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1.特殊法人改革の問題と着地点とは・・・
皆さん、こんにちは、衆議院議員の桜田義孝です。今回は、私も支援する会をつくって応援している小泉総理大臣の聖域なき構造改革の現状と今後の見通しについて、皆さんと考えたいと思います。
既に皆さん新聞等でご存知のことと思いますが、ようやく道路公団をはじめとする特殊法人の改革の方向性が固まりました。わかりやすくいえば、道路4公団については、一括して民営化し、都市基盤整備公団、住宅金融公庫、石油公団の3法人については「廃止」という方針で決定しました。
来年1月からの通常国会には対象157法人の廃止・民営化に向けた法案が提出される見通しであります。また、特殊法人の整理計画に関しては、私がかねてより言い続けてきた天下り制限策も盛り込むことになりました。
特に、道路公団の民営化については、私自身も大きく言いつづけてきました。私は、よく首都高速道路を使いますが、混雑度合いは絶望的、それでいて電車通勤並みの高額の料金をとっている、そのうえ、税金も投入している。私は、道路局長に会うたびに、「あんなに混むのに料金をとられるのではたまったものではない」ということを強調し、道路当局からはあまり快く思われていません。
田舎の方にいくと、滅多に人が通らないような高速道路も随分とみてきました。この前も地方によく観光にいく友人が「あれはつくり過ぎた」とあきれておりました。この前、テレビのインタビューでも、地方の運送会社の人が、「確かに高速道路は、すいているようだけど、多少時間がかかっても下でいくよ。ずっと安いから。地方生活者でわざわざ上でいく人は少ないですよ」ということを言っていました。こうなると、よくよく道路の整備内容を全国的に吟味してみる必要があります。
利用する人がいればつくってもよいと思います。しかし、つくっても一般道路を利用されたのではつくる意味がありません。地方の道路は交通渋滞があるときは必要ですが、それ以外は再検討すべきであります。失業対策としての道路建設は考え直すべきであります。
本州と四国の間には3本も橋をかけてしまい、今や本四公団は破産状態、国鉄同様に清算処理をすると、国民の税金2〜3兆円の投入が必要であるといわれております。扇国土交通大臣が初当選した時、「橋は一本にして四国を一周できるような高速道路を作った方が良いのではないか」と発言したら、すぐ先輩に呼ばれ「そのような発言は困る」と一喝されたというのです。国土交通委員会でそう答弁されておられました。
本当になんでこんなことになってしまったのか。本当はもう既に利用者は、道路料金を払わないでも良くなるはずではなかったのか。
答えは極めて簡単です。それは国土政策という名のうえにあぐらをかき、コスト意識や採算性を無視して道路事業を暴走させた、当然といえば当然の帰結でありました。今や積もりに積もった道路4公団の債務残高の合計は40兆円であります。信じられません。人口だってドンドン減少が見込まれるのに、ここで、何とかしなければ最後は巨額の税金で面倒をみることになるのです。
金利だってここまで低いのですから今後は高くなるでしょうし、税収も厳しい。少子高齢化で利用者人口だって急激な回復は難しい中で、道路公団の見通しは甘すぎるといっても過言ではありません。そこには、バブルの頃、経営者にみられた「いずれどうにかなる」という長期見通しの甘さ、いい加減さが見て取れます。
実際、何人もの総裁が巨額の退職金を手に辞めていきました。今や悠悠自適の生活を送っているわけです。「おいおいそれはないだろう」と私は言いたい。もっと税金を払っているものの身になれ。企業が倒産したのと同じなのだから、本四公団などは歴代総裁が全額退職金を返納してもおかしくないくらいです。責任が問われれば採算性にも慎重になることでしょう。コスト意識ももってくれることでしょう。
国土交通省が定める整備計画では、既に着工を前提とされる区間は、9342キロで、うち2400キロが未開通区間として残っております。そして、この残りの区間を凍結するのか、継続してやっていくのかで、小泉さんと道路族議員との間での攻防があったわけです。
しかし、考えてみてください。道路を多少作ったから、地元が活性化して国民経済にプラスになるというのは、高度成長期の頃に通用した考え方です。公共投資の乗数効果は最近では1あるかないかといわれており、高度成長期やバブル期とは現在の経済情勢は全く異なっているというのが実情です。多くの財政学者が統計からそれを証明しております。
むしろ、巨額の政府債務がますます増えていくようなイメージを国民に与えることで、先行きの公的制度破綻や増税を不安に思った国民は、確実に可処分所得を貯金に回すことになるでしょう。そうすればますます消費は冷え込み、企業の設備投資も減り、日本はそれこそ歯止めなきデフレスパイラルに陥ってしまうのです。
