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| 元気だそう日本! 桜田義孝の日本国改造私案 |
| 第一部 二十一世紀目指すべきこの国の「かたち」と「こころ」 |
| 第三章 日本は都道府県制を廃止し、道州制を導入すべきである! |
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1 国会において結成されている議員連盟「道州制を実現する会」!
次にこの国の「かたち」と「こころ」を根本から変えるものとして、わたくしが現在議員連盟の先頭に立って進めている道州制導入について、皆さんに、ご説明したいと思います。
道州制とは簡単にいえば、今の都道府県を廃止し、全国を北海道、東北州、関東州といったように8〜10程度の広域ブロックに再編、現在中央が集権的に行っているさまざまな国の権限を可能な限り地方に移管し、道州の課税権限を強化するとともに、今の国家歳出の多くを占めている公共事業を行う権限等は、原則として道州に帰属させるという政策構想であります。
道州制を実現するということには、国=中央政府の役割をスリム化し、また、今や数が膨大に増え過ぎて非効率・非合理行政の象徴ともなっている市町村を、道州制の枠組みに合わせて新たに再編していくという政策的意義も含まれております。
現在、わたくしたち自由民主党では、元大蔵大臣の三塚博さんを会長として「道州制を実現する会」という議員連盟が結成されており、わたくしは、同連盟の幹事長代理として企画・立案し取りまとめる立場にあります。同議連では、昨年1年間かけて、関係者による研究会を継続してもち、ついに昨年11月9日に「道州制の実現に向けた提言書」をまとめ上げました。
21世紀に向かってこの国の政治・経済・社会を再構築していくうえで、思い切った地方分権とそれによる行政効率化を図り得る道州制の実現は、政治家として何としても実現しなければならない重要課題であると確信しております。以下、道州制の具体的な論点について皆さんとともに、考えて参りたいと思います。
2 道州制の導入で行政透明化と国民負担増なき財政再建が可能!
道州制はなぜ必要かといいますと、それは、中央集権かつ中央依存になっているわが国行財政の無駄を根本的に解消するためです。
例えば、わたくしたちの「道州制を実現する会」の独自の試算によれば、重複行政の一掃と業務の民間移行、行政サービスの見直しにより最低でも十兆円の経費削減が可能であります。個人的には、いろいろ見直していけば最終的に三十兆円くらいになるのではないかなと思っています。行財政コストの無駄をなくし、国民負担増なき財政再建を実現することが夢ではないのです。
そもそも、わたくしは市議会、県議会時代から、何かひとつの公共事業を行う際、なぜ国、県、市町村の負担が、こうも複雑に絡んでしまっているのかと不思議に感じておりました。例えば、身近な公共下水道事業では、事業主体は市町村ですが、事業全体の3分の2を国の補助対象とし、その内2分の1の額が国の補助金として支出されています。道路など多くの公共事業も同様です。
つまり、ひとつの自治体が責任をもって事業を行うようになっていない。その結果、中央からのいろいろな補助金が入り組んで、現在、国と地方の財政というのは極めてわかりにくい構造になってしまっており、そこに、どうしても無駄が発生します。
国家財政と地方財政の関係は誠に複雑怪奇であります。端的にいって日本の税金は、国に入るものが全体の7割、地方に入るのが3割でありますが、その一方、実際に国が遣うのは全体の3割、地方で支出するのが7割という具合に、入りと出が、完全な逆転現象になっているのが実態です。
ここで、「地方で7割使うのであれば初めから地方に7割の税収が入るように制度全体を変えれば良いのではないか」と誰もが感じることでありましょう。当然です。
しかし、現実にはそうなっていないのです。1回国に入ることで、富裕な自治体から貧しい自治体にきちんとお金が再配分されるようになっているのです。これがいわゆる地方交付税交付金制度であり、地方自治推進の過程に存在する大きな壁です。
3 日本行財政の無駄の元凶 ――地方交付税交付金制度について
例えば東京都や千葉県、神奈川県などは比較的たくさん税収が入ってきますが、1回国で徴収した後、例えば税収の少ない鳥取県などの地方に再分配されていくため、都市部では、入った額より少ない金額のお金しか使っていないのです。国=中央政府が間に入り、地方交付税制度で地方間の財政のバランスをとっているのであります。
わが国が、いくら均衡ある国土造りを目指しているといっても、これでは余りにも片寄り過ぎていると思われます。税収のない地方に税収のある都市部からお金を回すというのですが、そもそも都市部というのは人がたくさん住んでいて、道路も混雑し、電車のラッシュもひどいものでありますから、当然それだけお金がかかるはずなのであります。
地方には都市部ほどのお金はかかりません。むしろ、地方に無駄な投資をするよりは、石原慎太郎氏がいうように、首都圏全域に思い切ってインフラ投資をする方がはるかに経済全体を活性化させ、国民的利益にかなうものといえます。
つまり、1回、国に税金の大半を徴収したうえで、国の裁量で地方に都市部のお金をもっていくという現在の地方交付税制度は、行財政を極めて不透明で歪んだものにしており、増えつづける国と地方の財政赤字の最大の元凶となっているのです。
むしろ、都道府県などという枠組みをはずし、例えば、九州なら九州地方という地域をブロック化し、その中で各自治体の財政のバランスをとる(お金持ちの福岡県から鹿児島県への収入移転)こととし、地域政策についての権限も新ブロック=道州に多くを委譲してしまう方が透明であり、無駄遣いを防げます。
あわせて、市町村数も対応能力強化のために現在の3229から1000くらいまで、中長期的には300くらいまで削減していくことが望ましい。わたくしは、道州制導入と市町村合併を一体の問題として、今後強力に推し進めるべきであると確信致しております。
以上のようなことをすれば、各地域が独自の財源とコスト意識に基づいて、独自性のある街づくりを推進できることとなるのです。九州というひとつの地域の中で、どのような財政バランスをとるかは九州の人々の自由となります。
地方分権一括法という法律が通りましたが、都市計画法等一部の国の権限が地方に移転されただけであって、実際には、あまり変わっておりません。これは、前述のような地方財源と交付税制度の全体像についての議論がないからであります。
繰り返しになりますが、原則としてはその地域で支出される政策経費は、その地域で賄われる方がより透明性があり、わかりやすく、国民に対して説得力があるといえます。当然、離島等かなり地方になればきつくなるでしょうが、道州制によって地方区分を大くくりにすることで大半の問題は解決できるはずであります。
仮に道州域で賄えないような巨大事業であれば、本当にその地域にそういう需要があるのかを再考すべきでありましょう。それがコスト意識というものであります。ただし、当面は制度移行の経過措置として、JR各社で行われているように、ある程度の地域バランスをとることは検討しても良いと思います。ハ
4 道州制で地方主権を実現すればこの国のかたちが一変する!
