桜田 よしたか
自由民主党
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元気だそう日本! 桜田義孝の日本国改造私案
第一部 二十一世紀目指すべきこの国の「かたち」と「こころ」
第十二章 本気で環境問題を考えないと地球人類は滅亡する!
1 このままで地球は後何年持つのか?

 いまこの地球上には60億人の人間が住んでいます。40年前は30億人でしたので、この増加のスピードは大変なものです。人間がたくさん住むということは、呼吸もすれば経済活動もしてたくさんのゴミが出るということを意味します。地球という惑星には現在大変な負荷がかかっているといえるのであります。

 自然資源は有限であります。森林は相次いで減少しており、気温も上昇しております。水質も悪くなり、土壌汚染も進んでいます。ゴミも処理場の場所探しで四苦八苦であります。種の絶滅も確実に進行しております。人間が絶滅種にならないことをわたくしとしては祈るばかりであります。しかし、政治家の仕事は祈ることではないので、わたくしは環境問題の深刻さと、この国のかたちづくりに不可欠な環境政策についてお話したいと思います。

 十九世紀半ばからして、地球の平均気温は0.6度上昇しています。海面も10〜20?上がってきています。果たしてこの地球は後何年持つのか?答えは2通り。ひとつはこのまま人類が環境問題に関係なく開発を進めれば、後百年も持たないかもしれない。そして、もうひとつの答えは、人類が環境を意識して地球を大切に使えばいくらでも持つ。そういうことになろうかと思います。要は人類の環境意識にかかっていると思います。

 そして、全人類の意識を変えるには、まず、この日本という国のかたちづくりの中で、最大限われわれは努力しなければならないのです。世界の経済大国での環境政策の成功は、世界人類とこの地球という天体を救うことになると、わたくしは確信致しております。

2 21世紀の環境政策の3本柱、リサイクル、温暖化対策、有害物質対策

 はじめに申し上げておきたいのですが、21世紀のこの国の「かたち」づくりを考える上での環境政策は、@リサイクル対策A温暖化対策B有害物質対策――の三本が柱であると考えております。個別に何が求められているのか見ていくことにしましょう。

@リサイクル問題を解決しないとこの国はゴミで埋まる!

環境問題は、リサイクル問題といっても過言ではないくらい、わたくしは資源の有効利用とゴミの削減は最重要な課題であると考えています。現在、国民の生活から排出するゴミの量は年間5000万トン以上で、これは東京ドーム138杯分に相当します。また、産業廃棄物に至っては年間4億トン以上であり、処理場の残余容量は1.6年と、2年と持ちません。当然、新しくゴミ処理場を作らなければならないわけですが、名古屋港の例をみても明らかなように、場所さがしの難しさは想像を絶するわけであります。これだけみても、ゴミ問題の深刻さがわかると思います。

ゴミは誰でもいやなものであります。しかし、ゴミを処理する場所がなければ街はゴミであふれ返ることでしょう。名古屋の集中豪雨の時、街中がゴミであふれ返ったのを新聞やテレビでご覧になったと思います。周囲は生ゴミの悪臭で悲惨だったそうであります。生活環境を保全する上で、責任あるゴミ政策は不可欠であり、そのためには政治と行政と国民が一丸となって取り組んでいく必要があるのです。

ゴミ対策で一番重要なことは、まずゴミを減らすことであります。リサイクルを制度化していくことが求められているのであります。現在、一般廃棄物のリサイクル率は10%に過ぎません。因みに産業廃棄物については何とか40%までいきました。今後、特に各家庭から出る一般廃棄物のリサイクル率をどう上げていくことができるかが、非常に重要な課題であります。

こうした中、わたくしは一見地味ですが、環境教育がとても効果的であると思います。ドイツなどでは既に学校の授業の中でゴミ分別の仕方を教えていたりと、かなり進んでいます。子供の頃から、ゴミ分別を義務として教えることがリサイクルを助け、ゴミの量を減らすと思います。わたくしは最近この点の研究を始めました。

また、ガラス容器、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、紙パックのそれぞれについて明確な数値目標を掲げて進めるべきであります。既に一般廃棄物、産業廃棄物というレベルでは数値目標化しておりますが、より細かなものとすべきでしょう。目標が明確であればやる気も出てくるわけで、国民に規制を強いる際にも説得力が全然違ってくるものであります。数値目標なき環境政策はあり得ません。