飽和状態の日本経済において今必要なのは公共投資ではありません。先行きのあらゆる制度に対する信任と経済の明るい見通しです。そしてこうした先行き展望は構造改革なくしてはありえないのです。小泉さんや竹中さんが『構造改革なくして景気回復なし』という所以です。
道路公団関係の決定内容についてやや具体的にいうと、@日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団は一括して民営化する、A来年度から道路公団への国費投入3,000億円の投入を打ち切る、B高速道路整備計画は見直すムムというものであります。小泉総理が、借入金の償還条件を当初の「30年」から「50年以内」に緩めたことで調整が完了したというわけです。
マスコミは例によって、「妥協の産物」といって批判を開始しておりますが、私は国費投入3,000億円の打ち切りと、借入金償還50年以内の明確化、全体の計画の見直しは大きな前進であり、それこそ決定までは考えられなかったことであると確信します。いずれにせよ、小泉総理の決断の賜物であります。
しかし、私は住宅金融公庫については、若干小泉さんとは違った考えをもっております。今、銀行があてになりません。住宅金融公庫の民業圧迫を言う前に、銀行マンには猛省してもらわなければなりません。私も中小企業経営者の一人として、銀行には大変な憤りを感じています。バブルの頃と比べても本当に都合が良すぎる。
銀行の場合、融資条件は相当きつくなります。公務員とか、上場企業のサラリーマンは良いでしょうが、それ以外の人の融資は組んでくれないおそれがあります。中小企業経営者などというとなかなか貸してくれない。良い例が政治家であります。専業議員は銀行ローンが組めません。落選したら、ローン残高が返済できなくなってしまうからです。銀行が融資より回収に力を入れている現状では、相当問題があります。
しかし、住宅金融公庫の場合、長期低利で、ある程度うるさいこともいわずに借りられるという利便性があります。こうした住宅政策としての部分は、何らかの対応が必要であると私は確信しております。また、銀行も今のような担保偏重主義を改め、健全な融資能力をもった体制に自己改革していくべきでありましょう。今のようなかたちでは銀行に未来はありません。国民の銀行不信も極度に高まっております。
小泉総理は減税措置等で対応するなどということをいっていますが、それだけでは不十分だと思います。住宅金融公庫を廃止するのであれば、信用保証等の手段により政府の関わりを残すべきであります。この点、私も引き続き政策的な訴えをしていきたいと思っているところです。
また、都市基盤整備公団については廃止するということになりましたが、あの都市公団というところには、都市開発のスペシャリストが大勢おります。今後、都市再生やPFI※の導入等、都市公共開発の改革を推し進めていく中で、私は、こうした都市開発の専門人材を有効に活用すべきであるとかねてより主張して参りました。地方自治体には、都市開発の人材はまだまだ不足しております。したがって、都市公団の人材をうまく投入できないか、私は検討を開始すべきであると考え、先般の委員会でも質問させていただきました。
以上、特殊法人の問題はこれだけではありません。まだまだ民間でできる団体はたくさんありますし、そうしたことを着実に実施していく中で民間活力を向上させ、行政のスリム化も図れるという両得が得られるものと私は確信致します。今後の国会活動の中で小泉特殊法人改革の先鋒として頑張ってまいりたいと思います。
※PFI(Private
Finance Initiative)=公共施設等の設計・建設・維持管理・運営の全部または一部を民間の資金、経営能力及び技術能力を活用して行う新しい手法。
2.小泉総理の英断――第二次補正編成――
さて、小泉改革が進む中で、政府は第二次補正を組むことを決定しました。真水2兆5千億円、総事業費4兆円という規模になります。内容については、従来型の道路や港、鉄道等の公共事業というよりも、新しい時代にふさわしい情報通信や環境、生活支援に関するものになる予定です。財源としては、小泉公約の国債発行枠今年度30兆円を維持すべく、NTT株の売却益の2兆5千億円がそのまま当てられる予定です。
小泉総理が第二次補正を決定したことは大変な決断であると私は思っています。やはり、テロ以降経済情勢が変わってしまったことは事実です。ここは景気にも留意するという毅然とした態度を市場に対して表明するという必要もあります。しかし、やみくもに国債を発行すれば、666兆円という公的債務残高がますます増えることにより、市場に不安感を与え、逆に景気を冷え込ませる可能性が高かったのも事実であります。
こうした中で、上記のような一種へそくりともいうべき手法の活用をもとに、内容重視で補正も組むというのは実にうまいやり方ではないか、と私は思います。今のところ、国民にも一定の理解を得て、国民支持率は再び上昇に転じてきております。
3.政治主導のために与党幹部はすべて入閣すべきである!