道州制実現によって一番変わってくるのは、何より国=中央政府の役割であります。道州制が単に今の都道府県の合併であれば効果半減であります。思い切って地域政策のグランドデザインを地方にまかせて、国は、外交、防衛、司法等本当に国家全体として必要な政策、調整業務に特化することで、思い切った国のスリム化・地方主権の構築が実現できると信じます。
国会議員になりますと本当に驚くのですが、特に衆議院議員の場合、財政、防衛、建設、文教などなど膨大な政策領域について参画が求められておりますが、必ずしもすべてについて十分な審議が行われているとはいえません。各政策分野の内容が細かくなり過ぎて、なかなか突っ込めないというのが現実であります。裏を返せばこれは、本来地方で決めても良いことまで、国会議員がいくつもの委員会を兼務して審議しているということになるのであります。
ですから、道州制を実現することで地方主権国家の構築を推進し、国の役割といったものを限定的にしていく必要があります。
中には、「今まで国でやっていた事業を何でも各道州などというものに移譲してしまっては不安だ」という方もいるかもしれません。
しかし、地域に何が必要なのかという問題は、その地域が一番わかっているものであります。あとは、その道州という枠組みの中で収支を考慮し、コスト意識というものをもって、道州政府と地域住民が共同で街づくりを行っていけば良いのであります。つまり、高い負担で高福祉が良いのか、低い負担で低福祉が良いのかは、各地域が自律的に決定すれば良いのです。
また、道州政府は、これまでの都道府県よりはるかに大きな権限を持つわけですから、今まで中央官庁や大企業にいっていたような優秀な人材等も多く集まるはずであり、一部の方々が心配されるような行政の対応能力の問題も解決できるはずとわたくしは考えます。
5 道州制の導入のため解決すべき手続き上の諸課題
以上のような問題意識にたって、さあそれでは具体的に道州制を実現していこうということになりますと、実に多くの法律を改正しなければならないことは間違いありません。
先ほどもお話しました地方分権一括法の場合では、475本の法律に手を加えることになりました。わが国には現在約1600本ほどの法律がありますが、仮に道州制を制度化するとなりますと、全法律の6〜7割の改正が必要になると考えられます。
また、これだけの法改正を伴う国の基本構造を変革する大きな議論でありますから、当然それなりの年月がかかることが想定されます。地方分権推進関連法の際で、議論から法制定まで五年近くの月日を要しており、道州制の実現の場合は、それを優に上回ることになるでありましょう。
具体的な手続きとしましては、まず、われわれ「道州制を実現する会」の今回の提言書を受けて党内の地方行政部会で審議していただき、更に党執行部から政府へ検討の要望が出されます。
そうしますと、所管庁の総務省では、地方制度調査会等審議会で数年かけて議論されます。そしてこの答申に基づいて政府原案が作成され、内閣に提出された後、閣議決定、衆参委員会、衆・参本会議を経て立法化されるわけであります。これは内閣提出法案として処理する場合ですが、当然議員立法ということもあり得ます。
また、広く国民の意見を聞くため、国会に現在の憲法調査会や国会移転の特別委員会のような特別の専門委員会・調査会を作って議論するということも、十分な検討課題として挙げられるところであります。
そして、この道州制導入に関しては憲法改正が必要になるという意見もあります。これは憲法第92条の地方自治の本旨という部分でいう地方自治が、都道府県と市町村を指しているため、これを改変するためには憲法改正が必要であるというのであります。
わたくしは、道州制をきちんと憲法に明確化しておくという意味から、この前の章で述べてきた憲法改正議論のひとつの論点として道州制を取り上げても良いと考えております。
こうして見ただけでも予想される作業は実に膨大であります。道州制に移行した場合の具体的な業務内容と都道府県職員の再配置に関する検討等、今後詰めなければならないことはたくさんあります。
しかし、わたくしは冒頭で申し上げたような問題意識に立ち、21世紀の国づくりの基本ともなるべきこの道州制の実現に向け、引き続き、さまざまな検討事項を細密に詰め、何としても国民に納得いただける案を作成し、一日も早く皆様にお目にかけたいと思っております。
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