 そして、ゴミ問題解決のため、リサイクル制度とともに、重要な対策として、わたくしが提案したいのは、不燃ゴミ処理技術の向上であります。今、生ゴミについては完全に焼却されて埋められておりますが、夢の島をみてもわかるとおり、不燃ゴミはああいうかたちでそのまま埋められております。早急に何とかしたいものであります。完全な燃焼等で体積量を著しく減少させ、埋める場所にも苦労しなくて済むような新しい焼却処理技術の開発が求められるところであります。

 今の不燃ゴミも大変な高温にすれば溶かせないこともないわけですが、大量の熱エネルギーが排出され、なおかつお金がかかります。この点、コストをかけることなく、不燃ゴミの体積をできるだけ小さくできるような技術開発が不可欠です。

 現在、国の環境研究所等において一応研究されておりますが、まだとても十分なものとはいえません。今までゴミ問題は旧厚生省所管となっていたこともあり、十分な予算や人間が確保できませんでした。今後、国としては公務員の数を減らしたり、予算を削ることも避けられませんが、こと環境政策に限っては、今のお寒い状況を改善すべきであるとわたくしは考えております。すなわち、ゴミを少なくすることと、小さくすることに対しては、より予算を重点配分していくべきであります。

A地球温暖化対策は植樹緑化政策で対処することが必要!

 温暖化とマラリア。一見、日本にとって関係のないようなこの二つの組み合わせが、先行き現実のものとなろうとしております。

現在のテンポで二酸化炭素が排出され、温暖化が進みますと、21世紀末には地球全体で最大六度程度平均気温が上昇するということであります。今の夏でも相当暑いのに、六度も上がったら本当に最悪です。

 海面も50?も上昇してしまい、南海の島国はほとんどが水没するという統計もあるようです。それだけではありません。何と日本のようなところでも、東南アジアのように蚊が生息しやすくなり、マラリアが蔓(まん)延する可能性も出てくるというのであります。つまり、それくらい日本が住みにくい国になってしまうということであります。四季の変化が日本のすばらしい特性のひとつでありますが、それが失われようとしているわけであります。

 ではどうしたら良いのでしょうか?COP3(地球温暖化防止京都会議)における数値目標を堅い決意で守り、実現していくことはいうまでもありませんが、わたくしが独自の案として主張し続けておりますのは、緑化政策の推進であります。かつてわたくしが環境委員会に属しておりました時、当時の環境庁長官達に強く検討を要望し続けた事案であります。

 つまり、二酸化炭素を減らすといってもそれだけでは限界があります。今のように景気が悪ければ、産業政策の見地からも、極端にやり過ぎると大変な結果を招きかねません。空気が良くなったが、それを吸う人がいなくなってしまったでは話になりません。

 ですから、二酸化炭素が増えてしまう分、樹木を増やして吸収させることを考えれば良いのです。この点、環境省は、緑化と温暖化対策の因果関係についての具体的な詰めを行ってはおりません。都市緑化は国土交通省都市局、山林は林野庁の所管で口出しできないというのであります。これは大変妙な話ではないでしょうか。やはり環境省というくらいですから、温暖化対策として有効な緑化政策について、もっとリーダーシップを発揮してしかるべきであると思います。

 具体的には公共機関や企業等の大規模建造物については、原則的に屋上緑化をさせるような制度が必要であります。イメージとしては、都市部では多くの建造物が緑で囲まれるようになるということです。

昼間、東京の高層ビルの窓から、街を見渡すと、なんともビルの屋上が汚いと感じます。すべての屋上に樹木があり緑でおおわれていたら、さぞわたくしたちの心にやすらぎを与えてくれることでしょう。最近、屋上緑化構築物に税制面での優遇が認められたのは朗報でした。

二酸化炭素が一番放出されるのは都市部なのですから、都市の問題はできるだけ都市で解決すべきであります。これは温暖化対策というだけではなく、人間の心をなごませるという意味で、リラクゼーション(憩いの機会の促進)の観点からも良いと信じます。

 ちょっと話が飛びますが、米国のある街では、街の中でベートーベンの交響曲や「白鳥の湖」を流すことで、犯罪発生率がかなり減ったということであります。都市の生活環境をちょっと工夫するだけで、人間心理に大変良い効果を与えることができるのであります。ですから、都市緑化は、このような点から、必ず社会的厚生を増大させると思うのであります。

B有害物質対策では「調査」と「情報公開制度」がカギを握る!

