 |
|
|
|
|
 |
|
| 元気だそう日本! 桜田義孝の日本国改造私案 |
| 第一部 二十一世紀目指すべきこの国の「かたち」と「こころ」 |
|
|
|
1 途方もない国と地方の借金残高、悪魔の数字666とは・・・
21世紀のこの国の「かたち」を考えるうえで、忘れてはならないことは今の財政赤字をどうするかということです。今の国と地方の借金残高は666兆円であります。余談ですが、666という数字は聖書のヨハネ黙示録で悪魔の数字とされており、縁起の悪い数字だそうであります。グレゴリー・ペック主演のオカルト映画の「オーメン」で、悪魔の子ダミアンの頭に刻みこまれている数字です。
わが国は仏教国なので聖書とは関係ありませんが、この借金の金額が人類に終末をもたらす悪魔ダミアンのように、わが国財政を破綻させ、国民を著しい経済混乱に陥れることは充分あり得るのです。
さて、国の借金残高だけでも平成13年度末現在で389兆円ありますが、この何百兆円というお金のボリューム、果たしてどれくらいのイメージかおわかりになるでしょうか。
ここで仮に1万円札を積み上げてみたとしましょう。国の現在の借金残高は、何と高さで3890キロメートルにもなるそうです。これは富士山(3776メートル)の1030倍、エベレスト(8848メートル)の440倍にもなる途方もないものであります。
積み上げた1万円札を横に寝かせるとJR線とフェリーで根室から奄美大島の距離(3548キロメートル)を上回り、空路に置き換えると、東京からマニラの距離(3024キロメートル)を上回るものだそうであります。
ここに違う事例があります。現在、世界中の開発途上国の累積債務は合計で2兆ドル、円に換算して230兆円でありますが、既におわかりのように、わが国の国債残高だけで優にこれを超えてしまうわけであります。開発途上国全部の借金より日本政府の借金の方が多いというのでありますから驚きです。だからどうしたのだという声も聞こえてきそうですが、要は、こうした途方もない借金を、どうすれば返済できるかを、われわれが考えなければならないということであります。
2 何でこんなことになってしまったのか・・・・・・・
―― 大蔵省が悪いのか?政治が悪いのか?果たして・・・
大蔵省(現財務省)といえば、国の俊才の集まりであります。そうした人間が雁首そろえて今まで一体何をしていたのか。誰もがそう言うはずであります。事実、かつて大蔵委員になりたての頃、わたくしも時の主計局長にそういったことがあります。主計局長は何とも言いませんでしたが。
あんまり大蔵省をいじめると、一部からこういう意見も聞こえてきそうです。「バブルの崩壊以降、そもそも政治家が景気回復最優先といって、赤字を出しても公共事業をやれとか、減税しろとか言いつづけたからこんなになってしまったのではないか」と。
これは一面では正しく、一面では正しくありません。確かに政治家は選挙を意識していますから、民主主義国家においては、いずれの国も財政規模がどうしても拡大基調になるという傾向は否めません。
そうした中で、バブル以降、景気が著しく落ち込めば、1億人が「景気回復優先だ」と大合唱になり、政治家が国民の声を聞かざるを得ないのも事実であります。実際バブル崩壊以降の打ち出された国の総合経済対策は、11回、事業総額で130兆円にもなります。
しかし、マクロ経済学的にいえば、このような経済対策はある程度税収の下支えに繋がっているはずであり、それがない場合のどん詰まり状況を考慮すれば、経済対策が財政赤字を増やしただけで全く無駄であったという議論は成り立ちません。
そもそも財政再建という考え方は、単に公共投資の額を減らすということを意味するわけではなく、もっと構造的なものであるというのが真実であります。公共投資総額は10兆円であり、これを例え数%減らしたところで、本当の財政再建を意味するものではないのであります。
要は、国と地方の支出構造全般に対する効率化こそ至上命題であり、単に道路や堤防の補修を少し延期したからといって、国の財政が再建されるというような考え方は、公共事業悪玉論に基づいた感情的なものと言わざるを得ません。
むしろ現在の財政危機は、あらゆる政策項目について無駄が増え続けてきた結果、もたらされたものであります。今の予算は、一般会計と特別会計、地方自治体会計が入り組んで巨大な無駄を許しており、更には、幸か不幸か、貯蓄性向の高いわが国の国民の金融資産で、これを受け止められているという諸事情が絡み合った結果、長い間、誰にも財政状況が危険水域であるという実感がわかず、その結果、政策当局が議論を先延ばしにしてきたことのひとつの帰結なのであります。
それでは、どうすれば良いのでしょう。われわれが21世紀のこの国の「かたち」をより良いものとするために取り組まなければならない財政再建について、一体何から始めれば良いのでしょうか・・・・・・・・
3 財政をまともなかたちとするために必要なこと
@日本一家の家計は今やパンク寸前の大惨事!
