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| 69号 小泉訪朝は大きな成果として更に先へ進もう! |
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1.連日のメディアによる訪朝バッシング
こんにちは、衆議院議員の桜田義孝です。今回のこの絆では、先の小泉総理の訪朝を取り上げてみたいと思います。小泉訪朝については、拉致被害者家族の5人の子供達を連れて来ることができました。これは大きな成果であることは間違いありませんし、曽我ひとみさんについても、夫であるジェンキンスさん及び2人の娘さんとの再会が約束されました。問題とされた10人の不明者についても、かつての調査結果が白紙撤回され、再調査が約束されたことはまずまずの成果と言ってよいと私は思っています。
しかし、この間のテレビによる報道は本当にひどいものでした。繰り返し「小泉総理の訪朝は大失敗」とか、「支援と人質の交換にすぎない」、「子供の使い以下」とか、あらゆる罵詈雑言を総理に浴びせました。メディアは権力への批判が存在意義ですから、政策的な批判は仕様がないにしても、あるいは、事前に首相秘書官がテレビ局に圧力をかけたという点についての報復なのか、とにかく凄まじい小泉攻撃が行われました。
また、家族会と首相の面談がテレビで報じられ、これも大きなインパクトを与えました。ある家族会幹部は、「小泉総理、あなたにはプライドがないのですか」と言っていましたし、横田会長はそれに先立つ会見で開口一番、「予想された中で最悪の結果となりました」と小泉総理の努力等については一切触れず、ただただ裏切られた思いというものについて怒りを爆発されていました。メディアはこうした家族会の怒りの会見を「それみたことか」と連日連日繰り返し報道をしていました。
私は、この一連の訪朝を巡る過熱報道をみて、本当にメディアについてしっかりと考えなければならないなあと思いました。完全に感情論が先行していました。肝心なことはあまり報じられません。年金問題と一緒です。外交というものはそもそも冷静かつ沈着に行われるべきであって、あのような感情論のみで論じられるものではありません。感情論で解決しないからこそ、イスラエル・パレスチナの問題がいまだに存在しているのです。
2.えひめ丸事故のとき
私は家族会のあの会見をみたとき、自分が外務大臣政務官として、事後処理を行った「えひめ丸事故」を思い出しました。あのときも、米軍の潜水艦の急浮上によって愛する子供達を海に投げ出され、失ったご家族の方々の悲痛は大変なもので、その怒りは米軍と共に政府代表である私にも向けられました。「あんたにわれわれの気持ちがわかるのか」といった強烈な言葉が浴びせられ、私はただただ押し黙るのみでした。おそらく帰国後の総理と同じ心境です。そもそもどんなに相手の立場になったとしても、こういうときは相手は納得しないものです。ただただ聞くしかありません。それより、あの時は、時間をかけても、ご家族の皆様方にしっかりとした対応がなされるよう、冷静沈着に全力を尽くしました。そして、ただただ米軍に怒りをぶつけていたご家族も冷静になられ、補償問題や船の引き上げ等について着実に前進していきました。そして私は痛ましい事故は事故として、責任者の処分を求める一方で、同時に日米同盟に傷がつかないように力を注ぎました。大変短い政務官の任期の中で、私が「政治」というものを本当に体験した出来事でした(前回の絆でも書きましたが、その後3年経ち、先日御遺族の皆様方より宇和島に招かれ、皆様からお礼を言っていただきました)。
つまり、家族会に今求められるのは、先を見た冷静な対応であると思います。確かにこれまで外務省や政治家達が拉致問題を長年放っておいたことへの憤り、家族が年老いてしまいもう会えないかもしれないという焦り、いろいろと憤り・怒りはあると思います。しかし、忘れないで欲しいのです。相手は狂信的な独裁国家であり、普通の国ではないのであります。私のときの米軍のように日本を思いやり、しっかりとした法制で責任者を処分できる、被害について補償してくれる、そういう国家では全くないのです。
3.北朝鮮と戦争を覚悟できるのか
