桜田 よしたか
自由民主党
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広報誌「絆」
29号 21世紀 この国の課題と展望について
 1)国民の7割が「自分は幸せではない」と考えている異常事態!

新年明けましておめでとうございます。20世紀から21世紀への千年に一度の大きな節目にこの絆を書いております。今回のこの絆29号では、21世紀を迎えるにあたり、この国が直面し解決すべき課題についてお話しをしたいと考えます。

わたくしは、今回新しい政策スローガンとして、@「憲法改正と首相は国民投票で!」、A「道州制の導入で地方主権国家の構築と国民負担増なき財政再建を!」、B「手作り体験教育で、人・家族・ふるさと・自然が大切にされる人間社会づくりを!」を3本柱とすることに決めました。

とにかく今、この国に求められているのは、明確な価値観であり、長期的視野に基づいた国家ビジョンであります。

戦後、欧米の物質的豊かさに追いつき追い越せで来たわが国は、1人あたり国民所得世界一を誇る状況になった今、物質的には豊かになり貧しかった頃に比べてはるかに幸せになったはずなのに、アンケート調査をやると、なぜか国民の実に7割が「自分は幸せでないと思う」と答えるそうであります。因みに米国では9割の人が「自分は幸せであると思う」と答えるとのことであります。

これは一体全体どうしたことでありましょう。国民は世界屈指の経済大国で生活しながら、有り余る物質文明の中で多くの人が幸せではないというのであります。わたくしは、これは優れて価値観・人生観の問題であり、生きることの本質・目的を教育できちんと教えて育ててこなかった結果であると考えております。

わが国の戦後教育は精神とか価値観を戦前の不幸な事情からすべて悪いものであると決め付けて隠蔽してしまった。教育の場でそうした精神を説くことがタブーとされてしまった。このことによって人間としての最低限のモラル・精神教育については家族まかせになってしまったのであります。しかし、毎日1件は起こる10代の残虐少年の犯罪等をみればわかるように、多くの家庭は全くその大役を果たすことができていない。何かあれば学校が問題だと言い、本当はそんなことのできる子供ではないという。自分の子供の姿・現実を掌握していないのであります。親は自分のストレスを子供に伝染させ、不満を抱える子供達がドンドン増え続けていく。わが国の教育政策の過ちは重大であります。


2)幸せな国にするため国民にビジョンを示すべき政治家の使命!

とにかく今日本人が、日本人の精神が、日本という国が危機的であります。「人生を生きる」ということを何か肯定的にとらえられないでいるのであります。わたくしは、こうした中にあってこそ、公共利益の象徴行為ともいうべき「政治部門」が21世紀にふさわしい人間像、社会像、国家像というものをきちんと発信し、国民と政治家が目的を共有して、それに向かって充実した時を刻んでいくことが大切であると考えております。

そこで、わたくしがこうしたわが国の異常事態の解決策として提示したいのが先にも述べた3本の柱であります。まず、「憲法改正と首相は国民投票で!」についてでありますが、政治のリーダーシップを確保し、しっかりとした良い政策を行っていくためには、わたくしは政治が説得力をもたなければならないと確信しています。

そのためにもこの国の憲法を改めて自分達の手で作り、米国でもない、お上でもない、自分達の信念で考え行動する自律的な国づくりへの契機としなければならないと考えております。敗戦後の占領下での憲法制定はそのプロセスに大いに問題があり、日本人が自主的につくったという意識が薄いのであります。21世紀に入り敗戦後の時代とは今や社会情勢が大きく変わっております。わたくしは、現在の国情に適合し国家に尊厳の持てる憲法を制定すべきであると考えます。9条はもとより前文もしかり、私学助成や環境、議院内閣制、公共の福祉等論点は数えたら切りがありません。21世紀の初頭5年をめどに何とか改正したいものであります。

また、首相の国民投票制の必要性、すなわち首相公選制については、今回の内閣不信任案の一件をみていてつくづくわたくしがその必要性を感じたことであります。国民に望まれないリーダー(内閣)が存続し続けることは大変不幸なことであります。やはり国民主権ですから、議院内閣制といっても、国のトップである内閣総理大臣の選抜に関していえば国民の意思をより反映させやすい仕組みを考えなければならないと思います。少なくとも国民に不透明感を与えるような選出の仕方では、国民とともに歩む政治というイメージが薄くなり、政策に対する国民の信頼感を確保することは困難といえるでしょう。