今の財政状況を家計に置き換えてわかりやすく説明してみましょう。今の財政を維持するために年間に必要なお金は83兆円ですが、イメージがわきやすいように万円単位にしてみましょう。
日本一家維持のため、ひと月にかかってしまうお金は83万円です。このお金のうち住宅ローンの返済も含めた借金の返済(国債費)に17万円とられてしまい、分家への援助金(地方交付税交付金等)に17万円もっていかれますので、実際の日本一家の使えるお金(一般歳出)は48万円です。
この金額の中では、おじいさんおばあさんの生活費(年金)や医療・介護費(社会保障)に17万円、家の修繕(公共事業)に10万円、子供達の教育費(文教・科学技術振興)に6万円とそんな具合に使ったりしています。「食費がないじゃないか」などという厳しい突っ込みはやめてください。あくまで家計に置き換えた場合のイメージなのですから。
ところがであります。ここが肝心です。日本一家が汗水かいて働いて得られる月収(税収)は55万円しかありません。ですから、差し引き必要な28万円はまたどこからか借金(国債発行)をしなければならない。毎月、借金の返済額よりもっと大きい額をまた借りているわけですから、どうにもこうにも借金は減りません。最後にはパンクするのがわかると思います。
A国民負担増なき財政再建のためには道州制の導入が不可欠!
わかりやすいままでいきましょう。まず、先ほどわたくしは全般的に見直しが必要だと言いました。国民負担増なき財政再建のためには、わたくしは構造を根本的に見直すことが肝心だと思うのです。
ここで、まず、分家への支出つまり地方交付税交付金は無駄だと思うのです。先の道州制に例えてみれば、分家(地方)の収入の一部は本家である日本一家に一回入ってきてしまう(道州制を思い出してください)。ですから、なるべく分家は分家で自活してもらうようなかたちにして月々出て行く17万円分の負担を日本一家の家計から除去できれば家計の膨張を回避できるはずです。今や分家のお金の使い方に本家がとやかくいうような時代ではありません。また、分家も本家頼みではなく、自主財源を持てるようにして、自分達の家については自分達で良くする道をみつけることが求められております。
こうして本家と分家が競争し合う方が、日本村の活性化のためには必ずやプラスなはずであります。先も述べましたように、わたくしたち道州制を実現する会の試算では、道州制の導入で年間10兆円以上(=10万円)程度が削減できるはずであり、これだけでとても大きな効果になるはずであります。「国民負担増なき財政再建には道州制の導入が一番」だと、わたくしが考えるゆえんであります。
B高齢者参加社会を構築し社会保障費の基本構造を変えることが必要
また、次に考えなければならないのが、おじいさん、おばあさんにかかっている17万円(社会保障費)でしょう。おじいさん、おばあさんどころか、日本家にとってはお父さんもお母さんも年をとってきており、子供が少ない分大変不安であります。先行き生活費や通院・介護費は大きな負担となることが避けられそうにありません。
このような社会保障費対策としては二つが考えられます。第一におじいさん、おばあさんに元気になってもらうこと、そして、おじいさん・おばあさんにも働いてもらうこと、この二点であります。
ここで諸外国の平均入院日数をみていただきましょう。米国の平均入院日数が7.8日、イギリスが9.8日、ドイツが14.3日、フランスが11.2日である一方、日本の患者さんの平均入院日数は42.5日と驚くべき数字であります。わが国の特徴として高齢者の方々の長期入院が非常に多い。これが医療費の増大に大きく影響しているのであります。
国民医療費は年々増え続け、現在では30.7兆円にも達しています。政府にとっても企業にとっても大変な重荷であります。そこで、おじいさん、おばあさんを寝たきりにせず、元気にするために必要なことが、仕事をもって働いていただくことであります。どんなことでもいい。頭と体を動かすことは生きる張りをつくり、体の衰えを防ぐ効果があります。
60歳を過ぎたら引退だ、などと誰が決めたのでしょうか。わたくしは下手に退職し、どっと老いてしまって入・退院を繰り返す人を多くみてきました。ですから、働きたい高齢者の方々の経済社会への参加は、絶対社会保障費を減らすし是非必要であると確信しています。このことは後の厚生労働政策の章で、もっと具体的に述べたいと思っております。
C公共政策に経営感覚というものを植え付けるべき!
