、基本的に慎重に対処し、むしろ特別永住外国人の方々の帰化に関する諸事務を簡便にし帰化を促進することが重要であると考えております。


2)なぜ永住外国人地方参政権付与は問題なのか?

現在、特別永住外国人に多い朝鮮総連の方の中には何と7人もの北朝鮮の現職国会議員がいます。また、韓国、北朝鮮とも母国に戻れば兵役の義務等を負っておりますし、被選挙権も持っているというのです。こうした方々の母国はあくまで大韓民国および北朝鮮であり、在日の方々はわれわれ日本人などはるかに及ばない強い民族意識と祖国への忠誠心をもっておられます。ですから、行動する際は、母国の利益というものを最大限に尊重するでありましょうし、これは当然のことであります。

したがって、外国人である以上、国、地方を問わず参政権というものは認められません。憲法で規定している参政権は運命の共同担当者であるわが国の国民固有のものであります。この点、よく最高裁の判例が取り上げられますが、この判決についても、本文部分では外国人への地方参政権付与は違憲としながら、本文と直接関係のない傍論部分で参政権付与は国会の裁量問題とするなど大変矛盾した内容となっており、本当は完全な憲法違反であるという判断が正しいものであります。

例えば、決してあってはならないことですが一度有事が起こった場合、政府が地方自治体に対して、わが国国民の利益に基づいた要請をしても、「いや当自治体は協力できません」ということにもなりかねません。これはわが国国民の生命・財産を守っていくうえで致命的なことであります。国家の基本を揺るがしかねない根本問題であり、わたくしはこのような重要なことがなぜ見過ごされているのか理解できません。

「戦争で迷惑をかけた罪滅ぼしに」と感情的に議論すべき問題では全くないのであります。国家の安全保障というのは常に理性的に議論すべきものであり、この点、北朝鮮とわが国との緊張関係が依然改善されていないことを認識すべきであります。

因みにこの問題に関しては民団(韓国系)の方々が参政権付与に積極的な一方、朝鮮総連(北朝鮮系)は日本人への同化が進み民族性が損なわれてしまうので反対の立場を取っているなど議論の対象が真っ二つであり、この点からも当然慎重にすべきであることが明らかといえます。

以下問題となっているいくつかの代表的な論点について、Q&A形式で整理・議論していきたいと思います。



Q1. 「税金払っているのだから外国人にも参政権を認めて良いのでは?」
A1. まず、納税の問題と参政権はまったく別物であるということであります。参政権とは、納税の有無や納税額に関係なく成年男女国民に等しく付与されるものであります。納税をしていない学生や低所得者にも参政権は発生します。それは彼らが国民だからであります。

納税は、道路、水道、警察、消防など日々の生活で公共サービスを受ける以上、外国人でも当然すべきものであり、参政権の問題とは全く関係ありません。事実、「納税しているから外国人に参政権を与える」などという国は世界中のどこをみても存在しません。


Q2. 「参政権は国以前の自然権だから外国人にも保障されるのでは?」
A2. こうした議論は全くの間違いであります。わが国の憲法では、参政権は「国民固有の権利」(第15条1項)と定めております。最高裁判決でも本論部分で、「憲法第15条1項の規定は、権利の性質上日本国民のみを対象とし、右規定による権利保障は、わが国に在留する外国人には及ばない」としております。

そもそも、国家とは政治的運命共同体であり、国家国民と運命をともにしない外国人に国の舵取りを任せてしまって良いわけがありません。外国人に参政権を付与した場合、本国への忠誠等の問題から、わが国と本国との利害対立が発生した場合の難しい問題があるのであります。


Q3. 「防衛を含む国政と違って、地方参政権であれば問題ないのでは?」
A3. 最近は、県知事が「空母を絶対寄港させない」ことなどを国に言ってきたりする時代であります。また、わたくしも特別委員として審議に深く関わった日米防衛ガイドラインについても、有事における地方自治体の協力を前提としているなど、今日、国と地方の政策・行政を切り離すことはできません。ですから、「地方参政権であれば・・……」という安易な考え方は成立しないのであります。

重要なことは、地方自治体の中にも、警察等「権力行政」が含まれているということであります。権力行政に外国人が係わることは国際通念上からも到底認められるべきものではないというのが常識であります。日本の自治体の中には大阪の生野区のように住民の23%が永住外国人のようなところもあります。彼らは祖国の指示により自治体の首長選挙で母国のため投票行動を行うことがないとはいえません。一方、安全保障に密接な港湾の管理権等も現在は都道府県知事にあるのです。


Q4. 「諸外国では既に外国人に地方参政権を認め始めているのでは?」
A4. ヨーロッパ等では認められているのに日本で認められていないのは日本の考え方が国際協調という点から遅れているからだ」という意見があります。しかし、これは完全に間違った考え方であります。そもそもヨーロッパで地方参政権を認めている国が多いのは、彼らがEUという国家統合を目指しているからであります。「いずれ一緒になるのだから」ということで、その前提として「連合市民権」としての「地方参政権」を相互に認め合っているだけなのであります。

実際、EUとは関係のない米国では国の参政権、地方参政権とも外国人には認められていません。国際協調的であるためには外国人にも地方参政権を与えなければならないという考え方は全く成立しないのであります。

