桜田 よしたか
自由民主党
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広報誌「絆」
47号 景気は底入れ、次はデフレ対策強化を!
 皆さんこんにちは、桜田義孝です。連日どうしようもない議論ばかりの国会で本当に嫌になります。有事法制ひとつとっても、何とか法案を通さないことで国会を混乱させてやろうという野党の魂胆がみえみえです。一方で肝心の問題はなかなか議論されていません。今回の絆では、こうした間にもしっかりと考えなければならないわが国の景気と経済政策についてご報告したいと思います。どうかお付き合いください。

さて、先般の新聞で14年1〜3月の四半期のGDP統計が発表になりましたが、季節調整済前期比で+1.4%ということで、4期ぶりのプラスになりました。結果として政府の「景気底入れ」宣言を裏付けたかたちとなったわけです。大雑把にいえば、民間設備投資と民間住宅投資がマイナスだったものの、個人消費や輸出、公共投資がプラスだったことが背景となって全体としてプラスになりました。

皆さんの中には、「景気が底入れしたなんて本当?」という疑問を持たれている方もおられるでしょう。私も、確かに景気の現状はまだまだ油断ならない水域であるとは思います。しかし、足元の状況で明らかに変っている点もあると思います。それはデフレ状況・物価の著しい下落がドンドン進んでいくというこれまでの傾向が、ここへきて多少改善してきているということであります。物価の推移を表すGDPデフレーターをみても、ここ半年くらいでも▲1.5%(13年7〜9月)→▲1.2%(同10〜12月)→▲0.9%(14年1〜3月)と着実に下げ止まってきています。

ここで、景気の内訳をみていくことにしましょう。まず、GDPの60%を占める個人消費ですが、前期比+1.6%の増加となりました。家計の紐は厳しいながらも徐々に緩んできているといえます。例えば私の家の近くに最近できた「牛角」という新規のチェーン焼肉店がありますが、いつ行っても満員状態で、BSEの影響などどこ吹く風です。原因はやはり『価格』です。カルビなんかでも品質は下げず既存店の半分程度に抑えてあります。ユニクロや吉野家もそうですが、やはりこうした価格挑戦型店舗の売上増にも最近の個人消費の傾向というものが見てとれると思うのであります。要は消費者はいつの時代も安く良いものには飛びつくということなのです。

一方で、政府の既存の統計は旧態依然のままです。こうした『新しい消費』の動向が捕捉されておりません。ですから、需要面からは家計調査でプラスを確認できても、供給面からは『百貨店売上高』や『家電販売等』を参考にしているため、依然マイナスのままなのです。統計のベースになるサンプルが意味をなさなくなってしまっているのです。そこで私は、内閣府マクロ統計班の幹部に、もう少し消費動向をきちんと反映する統計のあり方について見直した方が良いとアドバイスしておきました。

 次にGDPの10%を占める設備投資ですが、こちらはあまりよくありません。特に中小企業の設備投資動向が惨憺たるものです。一頃50兆円ともいわれた過剰設備がまだ残存しており、企業がその解消に取り組んでいる状況にあるからといえるでしょう。生産拠点の海外シフトも影響しています。高度成長期などは設備投資が景気のエンジン役としてドンドン伸びて景気を引っ張ってくれたものでした。GDPに占めるウェイトはさほどではないのですが、増加率が大きく、生産への波及性も大きいためです。こうした設備投資主導の回復は今後なかなか期待しにくいかもしれません。やはりカギとなるのは携帯電話のような高度なニュービジネスの成長に尽きるでしょう。

しかし、明るい材料もあるにはあります。設備投資の先行指標といわれる機械受注動向(船舶・電力を除く民需)の前期比が4月時点で+8.4%とプラスになっています。一部ではこれをもって年末くらいには更新投資を中心として回復してくるのではと期待する向きもあります。

