桜田 よしたか
自由民主党
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広報誌「絆」
91号 内閣府副大臣として、米国、ブラジルを訪問しました!
 みなさんこんにちは、桜田義孝です。さて、今回は先に4/30〜5/7日にかけて、内閣府副大臣として出かけた海外出張について、皆様方にご報告をしたいと思います。実は、5年前外務大臣政務官のとき、日韓共同開催のワールドカップで、ブラジルやウルグアイ等参加国との友好を深めるため、南米に行く予定でしたが、例の「えひめ丸事故」が起き、急遽ハワイに行くことになり、キャンセルになったことがありました。それ以来の南米に行く良いチャンスでしたので、ホテルで4泊、飛行機で4泊という大変ハードなスケジュールでしたが、喜んで行かせていただきました。

1、ニューヨーク訪問報告
(格差どころではない米国の高額所得社員の実情にビックリ!)

  はじめの訪問地であるニューヨークでは、まず、世界最大で、日本の2倍以上の取引がなされているニューヨーク証券取引所を、金融担当副大臣として視察しました。そこでは、ボーゲル取引所副社長と同証券取引所の問題点や米国経済の見通しについて会談し、米国経済が現在非常に活況を呈していることを改めて実感、その先行きについて明るい展望がみえたように思いました。 また、その後、民間の方々と懇談を致しました。三菱東京UFJ銀行常務、みずほコーポレート銀行常務、米国野村證券社長、日本生命常務ら出席の中、米国ビジネス界の現状、日本の金融機関が米国においてどのようにビジネスをしているのかなど、いろいろなトピックがありました。その中で特に私が一番驚いたのは、日本では最近『格差社会』についていろいろ問題視されていますが、米国社会では格差どころではない、実にべら棒な高額所得者が当たり前という事実です。  例えば、まず、日本の金融機関が米国に行ったときに、どの現地企業にどういうリスクがあるのか分からないので、現地経済に精通した米国社員を雇うことになります。実はそうしたケースの金融機関関係現地社員の年俸が軽く1億円にもなるというのです。ある生命保険会社関係者からは「まだ1億円ならいいですよ、うちには年俸3億円もいます」という話もありました。おそらく現地統括役である同社役員の給料は1億円には程遠いでしょう。米国では、このように能力さえあれば、従業員が社長の3倍も4倍もの給料をもらうのも珍しくはないのが実体のようです。裏を返せば、米国は、自分の能力・力量次第で途方もない格差ができることを是とする社会なのだという現実がよく分かりました。日本の給料感覚からはなかなか理解するのは難しいですね。

(海外へ日本の伝統産業を売り込み、地方経済疲弊に対処すべし!)
  夕刻には、ニューヨーク総領事主催の夕食会に出席しました。そこでは、東芝を初めとする現地企業関係者や、国際協力銀行米州審議役、JETRO ニューヨーク所長らと懇談しました。私が特にお願いしてJETROの所長を呼んでいただきました。次の訪問地のブラジルのサンパウロでもやはり現地のJETRO所長を呼んでいただきました。この目的は日本の伝統産業を海外に売り込むためです。実はこれには訳がありまして、前回の絆でもご紹介した、うちの元秘書の井手哲君が有田町議会議員選挙に出たとき私が応援に行き、現地で感じた問題意識に深く関係があります。いうなれば、私はそこで「地方経済の疲弊」を痛切に実感したのであります。
 井手君が戻った佐賀県有田町は、「有田焼」で有名で、有形文化財としての焼き物があるとか人間国宝が何人いるなど、伝統産業で有名な町です。しかし、経済が疲弊しきってしまっていて、特に有田焼の売上げなどは10年前の5分の1に落ち込み、就業人口は2分の1まで落ち込んでいるというのです。古い街並みは条例で保護されており、昔ながらのお店が景観よく並んでいるのですが、お客が誰もいない。なぜかというと、古い造りですから駐車場がないためお客が来ないのです。補助金を出して保存しているのですが、どれだけの意味があるのか率直なところ疑問に思いました。そして、町の財政は膨大な借金をかかえているということです。井手君はそれを見て、有田は住みにくい、将来展望が何もない、なんとかしなければならないと一念発起して出馬したのです。  私はこの選挙の応援で、地方の伝統産業というもの自体が疲弊しきってぃるとぃうことを痛切に実感しました。その際、有田町商工会議所会頭ともお話しして、「日本各地に売るより、むしろ海外で日本の伝統を理解していただける人に買ってもらった方が良い」ということを薦めてきました。 説明がいささか長くなりましたが、そういう訳で、ニューヨークやサンパウロでJETRO所長に高級なホテル、デパートなどにどうにか有田焼を置いてもらえないかと頼んできました。ブラジルの日系人は140万人おりますが、そのうち7割はサンパウロに住んでいるので、サンパウロでは受け入れやすいのです。
 また、例えば、国内では、「日本酒離れ」とも言われていますが、日本酒の対外輸出比はここ数年で2割程度アップしていることから、柏市の私の同級生で大規模米作を行ない、それを原料として日本酒を作っているところがあるので、ここの地酒も是非輸出させて下さいと頼んできました。このように、仮に地域産業の需要開拓が国内でうまくいかないのであれば、海外に目を向ければ、販路がまだまだ開けると思うのです。改革が遅れているといわれる農業などは、その最たるものではないでしょうか。