次に、政策全般を総括しながら申し上げたいと思います。今、必要なことは国も地方もコスト意識というものを徹底すべきであるということであります。先ほど公共事業悪玉論のご説明をしました。肝心なことは、費用対効果というものをしっかりと根付かせることができるかどうか、もっといえば政策評価制度の充実が必要であると思います。
今度発足した総務省が、政策評価を行う部署として明確になっているようですが、総務省にこうした能力があるとは思っていません。政策評価という概念が、そもそも今まではなかった。会計検査院というのもありますが、これは予算の適切な執行に目配りする役所であり、ある事業が人々にどのような効用を与えているか、その政策・事業が無駄か有効か、そうした見地から評価・鑑定するという機関ではありません。
ここでやはり民間の知恵というものを生かさなければならない。今後公共政策に関する診断士と言いますか、評価コンサルティングのような資格も新規に設けた方が良いと思います。全国で統一的な評価基準・スキルができて資格保持者が広まっていけば、中央政府だけでなく、全国の地方自治体の政策評価が可能になります。総務省の官僚だけがやるというでのはやはり限界があると思います。
また、わたくしは早くから公共機関予算へのバランスシート会計導入を提唱してきました。決算行政監視委員会所属の際、バランスシートの導入についての質問も行っております。確かに、公共機関は利益を追求するところではなく、また、資産といっても、道路とかがどのような位置付けで計上されるかなど、民間企業と同じようにバランスシート化することの難しさもあります。しかし、バランスシートをつくることで、行政全体にコスト概念を植え付けていくことは、必ずや行政の効率化に繋がるものと確信致しております。
以上のようなことばかり述べますと、「桜田さん、何を言っているんだ、公共機関は利潤を上げることではなく、利益を度外視しても公共のため必要なことをやるところじゃないのか。桜田さんの考え方は間違っている」という意見も聞こえてきそうです。
しかし、ここでいう「利潤」を「国民の利益」と置き換えて考えてみてはどうでしょうか。金銭だけではなく、公共業務がもたらす人々の生活満足度も「利潤=利益」として考えれば、やはりこうしたものをこそ公共機関は追及しなければならないと思います。ましてやこれだけ財政が悪化している中、無駄をそぎ、利益を挙げて借金を返すくらいの心構えが求められるのではないでしょうか。
D民間移行できるものは極力民間へ!
―― 特殊法人は基本的に必要最小限にとどめ民営化すべきである!
さて、わたくしが財政再建の策としてもうひとつ提案しておきたいのが、特殊法人の民営化であります。現在わが国には77の特殊法人があるそうです。
特殊法人とは、簡単に言って公共機関であり、経営的には完全に自立するのが厳しいが支援するのが国策上適切であるという判断から、中小企業等への融資等をバックアップする融資機関であったり、官庁の政策のもとに公益事業を行ったりするものを指します。代表的なものとしては、日本政策投資銀行、国際協力銀行、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、日本道路公団、宇宙開発事業団等々本当にたくさんあります。
例えば、政府系金融機関が民間企業等に融資する場合の元本は皆さんの郵便貯金や簡易保険でありますが、貯金している人には比較的高い金利を払わなければならない一方で、あくまで支援するわけですから、困っている企業等には好条件・低金利で貸し出すため、国の一般予算から毎年一定の補てん金が必要であります。また、官に成り代わり公益事業を行うような特殊法人であれば、自分のところでは充分な収入がないので、国の予算から補助金が入ってきてはじめて仕事ができます。
こうした補填金は、三種類、つまり補助金、貸付金、出資金であり、合計で何と5.3兆円にもなっているというのであります。案の定、内訳では補助金が大きく、3.4兆円を占めています。毎年これだけのお金が出て行くわけです。
そして、ここでこうした特殊法人による業務が、どれほど必要なのかという問題があります。例えば、先に、日本開発銀行を衣替えして発足した日本政策投資銀行ですが、大企業の東京電力や東京ガスに貸しているのが実態です。高度成長期は、重厚長大産業を支援するこういう政策が必要であったかもしれませんが、今は民間金融機関がやれば済むことでしょう。また、住宅金融公庫や国民生活金融公庫、中小企業金融公庫についても同様に、信用保証制度等公的支援制度をうまく使えば、民間金融機関が代替的に業務ができるはずであり、この方が国民経済計算的にもプラスなはずであります。