こうした中、韓国では2002年の統一地方選までに、永住外国人に地方参政権を付与する方針と聞きます。しかし、これについていえば、在日韓国・朝鮮人は約54万人もいるのに対し、在韓日本人はわずかに300人と、政治への影響力の観点から比べものになりません。これではとても対等とはいえず、韓国で認めているからという単純な理由にはならないと考えられます。


◎諸外国における外国人の参政権
○認めている国、△一部認めている国、×認めてない国
国名 国政レベル 地方レベル 備考
選挙権 被選挙権 選挙権 被選挙権
日本 × × × ×
米国 × × × ×
イギリス 英連邦・アイルランド国民のみ
フランス × × EU諸国民のみ
ドイツ × × EU諸国民のみ
スウェーデン × ×
スイス × × 一部の州のみ
オーストラリア 英連邦国民のみ
カナダ × × 英連邦国民のみ

Q5. 「強制連行の反省の意味から地方参政権程度は認めるべきでは?」
A5. わが国は確かに朝鮮併合の歴史があります。しかし、現在日本に永住外国人として止まっている方々の大半が日本に朝鮮併合で強制連行されてきた人の子孫であるというのは事実に反します。確かに敗戦当時は、200万人もの朝鮮人の方々がおられましたが、GHQの支援により昭和23年までの間に、大半の140万人が帰国しているわけであります。帰国を希望する方はすべて帰国できる状態にありました。つまり、現在の在日朝鮮人の大半は、もともと日本に生活基盤があり、自分の意志で残留した方々なのであります。


Q6. 「最高裁判例では外国人への地方参政権付与を認めたはずでは?」
A6. 確かに、最高裁判所では、平成7年2月28日の判決で、永住外国人に対して地方自治体レベルに限って参政権を付与することは憲法上禁止されておらず、国の立法機関で決められるとしております。しかし、この最高裁判所の判決は間違っております。いくら偏差値的に抜群の頭をもっている最高裁判所の裁判官といえども人間である以上、間違えることはあるのです。彼らは机上の理論に取り付かれているあまり、参政権の問題というものの政治的本質を見誤っております。しかも、本論では参政権を否定しながら判決と関係のない傍論で全く本論とは矛盾したこのようなことを軽はずみに述べるという行為は、司法の限界の域を越えている暴挙ともいえます。繰り返し言いますが、選挙権は国、地方を問わず国民固有の権利であり、外国人には及ばないのであります。ですから、今の憲法で永住外国人に地方参政権を付与するとすれば、それは明らかに憲法違反であり、どうしても与えたいのであれば、憲法調査会で慎重に改正を議論しなければなりません。

◎平成7年2月28日最高裁判所判決(要点)

○ 憲法第15条1項(公務員選定罷免権の保障)の規定は、日本国民のみをその対象とし、この規定による権利の保障は、わが国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。したがって、在日外国人に対する選挙人名簿に登録しないこととするという処分に違法な点はないが、


→ 外国人のうちでも永住者であって地方公共団体と緊密な関係をもつに至ったと認められるものについて、法律をもって、地方参政権を付与しても、憲法上問題ない。


→ しかし、そのような措置を講ずるか否かは、「専ら国の立法政策に係わる事柄」である。



3)この問題の唯一有効な解決方法は在日外国人の帰化推進である!

さて、論点をいろいろみて参りました。どの論点においても参政権付与積極論者の主張がことごとく無責任な感情論に基づくものであることが明白であります。実際、党内においても、もともと「地方参政権を付与しても良いのではないか」という前向きであった方が、事実をきちんと理解する中で、「いやいやそんなこととは全く知らなかった」と判断を次々に変更するに至っております。一件地味な問題であって、国民的関心も表面的なものに止まっており、「朝鮮総連に北朝鮮の国会議員がいる」、「現在でも祖国の兵役義務を負っている」、「母国での選挙権・被選挙権を持っている」等の事実が広く知られているとは思えなかったので今回、あえてこの問題を深く取り上げました。

この問題解決の方法としては、在日朝鮮人の方々に帰化していただくことが一番望ましいのです。永住するからには参政権が欲しいというのであれば、日本人として共存していく方がすっきりするのではないでしょうか。わたくしは大歓迎であります。日本人になれば参政権も当然手に入りますし、公務員になることさえできるのであります。

実際、ここ数年、毎年1万人程度の在日の方々が帰化されておられます。昔は帰化というと交通違反をすると難しいなど困難であったようですが、現在は申請した方のほとんどの方が平均して1年程度で簡単に帰化できるのであります。また、今、在日の方々の約8割が日本人と結婚されており、その子供は自動的に日本国籍となりますから、純粋な在日の方々の人数はドンドン減っていくと予想されております。

したがって、わたくしは、この帰化推進政策を実行することこそが、この議論の最終的な落とし所であると考えます。先日も担当責任者である法務省民事局と帰化申請書類の簡素化について意見交換を行ったばかりであり、法務省内でも簡素化の方向で見直しのための検討作業を進めているとのことであります。

この問題についてはまだ結論が出ておりません。引き続き皆様とこの絆を通じて考えていきたいと思いますので、ご意見があったらドンドンお寄せください。
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