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50号 「時の利は日本にあり」
今こそ断固とした対北朝鮮外交を! |
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世界が驚くべき衝撃の事実が明らかになりました。皆さんご案内のように、今回の小泉総理の訪朝により、北朝鮮によって拉致された日本人の皆様方のうち、5名の生存が確認されたものの、8名ものたくさんの方々がお亡くなりになっていたという衝撃的な事実が明らかになりました。ただし、彼らが、いつどのようなかたちで拉致され、一部の方がどのようにお亡くなりになったのか、依然定かになっていません。この間、北朝鮮政府の言ってきたことがすべて嘘であったということで、到底許すことができません。長年に渡りその生存を信じ続けて待っていたご家族の心情の思う時、本当に何と言ってよいのか途方に暮れます。改めてテロ国家北朝鮮の異常性・残酷性に激しい怒りを覚えました。
しかし、私は、今回の小泉総理の訪朝自体は外交成果として、やはり大きな前進であると思うのです。この時期にリスクをとって訪問した小泉総理の勇気は認められてしかるべきです。こうなるまでの過去の政府の対応の問題はあるにせよ、小泉総理が力強いリーダーシップで政治的に決断したからこそ、真相がある程度明らかになってきていると思うのです。仮に訪朝もせず北朝鮮を非難だけしていたら、最終的に血をみない限り、戦争でもしない限り、真相が明らかになることなど、増してや北朝鮮が自らの犯罪性を認めるなど、決してありえないことだったと思います。生存者の命さえどうなっていたかわかりません。そう考えると、今回の交渉自体はひとつの外交の成果として評価すべきものであったと思います。
それにしても、北朝鮮はなぜこの時期に、自分達の起こした犯罪を認めてまで、日本と国交正常化交渉を再開しようと決断したのでしょうか。答えは、安全保障面・経済面の両方から、北朝鮮という国が「それだけ追い詰められていた」ということに尽きると思います。
まず、最近米国が日本といろいろと交渉の場をもっているのがニュースになっていますが、この中では北朝鮮やイラクといったテロ国家についていろいろと議論を重ねていたと推察されます。私が先月訪米し海兵隊基地を視察した際、「イラク攻撃の準備はできている」と司令官が言っていました。米国は北朝鮮に対しても相当厳しい評価をもっており、空爆を匂わせる情報もちらほら出始めておりました。こうした空気が相当北朝鮮政府に緊張と混乱をもたらしていたことはいうまでもありません。
朝鮮の国営ニュースでは力強い調子で『米国や日本の帝国主義と徹底的に戦う。正義は我々にある』等々いろいろといっておりましたが、例えば、米国軍の攻撃をまともに受ければ、実際は二週間ももたないといわれております。新兵器を打ち込まれたアフガンの「アルカーイダ」をみるとき、まんざら的外れな予想でもないと思います。北朝鮮は一挙にガタガタになり、それは現体制の幹部達の権力・権威を失墜させることになるでしょう。安全保障面で北朝鮮は相当深刻に追い詰められていたといえるのであります。
次に経済面です。訪朝に合わせて北朝鮮市民が結構きれいな服を着ているので、まあこんなものかとお思いになった方も多いと思いますが、あれはピョンヤン近郊のみで、地方にいけば、みんな物が足りず貧困の極みの中で日々やっと生活しているというのが実情です。このことは最近打ち続く亡命者からの証言でも明らかであり、多くの人々が草を食べて生活しているとさえいうのです。つまり、北朝鮮には今、まともな経済資源が何もないような状況なのです。表面的には『将軍様万歳』などとやっていますが、これも時間の問題です。経済面から外国の援助を欠くことはできません。外国からの援助と貿易によって国を建て直さないと少なくとも現体制を維持することが不可能なくらい経済が劣悪な状況にあるといえるのです。
以上、安全保障面・経済面で追い詰められた北朝鮮が、小泉総理の政治決断に基づく呼びかけに最終的に応じざるを得なかったというのが真相でしょう。キム・ジョンイル氏は、一部の勢力がやったこととはしながらも、拉致行為・不審船による領海侵犯等大半の犯罪行為を認めました。総理の訪朝前、こんなことを誰が予想したでしょうか。ニュースの一報を聞いた時、私は耳を疑いました。誰もが行方不明者の数人の安否確認程度に留まり、自国の犯罪についてはあくまで行方不明者で通してうやむやにするのではないかと思っていたと思います。何度も言いますが、テロリスト国家北朝鮮が、国として自らの大罪を認めた、これは大変大きな変化です。政策変更をし、国際社会への仲間入りをうかがう北朝鮮は、もう絶対に後戻りすることはできません。
それでは、今後日本政府としては、どう対応していくべきでしょうか。まず、私としては、日朝国交正常化交渉再開自体は進めて良いと思っています。話し合いを進めない限り、何事も前進はしません。とにかく拉致問題・不審船・ミサイル問題と、概ね日本の主張が通った今回の合意内容について今後北朝鮮にきっちり守らせることが肝心です。
このように北朝鮮が前向きになってきている以上、更に国際世論の表舞台へ北朝鮮を引っ張り出して、二度と後戻りさせないようにする、これが重要であります。少なくとも北朝鮮がピョンヤン宣言を守る限り、今後の拉致・不審船活動、日本に対するミサイル攻撃等は回避されるのであります。過去のことと同じくらい、あるいはそれ以上に未来のことについても我々は責任をもたなければなりません。
また、日本の植民地時代のいわゆる過去の清算については、経済援助というかたちであれば、一定のことができると思いますが、規模等については、拉致事件の徹底解明と補償が前提になると思います。生存者は直ちに帰国させ、死亡者についても原因等詳細を究明すべきです。そして、本当に拉致がこれですべてなのかという点についても徹底的に解明していく必要があるでしょう。こうした拉致についての前進が無い限り、無償援助等については厳に慎むべきでありましょう。速やかな米等食糧支援などもとんでもないことであります。今や時の利は日本にあります。日本は急ぐ必要はありません。「拉致事件の徹底解明なくして、国交正常化交渉なし」の姿勢を今後も貫くべきであります。
しかし一方で、感情に押し流されない点も重要です。北東アジアの安全保障という世界的見地に立って、今後日本という国が世界の利益のため、外交努力に全力を尽くすことが求められています。今や日本の外交の真価が今試されている時なのです。そういう意味において、私も、『戦略性ある外交』という自分の政治信念の下、この問題に積極的に関わっていきたい、そして、関係ご家族の支援活動に仲間とともに全力で取り組りたいと考えております。
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