 「精子の数が減っている」、「母乳から子供へ発ガン性物質が受け継がれる」とか、ダイオキシンを始めとする有害物質の問題も現在、大変深刻な広まりをみせつつあります。わたくしは、リサイクル問題、地球温暖化の問題と合わせて、この有害物質対策を進めることが21世紀の環境政策の柱であると考えております。

 さて、化学物質は世界で約10万種、日本でも5万種以上取り扱われているといわれておりますが、現在、特にダイオキシン、環境ホルモン、化学物質過敏症等大きな社会問題になっております。ダイオキシンについては、先般われわれが成立させたダイオキシン規制法で焼却場の規制が強化されたことにより、排出量が9割削減可能となりました。政治の断固たる判断のひとつの成功例であると思います。

しかし、問題はこのようなダイオキシンのような有害化学物質というのが、まだまだ存在するかもしれないということなのであります。環境省がいうには、どの物質が人体にどのような影響を与えるのかといったような有害物質の研究については、まだまだ途上であるとのことであり、わたくしは引き続きしっかりと予算付けを行い、この面で徹底調査をしなければならないと思っております。

 また、ここで重要なことは、企業の産業活動を環境面から徹底的にモニタリングすることであります。企業サイドは利益を挙げること、逆にいえばいかにコストを下げるかが活動動機になっており、有害物質の処理等になるべくお金をかけたくない、だまってなんとかしたいという思惑があることも事実でしょう。

したがって、企業には生産活動の過程で、どんな物質をどういったかたちで排出し、どのような処理をしているのかを情報開示させることが肝心です。これを公表し、環境対策に取り組んでいる会社が社会から評価され、環境対策が企業の行動原因になるような環境整備が必要であります。公表されたリストをもとに、環境省がしっかりと調査して、その環境影響について発表し、適切な指導を行っていくことが求められております。

3 環境とはこの国の人のこころをつくるもの・・・

 「環境とは人のこころをつくるもの」というのがわたくしの持論であります。わたくしは小さいころから農家で育ちました。そこにはあたりまえのように田んぼや川、沼があり、山があり、何より人間の笑顔がありました。ですから、塾から一目散に鉄筋マンションの一室に帰り、プレイステーションに夢中になっている度の強いめがねをかけた最近の少年達をみていると、何か心配になってしまいます。わたくしの少年時代は、あんなに凄いバーチャルリアリティ感覚のテレビゲームはなかったけれども、自然と人間とのふれあいは確かにたくさんありました。

こうした日本の自然は、今、急速に失われてきております。緑が単に減っているというだけでなく、今まで述べてきたように、国土は人間でいえば肝臓が弱ったり、血液が濁ったり、そうした複雑な内疾患の病状になってきているということに、敢えて反論される方はいないでありましょう。昔は生ゴミのリサイクルも自然にやれていたし、夏にみんなが一斉にガンガン冷房をかけて、放出熱により都市のヒートアイランド化を招くなどということもありませんでした。

 生活環境の悪化は、必ず人々のこころに影響してきます。汚い街の中にいれば、こころもすさんでいきます。極端な言い方をすれば、物質的な環境が悪いため、いろいろないやなことを連想してしまうということであります。犯罪発生率も多少関係していると思います。

逆に例えばどうでしょう。夏休みでも、緑が多く、空気のきれいな、涼しげな高原の森の中にいれば、誰でも自然と笑みがこぼれるものであります。そして、こうしたすばらしい自然環境を、どう保全していくことができるかが、環境政策で一番重要なことだと思います。

環境とは明らかに人間の心をつくるものであり、そうした視点を忘れてはならないと、わたくしは信じています。わたくしとしては、前述してきたような環境政策を根気強く続けることで、21世紀のこの国のすばらしい環境づくりに邁進する所存であります。

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