ただただ「北朝鮮は拉致はするし、核も開発している、なんてとんでもない国だ」、「経済制裁をやってこらしめるべきだ」という感情論だけ繰り返していたなら、おそらく今ごろ拉致被害者は帰ってこられなかったばかりか、生死すらどうなっていたかわかりません。本当に北朝鮮ととことんやるということは戦争するということなのです。小泉訪朝を妥協だと批判するいわゆる強硬派の人々は米軍と組んで戦争を始めるまでの覚悟がおありになるのでしょうか。もし北が完全に追い詰められればテポドンの一発や二発飛んでくる可能性は十分ありえます。10分で飛んできます。北朝鮮には第二次戦争のときの恨みもあるでしょうから十分ありえます(現在でもノドンミサイル100発以上が日本全土を射程に入れていつでも発射できる状態にあるということを十分理解すべきであります。ましてや化学兵器が搭載されていたら大変です)。
しかし、間違っても核ミサイルが落ちたら、最終的に米軍の応援で戦争に勝ったとしても、北朝鮮が滅んだとしても、わが国の国民が何万人、何十万人も死ぬことになります。つまり、先のような感情論はここまでの被害までを全く計算に入れていない、もっと言えば大甘なのです。感情論で訪朝を批判するのはたやすいことですが、ここはやはり大きな前進と評価し、不明者10人の捜索や日朝国交正常化という実をとることが重要であると私は思っています。
小泉総理がいなければ北朝鮮という思い鉄扉は決して開くことはありませんでしたし、今回の被害者家族5人の帰国もいつになっていたかわかりません。そういう意味では小泉総理は今までの総理と明らかに違い、自分で率先してリスクをとる稀有な政治家といえます。家族会からの批判を受けながら冷静に答弁する総理は本当によく耐えたものです。あれだけやっても評価されず罵詈雑言を浴びるなら政治家はもう誰も厄介な北朝鮮交渉などしないでしょう。家族会では「小泉総理で無理なら次の総理にやっていただく」と言っていましたが、ちょっとどうかなと思います。むしろ総理の功績は多として、これから調査をしっかりとやるように応援することの方がずっと意味があると思います。今後、家族会と官邸の関係修復が急務と思います。
4.いくつかの批判に対して
さて、今回の訪朝についていくつか具体的な批判があるので、お答えします。まず、コメ支援についてですが、これは人質との取り引きというものではなく、あくまで人道支援として行うものであります。実際、ここ数年米国、韓国をはじめとして各国は北朝鮮への食糧等支援を行っており、昨年だけでも米国は食糧10万トン、韓国はコメ40万トンの支援を行っているほか、EUも国連を通じて支援を行っている状況です。日本だけが拉致の問題があるのでやっていなかったわけです。
また、曽我ひとみさんの問題について、メディアがほとんど報じませんが、ジェンキンスさんは拉致されたのではなく、自分から独裁国家に身を投じた脱走兵であり、米国からすれば犯罪者です。むこうでは北の作るプロパガンダに協力しています。そうした人がいくら曽我さんの夫であるからといって簡単に帰ってこられるわけがありません。また、娘さん二人についても、ある報道によれば、「日本は堕落している」、「お母さんが帰ってくるべき」といったように、まず、すんなりと日本に帰ってきそうもありません。その辺の事情も報道せず、ただただ8人戻れなかったので訪朝は失敗といっていたメディアはとんでもありません。大の大人を引きずって帰ってこられるわけがないのです。しかし、曽我さんとご家族の面会はなるべく早く実現させるべきでしょう。犯罪人引渡し条約を結んでいない国ということで、中国やロシア等の名前もあがっていますが、曽我さんの意思を尊重して慎重に選ぶべきであると思います。
最後に言いますと、私は、先の6月1日の夕刻に私が代表世話人を務める小泉政権の聖域なき構造改革の断行を支援する若手議員の会有志、議員本人45名で総理を激励に行きました。総理は若干お疲れモードでしたが、引き続きしっかりとやるとおっしゃっておられました。私としても、外交上、総理がリーダーシップをとって存分に活動していただけるよう、引き続き全力で支援していくことをお約束してきました。
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