国民が現状の政治にイライラした感情を持ち、過去10年に8人も日本では首相が変わっております。先進国でこれだけ首相が使い捨ての習慣になったのは類例がなく、例えば米国大統領が任期の4年間じっくりと政策を遂行できるのと大違いであります。今こそ議院内閣制の仕組みと行政府のあり方を根本的に見直す時期に来ていると認識します。

首相を国民が自分達で選べるということは、せっかく選んだのだから思い切って任せてみようではないかということになり、難しく痛みを伴う財政再建等にも取り組みやすくなると考えられます。事実、石原東京都知事などは増税策などいくつも提案しても、都民の間には依然彼のリーダーシップに対する強い信頼がありますから、比較的落ち着いた反応に止まっているのであります。

国民に不人気でも国家としてやらなければならない政策はあります。むしろ国民の政治に対する閉塞感を強くすることこそ問題であります。首相公選は必ずや国民に、政治に影響を与えられるという誇りと政治に対する前向きな評価をもたらすでありましょう。

3)道州制で地方主権国家の構築と国民負担増なき財政再建を!

国民が政治を前向きにとらえるようにするための今ひとつの対策としては道州制導入と市町村合併推進があります。いま、皆さんは国が何をやっていて、都道府県が何をやっていて、市町村が何をやっているか、説明できるでしょうか?わが国の場合、補助金制度、地方交付税制度によって国と地方の仕事・役割が複雑に入り組んでしまっており、本来国が介入する必要のない細かい現業分野まで中央政府が支配できるようになっております。

例えば、ある事業があるとすると、国がその内1/2を出して、県が1/4、市が1/4などというケースが多く、事業の責任が不明確になってしまいます。国民からみれば政治・行政というものが非常にわかりにくい。これは今の細かく割れすぎた自治体では自主財源が不足し、自分達だけで事業を行うことが難しいからなのです。

ちょっと田舎になるともはや完全に中央依存であり、いくらの地方交付税、補助金を中央からもって来られるかが重要で、それを後押しできる政治家=有能な政治家ということになってしまうわけであります。このため、道路や橋や公民館が打出の小槌か何かで降って湧いて出るとでもいうような錯覚を起こさせるのであります。

わたくしは、このような地方自治体の中央依存体質とそれによる財政赤字の問題を抜本的に改革するため、市町村合併と道州制導入による権限と財源の地方への大幅移管こそ不可欠であると確信致します。中央省庁の権限の7〜8割を道州と基礎自治体へ移管すべきであります。単独では存立できない自治体は周辺の自治体と合併し、その中で無理をしないで身の丈にあった政策を行っていただく。市町村合併を進め現在の3,000市町村を人口40万〜50万の500程度の新たなる基礎自治体に再編できれば、多くの行財政問題が解決するはずであります。大まかな試算ではありますが、道州制の導入による地方改革で10〜15兆円の経費を削減できるはずであります。更に民間でできるものを民間移行していけばもっと大きな額を削れるはずであります。

一度大半(6〜7割)の税金を国に集めてから再度地方に配るという今のシステムを改め、自主財源によって各基礎自治体が仕事をできるような枠組みにすれば、必ずやわかりやすい国と地方の分業が実現できます。地域住民の目にみえる「権限と財源の大幅地方移管」は必ずや地方主権を実現し、国民はより明確なかたちで政治を意識、政治を前向きにとらえるようになるでありましょう。これは政治的無関心が強まる今の日本に何より必要なことであります。

4)21世紀 幸せな日本人を作るために不可欠な教育改革!

今ひとつ、21世紀を迎えるにあたって当面の課題として忘れてはならないものが「教育改革」であります。わたくしは、スローガンとして冒頭でも述べたように「手作り体験教育で、人・家族・ふるさと・自然が大切にされる人間社会づくりを!」を合言葉にして今後の活動を展開したいと考えております。

そもそも日本人の大半が幸せを感じることができなくなってしまった背景には教育の問題が大きく横たわっています。17歳の少年が爆弾を作ってビデオ店に投げ入れてみたり、街中でバットを持って次々に人を襲ったりするのも教育に大きな責任があります。

一言でいうと現在の教育現場には「公民教育」の機会が全くない、「体験教育」の機会が乏しいということであります。わたくしは、学校教育で一番重要なことは理科や算数を教えることではなく、多様な価値観を持った個人個人が相手を尊重しながら生きていかなければならないという事実をきちんと認識できる精神を養うことであると考えております。人を思いやる心や公共善への心、忍耐の心を教えることこそ人間社会にとっては不可欠なのであります。どんな知識もそれだけでは意味がなく人間としての精神的基盤が必要であります。