さて、さきほどの特殊法人改革の問題、そして、補正予算の問題と、小泉総理と自由民主党幹部との間での凄まじいやりとりをテレビ等でご覧になった方も多いと思います。
この間、ある支援者からこんなことを質問されました。「なんで同じ自民党で、しかも総裁なのにあんなに足を引っ張られるのか?」国民一般からみれば、そうみえるのは確かだろうと思います。
先般、「新しい日本をつくる国民会議」(亀井正夫会長)の提言で、「法案の与党の事前審査を廃止すべき」というものが出ました。つまり、現在は法案が通る際には、事前に自由民主党の各部会で審議され、この場で了解されれば、自民党が与党である限り法律が通ったのと同じことになるのです。そうなると国会での審議はどうしても形骸化してしまう。与党の権威は保たれるかもしれませんが、国会の権威はいささか軽くなってしまうという問題はあります。
また、同じ与党でも、政府に入った人間と、党の部会で頑張ろうという人間との間で時として今回のような争いが生じることもあるのです。私は政府・与党はできるだけ一体化しておくことが望ましいと思います。今回のような対立は実にみっともない。
したがって、是正策としては、与党の政調会長や総務会長、各部会長、副部会長等を何十人も政府に入れてしまえば良いのです。今の副大臣や政務官は実は運用で大きく問題になっています。副大臣が部会長、政務官は副部会長が兼務すれば、だいぶ政治主導のかたちに近づくのではないでしょうか。そうして与党内での調整コストを軽くする分、国会での審議を活発化させれば良いと思うのです。
足もと政調会長を入閣させる等の具体案が検討され始めており、私は是非この方向で進めるべきであると考えております。
小泉改革も大詰めにきました。まだまだ多くの課題が山積しております。私が代表を務めております「小泉政権の聖域なき構造改革の断行を支援する若手議員の会」では、つい先日、石原行革担当大臣を呼んで勉強会を開催致しました。また、次回は自民党の行政改革本部長の太田誠一氏を呼んで今臨時国会での行政改革を総括してみたいと考えています。最終的には、小泉改革の応援の決議文も作成するつもりです。
私は、小泉改革を前進させることこそ、明るい明日の国づくりに繋がると確信致します。どうか皆様にもご理解とご支援をよろしく御願い申し上げます。
私が外務大臣政務官として現地対応を行った、「えひめ丸事故」に関しては、皆さんご案内のように、10月16日から開始していた船内捜索がようやく終わり、先般11月26日に現場海域ハワイ沖の深海に沈められました。この間、行方不明者9人のうち、8人の遺体が収容されましたが、1名についての行方を確認できなかったことは誠に残念であり、悔やまれるところであります。これにより、今後は補償問題へと焦点が移っていくものと考えられます。
そもそも「えひめ丸」については、私が政務官として交渉として当たった際、米国海軍最高幹部は、遺体に対する独特の日本人の思い、日本人の死生観というものが理解できず、技術的困難性を主因として、その引き上げ、捜索については、難色を示していたのが実情でした。
米国では、日本による真珠湾攻撃で沈んだ戦艦アリゾナに乗っていた米兵1,000人以上の遺体を一人も引き揚げずそのまま公園にしてしまうなど、霊はそこで安らかに眠らせた方が良いという価値観があるのです。
しかし、日本では遺体がみつかるまで、行方不明は行方不明であり、いくら生存が絶望視されても遺体を確認できて、はじめて遺族は心が落ち着くものであります。私は、この点を譲れぬ一線として、強固に主張し続けた結果、ブレア米国太平洋軍司令官も、「桜田政務官のいうことはよくわかりました」として、技術的には難航が予想された引き揚げ・捜索を決断したのであります。私は価値観の異なりというものがいかに大きいものか、そして、それを尊重しあうことがいかに重要かを知らされました。
事故当時、宇和島水産高校の関係者が家族とともにハワイに来て、捜索を見守りながらの会議の中で、涙を流しながら、「桜田政務官、船を必ず引き揚げてください」と訴えていたその姿が今でも脳裏に焼き付いております。「最善の努力をさせていただきたい」というのが精一杯でありましたが、努力の甲斐があって現実のものとなったことは感無量であります。今回の引き揚げにより、遺族の皆さんも感謝を述べてくれました。
また、米海軍も誠意をみせ、本当によくやってくれました。そして、私の後任であり、盟友でもある山口泰明・小島敏男両政務官が、実にうまく事態の推移をサポートしてくれています。
私は、今後ともこの痛ましい事故に直接携わったものとして、引き続き状況の推移を把握し、遺族の皆様のケア等を支援していきたいと考えております。
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