桜田 よしたか
自由民主党
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広報誌「絆」
52号 経済は生き物!今こそ実りある補正予算と税制改革を!
 皆さん、こんにちは、桜田義孝です。今回の絆では、この景気情勢の中で真に必要な経済政策について皆さんと考えてみたいと思います。

まず、その第一前提として、今が「デフレ経済」であるということを考えなければなりません。デフレとは簡単にいえば、モノの値段がドンドン下がってしまうことです。主婦の方は、「あら、食材の値段が下がるなら歓迎だわ」というかもしれませんが、デフレと良い物価安の違うところは、あらゆる物価が泥沼式に下落し続けるということにあります。

ですから、毎日の食材にとどまらず、御主人のお給料から持ち家等、資産の値段まで、あらゆる価格が下落します。したがって、生活の質はこれまで以上に悪くなるのが普通であり、逆にお給料が減る分、金額が変らない住宅ローン残高が過重となり、返済計画も狂ってしまいます。これがデフレの姿です。借金のある人には、大変厳しい経済状態といえます。

それでは、なぜこんなことになっているかといいますと、一言でいえば、世の中に新しい需要がないためです。例えば、景気の良いときは、モノがとにかく売れます。作っても作っても売れます。高度成長期の時がそうでした。車、家、家電製品、外食サービス、旅行、娯楽、あらゆる分野でお金がたくさん回ります。そうしたお金は労働者の給料に回り、それがさらに消費を押し上げるという好循環が実現します。そうした需要が今少ないのです。

簡単にいえば、この原因としては、(1)少子高齢化、(2)生産の海外シフト、(3)不良債権処理の長期化、(4)新産業の暗中模索状況、(5)国民の中の先行き不透明感の増大、が挙げられると思います。

少子高齢化不況論については、この絆でも何度も申し上げてきました。金融資産の大半を持つ高齢者がなかなか消費活動しない一方で、消費活動をする若い世代に真に必要なお金がいかないということであります。

また、生産の海外シフトも深刻です。企業経営者の立場になってみればわかりますが、グローバル競争が激しさを増す中で、日本の人件費等製造コストがますますま高くなっています。多くの製造工場がアジアにシフトすれば、企業収益は改善しても、雇用は大幅に減少します。つまり、国民の購買力がそのまま減少するということです。

不良債権処理問題は、要は銀行がお金を貸せないところに問題があります。銀行は経済システムの心臓・血管みたいなものですから、不良債権が血栓となって、血行が悪くなってしまいます。

「新産業の暗中模索」については、高度成長中の三種の神器みたいなものが行き渡り、経済の底上げをするような爆発的新製品が当面みあたらない、したがって、個人消費に跳躍力がないという意味であります。

最後の「国民の中の不透明感の増大」は優れて精神的な問題であります。今述べてきたような経済実態によるリストラ懸念、そして公的年金制度破綻懸念等、「あらゆることが不安でとても消費どころではない」という国民的雰囲気がデフレをもたらしているということです。

以上のように根深い原因で起こっている現下の不況から脱却するためには、思い切った意外性ある政策が不可欠であります。絆でも何度も主張してきましたが、とにかく政府の経済政策は中途半端になりがちです。戦力の逐次投入が敗北を招くというのは戦略の常識であります。

現在、「補正予算」と「税制改正」が二つの課題として盛んに報じられております。まず、税制改正については、総理の諮問機関である政府税制調査会が答申を発表しました。この内容をみて私は大分踏み込みが足りないと思いました。所詮は財務省主税局が黒子ですから、思い切った内容である訳がないのですが、思い切りという意味では落第点でしょう。

ハ まとめていえば、「税収中立」という言葉にあまりにこだわり過ぎて、税制の経済政策的視点が無視されているということです。

象徴的なのは証券税制でしょう。答申にはまともな記述が見当たりません。現行制度は、とにかく複雑すぎて、わが党の金融政策の第一人者さえ「よくわからない」というくらいですから、世のどれほどの人々がわかっているのでしょう。一方で株式市況は下落の一途です。銀行株を代表として、一年前の10分の1になってしまったような株を一体どこの誰が買うというのでしょう。複雑な時限措置、申告分離一本化等も全部白紙に戻して、キャピタルゲイン課税をゼロにするくらいやらないと、インパクトがありません。もともとリスクマネーなのですから、それくらいの特別扱いは、直接投資の推奨という国策的見地からも十分許容範囲であると思います。

土地・住宅税制ももっと思い切ったことをやらないとダメです。例えば、先に「高齢者がお金を持ちすぎて・・・」という話をしました。大切なことは、お金を持っている高齢者から若い世代へとお金を移すことがデフレに効くということであります。例えば、住宅購入の場合の贈与税非課税枠については思い切って現行の550万円を3,000万円くらいまで引き上げるべきであると思います。また、不動産の流動化を損なう登録免許税などは廃止すべきですし、不動産取得税も大幅軽減すべきです。

配偶者特別控除、特別扶養控除等の見直しについては、むしろ諸外国に比べて高すぎる課税最低限(日本の場合:夫婦子供二人384万円、例えば英国では137万円)の見地からも見直しが必要でしょう。むしろ、人的控除は簡素化し、女性層、高齢者層がドンドン労働市場に参画していくことが経済を活性化させていくと思います。

終わりに補正予算の話をしないといけません。確かに国債発行枠30兆円という首相の財政規律への思いは大切なことです。しかし、株価が急落し、各経済指標にもかげりのみえる今こそ、デフレ経済への政府の姿勢を明確にすべき時であります。

税収不足が既に2兆8千億円、先行減税で1兆5千億円、失業対策等セーフティーネット関係で1兆円程度出したらもうそれだけで5兆円を突破します。その他にいろいろと構造改革関係の出費を考えても10兆円程度の補正が必要と考えられます。

経済は生き物であります。客観情勢は刻々と変化していきます。その場にあって舵を調整していくことは当然です。ここは総理も思い切ってデフレ対策としての補正予算・税制改正へ取り組むべきであり、私自身も「小泉支援の若手議員の会」代表世話人として、経済産業大臣政務官として、積極的に総理に進言していきたいと思っています。

皆様におかれましても、政府の経済政策にご意見がございましたら、ドンドン事務所までご連絡ください。資料等をもって説明にうかがいたいと思います。

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