今、学校教育の現場では道徳の時間が一番退屈だそうであります。戦前の反省にたって学校の場で「精神」とか「宗教」を語り教えることが完全にタブー化されてきた結果であります。今や教育現場では「いじめ」や「学級崩壊」、「恐喝事件」、「引きこもり少年の暴走」など、おどろおどろしい事象が多く報道されています。今後、学校や家庭での精神教育機能を高める具体策として、公民教育・体験教育の充実こそ求められています。

欧米をはじめ多くの国では日常生活の中に宗教が浸透しており、いわば宗教が道徳教育の替わりをしています。しかし、日本にはそうした日常生活の精神基盤がありません。善を信ずる精神的仕組みが社会化されていないわけであります。わたくしは何も宗教を学校で教えろといっているわけではありません。ただし、人を殺してはいけないとか、人をいじめてはいけないとか、極当たり前のことを教える道徳・精神教育については、もっとしっかりと教育現場で位置付けられても良いと思うのであります。

いま導入が検討されているボランティア活動の義務化は大変すばらしいことであると思います。「ボランティアとはそもそも自発的な行動なのだから文部省が一々子供に強制すべきことではない」という意見もあるようですが、そもそもそういう機会がなければ何も生まれません。青少年にボランティア活動のための十分な機会と時間と与え、その中で自由に子供達に考えてもらえば良いのであります。いずれにせよ子供達の「公共善」に対する認識・理解は今最も必要ですし、政治はそのために有効なあらゆる政策を行っていくべきであります。

また、初等中等教育段階で、職業体験等を教育プログラムにしっかりと組み入れ、子供達に生きる目的、意味を感じ取ってもらうことも重要であります。今の多くの若者達は将来自分がどんな職業について何がしたいのか明確な展望をもっておりません。これは大変不幸なことであります。ただ良い学校にいって、ただ良い会社に就職してといった、そうした価値観だけでは若者を満足させるに全く十分でありません。まず、自分達は何になりたくてそのためにはどういう知識・能力が必要なのか、そういうところから勉強へのやる気も生まれてくるのです。学校教育で体験教育などを積極的に取り入れ、子供達にそうした気持ちを少しでも持たせていくことが重要であります。

例えば夏休みは大体40日くらいあるわけですが、これを半分の20日に短縮して1年間20日間を春には田植えや植林、秋には田や畑で作物の収穫など自然に親しむ教育を行うことも、人・家族・ふるさと・自然が大切にされる社会づくりには有効だと思います。

そして、わたくしは以上のようにわが国教育に多くの問題がある以上、やはり「教育基本法」を時代にあったかたちとして改正することが肝要であると考えています。現在の教育基本法は理念が神聖・崇高に謳っているだけでリアリズムというものが全くなく、世界どこでも通用する過度に抽象的なもので日本独自の歴史・文化・価値観等に全く触れられておりません。子供達に生きる意味と目的を認識させられるような教育を目指してもっと具体的な内容にすべきであります。

以上、21世紀 幸せな日本人を生み出していくための改革の3本柱についてお話しさせていただきました。人・家族・ふるさと・自然が大切にされる人間社会づくりがわたくしの理想であります。どうか皆様方にもこの点ご理解をいただき、引き続き桜田義孝にご支援とご理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。



○桜田義孝 外務大臣政務官に就任!

1)桜田義孝がこのたび外務大臣政務官に就任しました!

わたくしは今回の改造内閣で外務大臣政務官に就任致しました。大臣政務官といっても皆様聞きなれていない方がほとんどでありましょう。今回の絆では、政治主導の国づくりのため1月6日からスタートする新しい制度である「中央省庁再編」と「副大臣制、大臣政務官」について皆様にご説明したいと思います。

2)中央省庁再編の真のねらいとは?