2、ブラジル訪問報告
(ブラジルの日系人と日本の伝統・文化)

  ニューヨークの次の訪問地はブラジルでした。ご存知のとおりブラジルは日系移民が大変多いので、出身地である47都道府県ほとんどが会館というものをもっています。ただ、千葉県だけはまだないため、「土地はあるので建物を建てるときなどに千葉県にも援助してもらえないか」という話がありました。面白いですよね。千葉県の職員も現地視察にきましたし、着々と構想はすすんでいますが、そこで感じたのは、何より「日本人の共同体意識」というものです。「誇り高い日本人であることを忘れるな、日本の心をもって働いてくれ」というものを日系人がお互い徹底し合っているということに感銘を受けました。
  私が現在担当しております「経済財政諮問会議」におきましては、ここのところ、「少子高齢化社会に備えて外国人の労働者を本格的に受け入れたらどうか」という話があります。現在、大体の場合、技術研修というかたちで3年間しか外国人労働者を受け入れていませんが、ブラジル日系人はこの対象から除外されており、家族でも日本で住めることになっております。なぜブラジルだけを特別扱いをして良いのか、見直すべきなのではないかという話もかなり出ているようです。特に群馬、静岡、名古屋地区にブラジルの日系人が多い一方、地域に馴染めず現地の治安が悪くなっているという報告が理由となっています。  ただ、100年前の貧しい時代にブラジルに渡り苦労して生き抜ぃてきた日系人に対して、特別な扱いをするのが日本政府として当然なのではないかということを、私は、外国人移民問題に関する副大臣プロジェクトチームでたびたび発言しております。悲しいことに、このような意見は少数派なのです。       今回の訪問を通じ、日本文化の良さを海外で最も深く理解しているのは、ブラジルにいてなお日本の心を忘れない『日系人』であると改めて感じ、私の持論に自信を深めました。例えば、日本の文化を理解する上で欠かせない天皇制を外国人に理解してもらうのは難しいのですが、海外にいる日系人は、その有力な理解者・サポーターになっていただけるのではなぃでしょうか。

(ブラジルの経済事情にみる財政再建の難しさ)
  さて、ブラジルでは、トンビニ中央銀行副総裁、ベルナルド予算企画大臣、ハマーリョ開発商工省次官と立て続けに会談しました。いうまでもなくブラジルは、インド、中国、ロシアと並んで世界的に高い成長が期待される注目国です。このブラジル、十数年前まで財政赤字一色で有名な国でしたが、今は堅実に黒字だということを聞きました。なぜ、黒字転換できたかといいますと「所得の3割もの重税を課した成果だ」というので大変驚きました。
 ブラジルの国民所得について見てみますと、人口で1%程度の高額所得者の所得総額と、人口で50%を占める下位低所得者の所得総額とが同じだということです。それだけ「所得格差」が大きいのです。犯罪も依然なくならず、私が移動するときには常に2人の銃携帯のボディーガードがついておりました。
 先に述べたとおり、現在ブラジルは、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と呼ばれる高成長を遂げている諸国の一角があります。しかし、実をいいますと、この中でブラジルだけが比較的経済発展が遅れているのです。なぜかといいますと、先に述べたように重税を課しているため経済成長率が伸び悩んでしまっているというのです。  日本では現在消費税の引き上げが議論されつつありますが、「経済成長・発展」と「財政健全化のための努力」のバランスというものは、非常に難しいのだなあということをブラジル経済を通じて改めて実感することができました。

Bワシントン訪問報告
(日米同盟の重要性について改めて実感したワシントンDC訪問)

 ワシントンでは、マイケル・グリーン戦略国際問題研究所上席顧問、キャサリンベッカー大統領経済財政諮問委員会委員、ケビン・マーティン連邦通信委員長らと精力的に会談を行ないました。皆さんに日本の構造改革の重要性について深いご理解をいただき、郵政民営化、医療制度改革、経済成長率等、経済政策に関わる多くのトピックについて有意義な意見交換を行なうことができました。一連の議論を通じて、行政改革の流れに関しては、根本的にどの国も似たような事情を抱えているのだなあと実感しました。また、特に連邦通信委員長ケビン・マーティン氏からは、通信委員会の職員であるジェームス・ミラー氏を現在、桜田義孝事務所の秘書として受け入れていることについて深い感謝の意を表されました。
 その後、長く親しくお世話になっている加藤駐米大使と食事をしました。その際に伺った印象的な話がありました。日本の拉致被害者家族で横田夫人が先日、ブッシユ大統領を訪問した際、「大統領お忙しいところ申し訳ございません」と挨拶したところ、大統領は「自由と人間の尊厳について語れないほど私は忙しくはありません」と返したそうです。とても良い言葉ですね。 ブッシユ大統領は、拉致被害者の家族だけではなく、例えば脱北者等、世界中の運命に恵まれない人・不幸を背負った人などと精力的に会っております。最近支持率がやや低迷気味ですが、大統領には、これからも強い意志をもって米国の代表として、日本と引き続き素晴らしい関係を築いていって欲しいと感じました。
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