日本道路公団や都市公団のような機関でさえも、民営化すべきだと極端なことはいわないまでも、民間企業の経営手法も取り入れて無駄を極小化するようにすれば、必ずや税金の注入を軽減できると思います。公団のトップクラスを「総裁」「副総裁」などと呼ぶというのもどんなものでしょうか。民間企業並みに「社長」や「専務」で良いのではないでしょうか。ちょっとしたことですが、こういうところから経営の意識改革が可能になると思うのです。
簡単に言いましょう。高度成長を実現した今こそ、財政再建と経済社会活性化のため、特殊法人の全面的見直しと民営化は不可避です。今までのように焼け太り的に合併させるというのでは、財政再建には全く無意味であります。特殊法人の民営化推進によって、究極的には毎年5.3兆円が浮けば、財政再建に大きく前進できるはずであります。わたくしは、小手先の公共事業削減論を展開するより、こうした財政構造の根本的改革に取り組むことこそ財政再建に一番必要であると確信致しております。
4 千里の道も一歩から ――その他財政再建に向けての諸策
さて、今まで、わたくしの考える財政再建策として、@道州制の導入による財政重複の除去A生涯現役社会を前提とした社会保障制度の抜本改革B公共政策における経営感覚の徹底C特殊法人の全面的見直し――等について論じてきました。
そして、この章の最後に、千里の道も一歩よりということで、その他の細かいところでのわたくしの財政再建諸策について皆さんに提案したいと思っております。
まず、歳出ではなく、歳入面でわたくしが一番問題視しておりますのが、消費税の中小特例措置と呼ばれる制度であります。例えば、現在、年商3000万円以下の業者には消費税の支払い義務がありません。ですから、消費税をまるまる別途納税しなくても良いのですから、利益として計上できてしまうという、誠に不思議な現象が起こってしまいます。これらはいわゆる「益税」というものでありますが、わたくしはこうしたところからも税金をとって良いと思うのです。きちんとした数字ではありませんが、こうした益税だけで何と3000億円にもなるという説もあります。
また、現行の消費税制度では売上高が2億円以下の課税期間について、選択により売上に関わる税額にみなし仕入率を乗じた金額を仕入税額とすることができるなど、本則的な課税より優遇されているのも変であります。こういう特別扱いはやめて、本則課税一本にしてわかりやすくする必要があると思います。財政再建のため安易な消費税引き上げを考える前に、こうした不公平なところこそ改善しなければならない。何兆円も税収が違ってくるとしたらこれは見逃せません。
これからのわが国の経済政策を考えた場合、えこひいきというのはできるだけ少なくしていくことが肝要です。わが国の場合、何かあると、すぐ特別税制措置だとやりますが、これは税制をわかりにくくし、税収を減らすだけであります。
きちんと取れるところからは取るという姿勢が税制の公平性にもかなうといえます。消費税だけではありません。外形標準課税についても慎重に議論しながら、公共サービスを受けながら税金を払っていない企業等についても一定の負担をしていただくことが必要であります。
また、税金に関連してわたくしがつくづく感じますのは、徴税業務の重複と無駄についてであります。わたくしは徴税機関の一元化を提案したいと思います。
そもそも徴税機関は、国の税務署、県税事務所、市役所等、税金毎に全部わかれていて、国民の側にも負担感が大きいし、取る側も取れる時に一遍に取ってしまった方が、かなり無駄が少ないと思うのであります。全国で5.6万人といわれる国の税務職員をはじめ、県と市町村でもっている徴税業務職員を、かなり減らせるはずであります。
このことは、自主財源の大幅アップを前提とする、わたくしの道州制議論と矛盾はしません。徴収は一元的に独立行政法人化してしまい、機械的に国と道州と基礎自治体に分割配分すれば良いだけです。この方がはるかに効率性が増すと思うのですが、いかがでありましょうか。
さて、倹約の話をいろいろ申し上げていくと切りがありません。しかし、切りがないのは財政赤字も一緒です。重要なことは、あらゆることについて徹底的な倹約を実施すること、決めたら即実行、これしかありません。わたくしは、後で述べる建設政策と、この財政政策を政策の二本柱と位置付けて特段の注意をもって取り組んでおります。
今後、財政再建の必要性が浮上する中、まさに「千里の道も一歩から」、こういう謙虚な姿勢で、財政再建の旗手となって取り組んで参る覚悟であります。
|
|
|
| 【目次】|【前の項目】|【次の項目】 |
|
|
|
|
 |
|
 |
Copyright sakurada yoshitaka. Prduced by Cyberize, Inc |
 |
|
|
|
|
|
 |