まず、中央省庁再編でありますが、今まで21省庁あった政府機関を1府12省庁にするという改革であります。具体的には建設省と運輸省と国土庁と北海道開発庁が一緒になって国土交通省ができたり、厚生省と労働省が一緒になって厚生労働省という役所ができるなどして、省庁や局長、課長の数が減ることになるのです。

しかし、これだけではこれまでの行政機構を合併し、ただ巨大なものにしていくだけであります。改革の真の目的は中央省庁を少なくすることで、@行政の無駄・重複をなくすこと、A更なる民間移行を進め官の仕事を減らすこと、B省庁間の権限や予算上の争いをなくして広い視野の政策機関を生み出すこと、C内閣府や内閣官房を充実させ首相のリーダーシップを強くすることにあるのであり、これらが実現できなければ単なる数合わせと焼け太りに終わることになるのであります。そういう意味では今回の省庁再編は、行政改革の「終わり」ではなく「始まり」なのであります。

中央省庁再編をしっかりと実現していくため、言い換えれば単なる数合わせに終わらせないため、今回の組閣で橋本龍太郎元首相が行革担当大臣に任命されました。官僚と対決し政治主導の社会づくりをしていく上で橋本さんを超える人材というのはなかなかおりません。わたくしも平成研究会で親しく指導を受ける立場でありますが、政策能力はピカイチであります。財政再建のタイミングを誤り先の参院選敗北の責任をとって失脚したかたちとなっていましたが、そもそも国と地方で642兆円もの大借金を背負ってしまっている今、財政再建が大きな課題となる中で、橋本さんに対する期待はますます大きなものになっています。わたくしも、今回内閣の一員となった以上、省庁の再編がしっかりと実りあるようなかたちで定着されるよう、国民から信頼される行政を目指して全力でフォローしていきたいと考えます。

3)副大臣・大臣政務官の導入で政治主導は実現できるか?

今回わたくしは外務大臣政務官になることができました。これも皆様方が逆風選挙の中でこの桜田を2期目の当選へと押し上げていただいたおかげであります。心より厚く御礼申し上げます。

さて、今回の政務官26人のうち44人いる2期生のうち12名が選ばれました。公明党の女性議員(35歳)、河野グループ議員(43歳)のお二人に次いで若い方から3番目であります。異例の抜擢をしていただいたといえます。中央政界でまじめにやってきたこれまでの活動が認められたものとうれしく思っています。「副大臣・大臣政務官制度」は、もともと小渕内閣の時、官僚政治を打破し政治主導の政策づくりを実現することを狙い、自由党小沢一郎氏との連携の中で生まれたものでした。

「大臣政務官」とは、副大臣とともに省庁を指揮監督するいわば大臣の補佐役であります。以前は大臣の下の議員の役職といえば、「政務次官」といって、大体当選回数2回の議員が勤めるのが通例でしたが、大臣と政務次官の間で交流すらなく、何十人もの局長に囲まれてしまって、大臣や政務次官が新しいことをやりたいといっても身動きがとれないようなかたちとなってしまっていたのであります。結局は官僚の言いなりになり官僚の作文を読むだけという政治家も多く、国民の声が政策に届いていないという批判が大きかったわけであります。政務次官は権限や位置付けが明確ではないため盲腸などと揶揄され、実際の政策は官僚のトップである事務次官が動かしているというのが実情でありました。

そこで、今回政務次官を廃止し、はるかに各上のポストとして副大臣を新たに設け、大臣に次ぐナンバーツーが事務次官ではなく副大臣であることを法律上明確にしたのであります。当然大臣の変わりに答弁もしますし、大臣の次の決裁権者としての省庁の中で大きな力を振るうことになります。大臣、副大臣は意志決定の「ライン」として政策のガイドラインを決定していくことになるのであります。

これに対して大臣政務官は、大臣の「スタッフ」という機能・役割を果たします。それぞれの役所の中の特別プロジェクトなど個別に担当をもち、局長会議に出たり課長会議に出たりと、具体的な政策の企画・立案の現場に関わっていき大臣を補佐します。与野党対策や委員会での答弁も行います。ですから大臣・副大臣の下とはいっても、国会では、ほとんど彼らと同等の扱いを受け、かつての政務次官よりははるかに強力なポストになります。また、大臣政務官にはなるべく当選回数の若い国会議員をあて早いうちから役所の中で政策を勉強させるという人事上の狙いもあるのであります。

政治主導のための、政治活性化のための一連の改革の成功の鍵はこの「副大臣・大臣政務官」が成功するかどうかにかかっているといえます。器は立派でも入る中身が伴わなければ意味をなしません。わたくしも、初代の外務大臣政務官ということでしっかりと知識を吸収し、政治主導の外交を展開すべく全力を尽くしたいと思っております。
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