桜田 よしたか
自由民主党
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広報誌「絆」
55号 イラク問題を考える時、北朝鮮政策を忘れてはならない!
 皆さん、こんにちは、衆議院議員の桜田義孝です。今回はイラク・北朝鮮問題についてお話ししたいと思います。

さて、イラク問題を巡っては、連日、世界中での反戦デモの模様が報じられ、メディアも日本政府の対応が曖昧であると批判を繰り返しています。野党各党も、総理や外務大臣を激しく非難しています。「ドイツやフランスと同じように戦争に反対しろ」とか、「同じ敗戦国でもなんでこんなに違うのか」とか、感情的かつ一方的な報道が繰り返されています。

しかし、ドイツやフランスと日本の立場は全く異なっているということについて説明がされていません。つまり、日本の現行平和憲法や北朝鮮核武装問題等、日本が置かれている国際環境を考慮すれば、現状の日本政府の対応は、そう的外れではなく、逆に野党各党の主張する対応の方がはるかに的外れであり、危険であるとさえいえます。

私の結論からいえば、「日米同盟」を前提として、わが国としては、米国の姿勢・立場というものを引き続き尊重していくべきであると考えられます。それができないというなら、自分の国を自分で守れるように核武装していくしかありません。つまり、核武装などとてもできない以上、やはり米国との関係というものを重視した外交を展開することが一番現実的なことなのは、わかりきったことなのです。

まず、われわれには北朝鮮というイラクよりはるかに近く、怨恨関係の強い軍事テロリズム国家が控えているという事実を忘れてはいけません。北朝鮮は、「核拡散防止条約」からの脱退を宣言し、また、日本や韓国への核攻撃を匂わせています。特にテポドン2号の到達距離は6,000?とも言われ、米国にも達する危険性があると言われております。

関係者の説明によれば、北朝鮮が、比較的容易なウラン型原爆を作ったとしても運搬能力を持たない一方で、運搬可能な軽量のプルトニウム型原爆の製造は技術的に困難ということで、すぐに北朝鮮が原爆を使えるという状況ではないようです。しかし、脱北工作員の多くが日本への核攻撃があり得ると証言していることもまた事実です。

このように日本が実に危機的な状況に置かれているにもかかわらず、どれだけの日本人がこの事実をしっかりと認識できているでしょうか。最近のアンケート調査等では、日本国民の7割が不安に感じているという話ですが、一方で有事法制の話については全然盛り上がっていません。残念ながら私の周りでも関心のない方が大変多いのが実態です。また、テレビ等はテロ対策のイージス艦の派遣等に今でも感情的な報道が繰り返されています。

最近では、随分、北朝鮮のテレビ番組の報道が面白おかしく報道されています。「私は偉大なる将軍様の国にいれて本当に幸せであります」というコメントが氾濫し、子供までおかしな顔をして偉大なる将軍様のために体操しています。また、日本人忍者が朝鮮半島を支配しようとして、それを倒すといったような物騒な内容の番組が放送されておりますが、こうした反日番組が毎日毎日放送されれば、北朝鮮国民も日本人への憎しみを増大させていくことでしょう。果たして、今の日本人にはこうした憎しみを受け止めるだけの覚悟があるでしょうか。北朝鮮の日本への核攻撃をどこまで現実的に考えているでしょうか。

実際、ボタンひとつ押されてしまえば、あとの祭りです。日本に甚大な被害が出た後、漸く米国や多国籍軍がやってきて、自衛隊と共同して北朝鮮を倒すことでしょう。しかし、その間に何百万、下手をすれば何千万人もの日本人が犠牲になります。そして、こうした事態は絶対に避けなければならないのです。

現行憲法の下では日本は事実上、先制攻撃のようなことができませんし、衛星情報も現在は十分ではありません。仮に北朝鮮に不穏な動きが出たとき、十分対処していけるためには、何より米国の力が不可欠であり、日本としては米国の軍事力を活用して北朝鮮に軍事行動の抑止を働きかけていくしかないのであります。

しかし、どこの国でもそうですが、米国という国もそう簡単に動く国ではありません。日米安保条約があるというだけでは説明になりません。米国が北朝鮮と戦争するということは、戦死者等大変な犠牲が出るということです。それを押して日本を助けたいと思わせるように信頼感を醸成していかなければならないのです。つまり、日頃から米国の良き理解者として、パートナーとして、信頼関係を構築することが重要であり、そのことなくしては、わが国の安全と平和を保つことはできないのです。

北朝鮮以外にもわが国には多くの軍事的脅威が控えています。中国・ロシア等といった国であります。これらの国も常に日本を苦々しく思ってきた国であり、何かにつけて難癖をつけてくることはいうまでもありません。そして、中国やロシアといった国とわが国は軍事バランスでいえば全く劣っています。したがって、やはり極東アジアのバランス・オブ・パワーからみても、米国との関係が外交の基軸であると私は考えております。

さて、イラク問題に戻りましょう。世界中で反戦デモが起きていますが、これらのデモ参加者は当然、日本の平和と安全のことまで考えて、デモをしているわけではありません。日本の立場としては、まず、北朝鮮の核武装と暴発を避けるために、あらゆる外交努力を投入していかなければならないのです。イラク問題の解決に関しても、感情的ではない冷静な対応が求められています。

残念ながら現在までのイラクの姿勢は査察団に協力的とはいえないものであります。イラクのフセイン大統領は依然強圧的な独裁者のままであり、大量の生物・化学兵器の所在についても不明確なままです。テロ集団アルカーイダとの関係も疑うに十分な証拠があります。イラクはこのまま世界中の反戦運動と自国の疑惑をごっちゃ混ぜにしてはなりません。イラクは責任ある行動と誠意を国際に示さねばなりません。

そして、わが国としては、野党のいうように、「どちらにつくか」というように軽軽しく態度表明などするよりも、日々変動していく国際安全保障情勢に目をくばり、巧妙に波に乗って外交を展開していく必要があります。仮に米国に感情的な批判を繰り返せば、米国は世界の平和と安全のため、米国人の命を落とす危険のある軍事行動というリスクを負わなくなるでしょうし、世界から米国が手を引いたら、多くの地域で民族・宗教紛争が頻発することが予想されます。米国には米大陸以外に関心を持つべきではないという「モンロー主義」の過去があります。

自由と民主主義を基調とする多くの共通の価値観を持っている米国を中心とした国との国際協調の中で、日本の外交を堂々と位置付けるべきであると私は考えます。

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