GDPの5%を占める住宅投資は横ばいです。住宅展示場来場者数など見ましても4月は前年比+6.9%なのですが、なかなか成約に結びつきません。今後は少子高齢化などで年間115万戸程度で推移するのではないかと見られております。ただし、リフォームはかなり期待できます。最近では家のリフォームを扱ったテレビ番組がゴールデン枠に登場するくらいです。私は住宅投資の動向をみるためには、是非こうした動きについても把握しておく必要があると思っています。

同じくGDPの5%を占める公共投資については、総じて低調に推移しております。地方が予算を相当絞っている中で、2月の補正予算の効果もあまり出ていません。ただし、小泉内閣の方針として公共投資主導の回復は目指しておりませんから、あまりこの項目にとらわれる必要はないと私は思っています。因みに国債30兆円のうち、公共投資目的の建設国債は7兆円、残りの23兆円は赤字国債です。無駄な公的経費の節減を強力に推進すべきでありましょう。

終わりに、輸出については、先ほど述べた個人消費と並んで今や景気を下支えしています(14年1〜3月の輸出数量前期比+6.4%)。中国・東南アジア向けが好調なほか、米国景気の急回復を受けた台湾国内のIT関連生産増もわが国の台湾向け輸出に好影響を与えています。

 以上が需要面から見た景気下げ止まりの動向ですが、次に企業の生産・収益・雇用の各動向をみてみましょう。生産については、下げ止まっています。一番大きいのはここ一年くらいで在庫が大きく減っていることです。在庫調整にめどがついた証拠です。収益についても14年度の見込みをみますと特に影響の大きい大企業製造業について+36.8%とV字型の急回復が期待されています。雇用は依然小康状態ではありますが、このような生産・収益動向を反映して徐々に回復に向かう可能性も出てきております。          

このように緩やかではありますが、わが国景気は底入れから回復へと歩を進めつつあります。皆さんは『景気ウォッチャー調査』というのをご存知でしょうか?マクロ景気分析のため、景気に敏感な地域のタクシー運転手さん、バー・スナックのホステスさん、花屋などの協力を得て、政府が別の角度から行っている景気調査でありますが、実はこの調査の結果が最近急回復しているのです。市井の多くの人々も「景気は回復してきている」と感じているという結果なのです。

 そして、私はこのような時だからこそ、政府は、景気回復を本物とする徹底的なデフレ対策を行うべきであると思っています。これは従来型の公共投資を行えといっているのでは全くありません。私が一番重要であると思っているのが、やはり金融政策であります。デフレ自体は貨幣的現象なので、金融政策が一番効きます。現在、確かに日銀は「ジャブジャブお金を出している」と主張していますが、国債買いきりオペや、日銀当座預金残高のボリュームについてはまだまだ増加の余地はあります。ケチケチせずにやる時はドーンとやる。これこそ景気対策の鉄則であります。後、日銀は「アナウンスメント効果が重要だ」と言っているわりに宣伝・広報が全くダメであるというのが一般の評価であります。「一応金利も下げて量的緩和もやるけど効かないだろう」とそんなことばかり言っている。これではダメです。私が前から言っているとおりまともな金融政策を行わせるには、日銀総裁を更迭するしかありません。

 加えて、これまで行ってきた携帯電話関係や電力、運輸、小売等の規制緩和を一層進め、新規産業を後押しすることです。最近続々と登場して世間を沸かせる企業群は規制緩和の中で登場したものがほとんどです。こうした傾向をますます強めることが構造改革の趣旨にも沿い、結果として景気を回復する原動力にもなると私は確信しております。

 終わりに税制改革も忘れてはなりません。政府のまとめているデフレ対策の中心となると思いますが、国民がやる気を出す税制というものを今こそしっかりと国民に提示しなければなりません。課税最低限を含めて税制のあり方というものを抜本的に議論する時期にきていると思います。この際、政府の支出を徹底的に見直し減らすということをあわせて議論することを忘れてはならないでしょう。
このようなデフレ対策をしっかりと打って、回復への足がかりを作らねばなりません。今後、私も全力で経済政策に取り組んで参りたいと思いますので、どうかご支援をよろしくお願いします。
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